TOYOTAバッシングの陰に感じた不安

 トヨタのブレーキ不具合問題が連日のニュースをにぎわしている。アメリカでは、特にその報道は顕著だ。運輸長官が「トヨタ車には乗るな!」発言をしてしまったり、当然ラジオ(実はほとんどTVを見ないので)のNEWSでもその不具合の数々、そして新たに発覚してしまった問題などを、まるで鬼の首でも取ったかのように説明している。どうもこのような報道をきいていると、かなり昔にココム規定に違反した東芝を、同じようにバッシングし、国会議員(だったと思う)が、TVで、東芝製品を金槌でたたき壊していたシーンを思い出させる。確かに昨年はアメリカの自動車産業にとっては、GMとクライスラーの倒産という歴史に残る年だった。そんな中、同じように景気低迷で販売台数が激減した中でも、エコカーの販売に力を入れ確実に努力してきた(であろう)TOYOTAに対する、言い方は悪いが「腹いせ」にも通じるものが見え隠れしているような気がしてならない。
 さて、TOYOTAのリコール問題だが、確か事の発端は、去年の秋ごろ「フロントマットがアクセルに引っかかってアクセルが戻らなくなってしまう」というものだったと記憶している。それがここへきてアクセルの機構自身の問題になり、昨日あたりから、「アクセルを制御するシステムのソフトバグの問題」という話も出てきている。実は、この話、私は昨年訪問した車載オーディオ機器メーカー大手A社のエンジニアから既に聞いていた。彼は「アクセルが戻らないというのは分かるが、発車時からアクセルを全開に踏み込む人なんかいない。引っかかるというのはアクセルを全開に踏み込んだときにおこる(と言われていたと思う)らしいがそんなに全開に踏み込む人がいるのか?これはきっと、このシステムを制御しているソフトのバグに違いない」といっていた。「ソフトのバグはまず発見するのにかなり時間がかかり、単純に治せるものではない」と指摘したうえで、まず簡単に問題を安価で対策できるものに置き換えている可能性があるというのだ。その時は単純に「う~ん、そういうこともあるのか」と思って聞いていたのだが、ここへきてその話がまだ明確ではないにせよ現実なものとなったということに正直なところ、かなり不安を感じだ。今でさえ自動車の電化率はかなりのパーセンテージを占めており、ハイブリッドや電気自動車になればそのほとんどが電化されるわけだ。当然それらの制御は全てセンサーやマイコンをはじめとした電子部品(既にマイコンの搭載数は相当数に上っているらしい)によってコントロールされる。そしてこれらを機能させるソフトウェアは、恐ろしく重要なものになるわけだ。WINDOWSのようにあれだけのシェアを持つソフトウェアでさえ、いまだに多くのバグを抱えている。確かに机上の使い勝手という領域だし致命的なバグでも命にかかわることはない。しかし車となると話は別だ。ちょっとした些細なバグでも、それは大問題になる危険性を十分はらんでいる。ひとつだけ入力を間違えても、これが立派なバグとして、何十億円もの損失と、尊い人命を奪う結果にもなりかねないのだ。そう考えると、車載電装品に使用されるソフトウェアを開発するエンジニアにはかなりのスキルと技術力、そして注意力が要求されるだろう。ただ、この先も急激に進む車の電装化に、その人材の供給が間に合うのだろうか?前出のエンジニアが、ぼそっと話していた「今後、車載のデータ制御も通信を利用したシステムにどんどんなっていく。そこにはバグだけでなく、ウィルスも容易に侵入できる可能性もある。それらをどうやってプロテクトし、そして改善していくのか、そう考えると非常に厄介な問題がたくさんでてきそうです。」と。う~ん、確かに。。。。
 TOYOTAバッシングの陰に実はソフトウェアのバグによる問題という将来の不安の種が見え隠れしている事を意識している人は果してどのくらいいるのだろうか?

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