Archive for 01/22/2021

新しい製造業の時代が来る!

遅ればせながら新年あけましておめでとうございます。

さて、昨年はコロナ禍の中で世の中が激変した1年だった。人々のライフスタイルや仕事の環境、学校教育、グローバル社会の在り方等々、とにかく世の中全てのものが大きく変わるきっかけになった事は間違いない。勿論、普通なら今までの生活が大きく制限されたことで、ネガティブなイメージをもった方が大半だとは思うが、「コロナの影響によって世の中の全ての流れが10年は前倒しになった」という雑誌の記事を目にして「なるほど確かにその通りだ」と自分は考えた。
例えば、今まで通勤が当たり前だった働き方が激変しリモート中心になる、これは間違いなく将来の仕事のスタイルなのだが、5G等インフラの普及を待たず前倒しで実現を余儀なくされ、日本の場合、地価の格差を含めた首都圏中心の生活環境が激変するかもしれない。教育環境も今までの学区や通学という枠が不要になりオンラインが定着し、場所を問わず教育を受けることができたり、世界中の著名な学校や先生を選んで授業に参加する事もできるようになった。また旧態依然の変化の無い「学校」という概念も変わり、この先はGAFAのような大企業が世界中から生徒を集め、自社のMISSIONに基づいた時代の最先端の教育を施す「学校?」を設立する事も可能になってきた。本来なら、このような変革もインフラの構築などで、まだまだ先の話だと思っていたものが、必要に迫られ一挙に現実化してきた。遠隔治療やAIによる問診、ロボット技術が浸透してきた医療業界においても、状況は同じだろう。

 そしてこの流れは、製造業に大きな変化とチャンスを与えていることは間違いない。親友のITジャーナリスト湯川鶴章さんが彼のYUTUBE「原書10分解説」で紹介していた「 The Future is faster than you think 」の内容を聞いて、正にそうだと確信した。
 本の中身は、コロナの影響を前提としてはいないが、指数関数的に普及してくるAIとテクノロジーの融合、そして3Dプリンターのような機器の進化と普及による産業の大変革が急激に加速していくことが書かれている。
 例を挙げれば、シリコンバレーで日本人の女性CEOが率いるスタートアップ企業NFTが開発する「ASKA」のような空飛ぶ自動車が2030年迄には実用化されるという大胆な予測。そこに必要な効率の良いモーター開発、空力学的なドローン技術やセンサー技術、5Gに立脚した制御ネットワークの構築、軽量化と蓄電効率が向上した次世代バッテリーの劇的進化、耐久性や軽量化に必要な新素材の開発が、AIを駆使して加速し早期に現実のものとなり、10年後の空には、このような乗り物が飛び回っているかもしれない。この進化の速さは空飛ぶ自動車に限らず医療系でも顕著。コロナ禍の後押しあり、手術のみならず人手を介さない治療や新薬の開発も含めた領域で益々ロボット化や自動化が加速するだろう。 
 また注目の自動運転もEV駆動が中心となり、輸送やデリバリー、バス、タクシーなどの移動手段でスタンダードになる。そのための軽量化や耐久性のある新素材、駆動系もシンプルで機能性のあるものがどんどん開発されていくと思われ、そこに圧倒的な財源をもつAPPLEやAMAZON、急拡大のBAIDUやTENCENTといった中国勢の参入による競争激化で、そのスピードに拍車がかかるはずだ。
 そして、これからの産業の要となる電池業界も、現時点では夢物語の粋を出ていない全個体電池に於いて、やはりシリコンバレーにあるQUANTUM SCAPEのような精鋭によって量産化への動きが加速し、より安全性の高い軽量で高性能なものが続々と出現、これを軸としたモビリティやロボットが次々に誕生してくることは容易に想像できる。
 この劇的な変革の根底には先に触れたAI、特にDEEP LEARNINGを中心とした普及が大きく貢献していく。既に新素材開発では、同じくこの地にあるベンチャー企業ZYMERGEN(日本の大手も出資している)がAIによる分子や構造の組み合わせ解析により、新素材開発を加速度的に進化させている。このような新素材の需要は、軽量化や耐久性強化だけなく、環境への配慮のある素材も含め間違いなく増大し、それを利用したハードウェアの生産もどんどん世に出てくるであろう。
 
 ここまで書いてきた、これからの世の中の流れをみても分かるように、近未来の産業需要は、その多くが

製造(ものづくり)の領域

に関係するものばかりだ。特に新規開発品が多いので、それに伴う試作の需要は圧倒的にあると思われる。要は、ここにどうやって切り込んでいくかだが、上手く突破口を開けば、間違いなく日本勢も中国やアジア列強に負けないイニシアティブを獲れるはずだと確信している。

 自身の生業も、2000年代は未だ勢いのあったTV産業に支えられたものの、其の衰退とリーマンショックによる大打撃で辛酸をなめ、2010年代は堅調に推移した自動車産業によって何とかやってきたが、この先は脱炭素化、温暖化阻止に向けての化石燃料車の需要激減が明白になったので、自分としてはコロナで幕が開いた、この先の新たな製造業の時代に、その流れや動きに注視しながら市場のニーズをしっかりと掴んで日本の「ものづくり」を武器に奮闘していきたいと考えている。

 今年もご指導よろしくお願いします。