マーケティングの重要性を真剣に考えてみるべきだ!

少し時間が空いてしまったが(スミマセン)、今回も食べ物の話から…。シリコンバレーの古くからの知り合いで飲食店を展開し大成功している友人がいる。彼はこちらでは一般的な寿司カウンターのある日本食レストランを2店と日本風にメニュー構成をした中華レストラン1店の3店舗を経営。特に日本食レストランは連日行列のできる繁盛店。それが何年も続いている。もちろんシリコンバレーには同じようなレストランは山のようにあるが彼の店だけが特別に繁盛しているのには彼のしっかりした戦略があった。大きな特徴はといえば客の大半、少なくとも8割近くは日本人ではなくアメリカ人、それもアジア系の人たちだ。味付けはといえば、もちろん本来の日本食のそれではなく、日本人になじみのメニューに少し手を加えてアメリカ人受けするようにきちんと工夫されている。少し甘目の効いたテリヤキ(あえてカタカナで書きます)。ころものボリュームがある天ぷらにダシよりは醤油風味がちょっと際立った天つゆ等々、個々の詳細を聞いたわけではないが、それなりの工夫がされていることは間違いがなさそうだ。これは寿司にしても同じである。彼曰く「いま日本食レストランで一番お金を落としてくれるのはハイテク企業に勤めている中国人を中心とした20代から30代の若者たち。彼らが寿司を食べ始めた時には、既にカリフォルニアロールやフィラデルフィアロールといった俗にいうミッキーマウス寿司がスタンダードとしてメニューにあった。このような客にシャリの炊き方が重要とか青物の〆方が重要とか、ネタの寝かし方が肝要とか、このようなところにこだわってもまったく意味がない。なので勿論妥協はしないが仕込みを含めた部分でこだわりを抑え、万人に合う味を提供することが繁盛につながる」ということだった。なるほどといった感じ。このベーシックに加えて、上記に書いた味付けの工夫、たとえば甘味がある卵料理はゲデモノ料理と同等というアメリカ人の意識に基づきダシ巻卵の甘味を抑える等の工夫を施すことが繁盛のベーシック、つまりマーケティングとR&Dの賜物だといえると思う。
このマーケティングとR&Dがグローバル化にいかに重要かということは、「ものつくり」を自負している日本の中小企業に実は今一番欠けていることだと思う。最近多くの日本の中小企業の皆さんと会う機会があり色々と話を伺う中で、それぞれ素晴らしい商品や技術を持っているのだが果たしてそれらが今のトレンドである製品の何に応用できて、どこに使ってもらえるか?このあたりにリサーチしている会社は残念ながら非常に少ないことが分かった。つまり自分たちが作った製品がそのまま世界で通用するという事はまず皆無だという事を残念ながら今までお会いした企業の殆どが理解していないような印象を強く受けているのが現状だ。少したとえは異なるが具体的な例でいえば、知り合いが、あるアメリカの著名企業のCEOを日本に招請した際、金沢の代表工芸である金箔製造を見学させたそうだ。その際にCEOはそのプロセスを見て(もちろん金箔製造は日本以外でも行われているが)、その技術力の高さと製品の素晴らしさに驚嘆したそうだ。が、結局それで終わりである。仮にこのCEOが今トレンドのハードウェアの生産主だとしても、それが、この会社の製品にどのように生かされてコストダウンや製品の付加価値に応用できるのか、その薄膜精製の技術を応用してさらに素晴らしい製造技術を確立できるのか…というところまで言及されなければ結局この金箔製造は金沢の伝統工芸のままで終わってしまうのだ。
ものつくりを標榜し、それに酔っている感のある日本の中小企業の皆さん。確かにその技術や製品には素晴らしいものがあり、それによって数々のヒット商品を世に送り出してきたことも事実だろう。しかし、これからさらにグローバル化を図り業績を上げていくためには、今のトレンドや市場の需要にそれらが合致しなければ何の意味もない。このあたりを真摯に受け止めることによって自分たちの持つ技術が、たとえば今旬であるスマートPHONEやタブレットPCにどれだけ需要があり、それによって製品のコストダウンが可能になるのか一度真剣に取り組んでみてもらうことを是非お勧めしたい。もし需要がないことがわかればそれもまた良し。他の新しい市場をさらに開拓するきっかけにもなるのだとPOSITIVEに考えてもらえばと思う。

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