AI時代は製造業のチャンスだと思う!

AIがブームになって久しい。今では日常のニュースでもAIの言葉を聞いたり見かけたりしない日が無いくらい話題になっているというかバスワードになっているというか、とにかくその勢いは留まる事を知らない感じ。単純に、このあたりには正直疎い自分の感覚では、AIのゴールとは知的(高給)職業の凌駕にまずフォーカスされていくのだな~というイメージが強い。例えば過去の判例の物量リサーチが仕事の多くを占める弁護士や、症例などの解析が重要なお医者さん、または数字の解析がポイントになる会計士やアナリスト、投資家などの領域がどんどんAIに置き換えられていく感覚だったんだけど、実はAIの隆盛は、この領域には全くとどまらず、それこそ多岐にわたっていることは、自分もそうなんだけど、あまりきちんと認識されていないような気がする。まあ自分の場合は勉強不足だという事が一番大きいのですが…^^;;
例えば、日進月歩で開発が進み、GOOGLEのWAYMOやUBERをはじめ、多くの企業が参入している自動運転車は、まさにAIが必需品だ。シリコンバレーにはCRUSE AUTOMATION (GMが1000億円で買収)やZOOXといった車載AIの分野でかなり吐出しているスタートアップがあったり、INTELが買収したMOBLE EYEもこの分野の先駆者的存在である。要は人間の判断の代わりにAIが、その日の天気やカメラやセンサーが捉えたデータにより、障害物が人であるか物体であるかを見極めたり、暗い状況がトンネルの中なのか夜なのかを判断したりする部分がAIにゆだねられていくわけだ。そのためには膨大に収集されたデータを的確に処理できる能力が不可欠になってくる。
同じように産業面に目を向ければ、工業用のロボットなどAIを利用することによって、蓄積された動作のデータから究極的にミスを減らしたり、動きの無駄を省くことができるようになり生産工程の品質向上に間違いなく貢献していくだけでなく、人件費の削減やヒューマンミスも防ぐことが可能になる。また家庭用のロボットや将来的にますます増えてくるであろうヒューマノイド(人型ロボット)は、AIによって間違いなく知的になり、家でも階段を上り下りして家の隅々まで掃除できるロボットがでてきたり、公共施設で活躍する案内ロボットや簡易作業ロボットが、かなりのスピードでお目見えしてくることは容易に想像できる。
ところで、このような状況を考えた時、これは製造業にとって非常に大きなチャンスではないか?と思えてならない。書いてきたようにAIによって頭でっかちになった製品(個体)には、それに見合った手足や駆動部が確実に必要になると考えられるからだ。例えば、目の前の段差を判断したり階段を認識できるAIを搭載した新型の掃除ロボットには、認識した段差を超えたり階段を登れるようなハードウェアの機能が必要になる。この部分に新たなメカ部品が必要になってくるわけだ。工業用ロボットも人間の産業に置き換えられるスムーズな動きが要求されるし、ヒューマノイドに至っては、その傾向が顕著で、例えばセンサーによって触れたものの硬度や温度などを感知して、それがどのようなものかを判断できるAIが搭載されたとしても、それを判断によって優しく掴んだり、しっかり握りしめたりする事ができるグリッパーが無ければ、その機能を十分に発揮することはできない。そのためにはあくまで人間の手の感覚や動きを具体化できる微細加工や組み合わせ技術などが重要になってくるわけだ。もしかしたらこのあたりって日本の中小町工場が得意としてる分野ではなかったかな??などと強く思えてしまう。無理やりのこじつけに聞こえてしまうかもしれなけど、まさにAI時代には新たな製造業のチャンス到来ではないか!?

特にシリコンバレーでは、分野を問わずAIのスタートアップが無数にあるがその中でもJIBOやANKIといったFAMILYロボット系の会社、またメディカルロボットなどを手掛ける企業などAIを軸としたハードウェア製造会社もきっとたくさんあるだろう。こういく会社にはもしかしたら日本の技術が参入できるプロジェクトが沢山あるように考えられる。勿論参入する気があればだけど(皮肉っぽく…^^V)  要はこのあたりのマーケティングだと思う。

民間工芸が百花繚乱のごとく発展し隆盛を極めた江戸時代の工芸品に、印籠(根付)、キセル、櫛、からくり人形などと比べるとあまり有名ではないが「自在置物」というのがある。
これは、その昔、兜や甲冑を製造していた職人に需要が無くなったので、その技を生かして、龍や昆虫、甲殻類などの置物を作り始めたのが起源だと言われているが、その素晴らしいところは、本物の生き物のごとく、それらの体節や関節が自在に動くところにある。これ実物見ると本当に驚嘆に値する出来栄えと精巧さなんだけど(是非検索してみてください!)、日本の精密加工の凄さをみていると以前から日本の加工技術にはこのあたりのDNAが間違いなく流れていると思えてしまう。まさにこれからのAI時代において、この日本の中小町工場が持っているであろうDNAが、再び世界でよみがえる事を何とか期待したいものだ!

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