TV市場で生き残れる可能性

非常に抽象的なタイトルだが、先週開催されたCES(CONSUMER ELECTRONICS SHOW)の数々のレポートを読んで、こんなことを漠然と考えてみた。想像通りTVに関して言えば前回に書いたGOOGLE TVのパートナーたちがその新しい機能のお披露目に割と力を入れていたようだ。スタイルとしてはインターネットTVから脱皮してスマートTVという位置づけになったことは明白だろう。
こうなるとTVの本体は完全にプラットホーム化するので、極端な話、何処で製造されようがこれは安いところで製造されるに越したことはないという自然な流れになる。またスマートTV というスタイルが一般的になり、この先数年は、勿論インターネットとの混在路線が続くと思うのだが、近未来ではブロードキャスティングの必要がなくなればチューナーも不要になるためにPCと大差がないようなSTB(セットトップボックス)スタイルが主流になることは容易に想像できる。勿論そのSTBの中にはCPUをはじめ、通信系やOSにかかわる数多くの新しい機能をつかさどるデバイス類は必要になるので、この辺りの需要が増大することは間違いがない。残念ながらMARVELLやNIIVIDA、BROADCOMと言ったアメリカ勢が強烈だが、日本勢には、まずここで何とか頑張ってほしい(村田、TDKみたいにパーツレベルでも)! 加えて注目したいのがディスプレイだ。今回はSAMSUNGとLGの55”の有機ELのパネルが非常に話題になった(有機ELのTVをいち早く世に出したSONYは、この分野から撤退との話…残念だ)が、これがこの先、有機ELのディスプレイとして本体とは別に販売される可能性は十分にある。また各社が力を入れている高機能3Dのディスプレイや4K2Kといわれる高解像度DISPLAY、CRYSTAL LED DISPLAYなど今回のCESでもいくつかの新しいスタイルのものが発表されたが、これらが将来的には顧客の要望やニーズに合わせて本体とは別に(単純に言ってしまえばパソコンのように)選べるようになっていく感じがする。加えてこの先、大型化が進む液晶パネル(SHARPは昨年これでアメリカ市場で巻き返した!)についても今後の需要はだいぶあると思う。ただコストが高いという難点がある。この分野、実は投影型のスクリーンもかなり面白い分野ではないかと思う。アメリカでは実際に三菱が頑なにプロジェクションタイプTV(80”90”)の製造販売を堅持し、数は少ないものの確実に業績をあげている(アメリカの中西部では寒い冬場は殆ど娯楽がないので、大スクリーンで映画やFOOTBALLを見るのが最高の娯楽です)。今後本体がプラットホーム化すれば液晶のクオリティに負けない100インチ以上の大スクリーンが個別に販売されていく可能性も十分にある。勿論STB本体にプロジェクション機能が付く必要があるが、これもそのうち今回発表されたSONYのプロジェクション機能付きのハンディカムなどを見るにつけSTBに標準装備されていくと思われるし、もしくは他の方法が出てくるかもしれない。この分野、日本のT社やD社がかなり技術力もあり市場的には強烈な影響力がある。このスクリーンに限らず、上記の液晶パネルでいえば未だにその内部に必要になる5枚以上のフィルム類は日本メーカーが独占的に製造しているものも多い。当然これらにかかわる数多くの協力工場にも十分にチャンスがあると思う。
だらだらと取り留めもなく書いてしまったが日本が先行し一時は世界を席巻したTVがデジタル化とともに大きくその市場をアジア勢に奪われてしまった現在、そして近未来にはTV自身のプラットホーム化によってそのスタイルをSTBに変えPCとの差が大きくなくなってしまえば、そこで日本勢がイニシアティブをとることは残念ながら非常に難しいかもしれないが、パーツレベル、そしてディスプレイであれば、まだまだ活路を見出すことができると考えたい。大手に限らず力のある中小企業を含めた日本勢がTV市場でグローバルに生き残っていく可能性は、ここに十分あるような気がする。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です