第11回 素顔のシリコンバレー-その3

シリコンバレーのネットワーク活動

シリコンバレーの最大の特徴は多くの人種によって成り立っていることです。(何回もかいてきましたネ!)。おなじみのインテルやサンマイクロシステムズという世界的大企業に営業に行くと、担当者として紹介される人々がアジア人ということもしばしばです。このような状況は前回もお話した中小企業にいたってはもっと顕著です。
あまり知られていないのかもしれませんが、最先端の技術開発の裏には多くの人種がかかわっているのです。そして中小企業の経営者や大企業で働く多くのアメリカ人以外の人々は、それぞれ自国民同士で独自のネットワークを構築しています。シリコンバレーでは、シリコンバレーで働く上で不可欠な情報交換の場としてのこのネットワークが重要な意味を持っています。
たとえば中国人のコミュニティでは、交流会や業種別の勉強会、情報交換会といった会合が盛んに行われています。そして、ある時は将来的にシリコンバレーで企業を志す人たちをバックアップする会、またある時は本国からの訪問者との情報交換を通じての生産や開発の商談会、はたまた本国の投資家とシリコンバレーの同胞企業家やハイテック企業を結ぶ会・・・と、このネットワークは実に多目的で多機能です。
 注目したいのは同国人を中心としたネットワークを通じて、同一民族同士の繁栄(互いに切磋琢磨し自分の成果につなげていく)に力を注いでいるという点です。このような、同一国の人々による交流会は、中国人のみならすインド人、ベトナム人をはじめシリコンバレーで活躍する様々な人種の間で盛んに行われています。
 こういった交流会(こちらではよくネットワーキングと表現します)が功を奏してか、シリコンバレーではアメリカ人以外の人々によって起業された会社が非常に多く存在します。その比率から見ると残念ながら日本人が起業する会社はまだまだ少ない現状です。

日本人によるネットワーキング

もちろんシリコンバレーには、300社とも400社とも言われる日系企業が存在しますが、多くは日本企業の支店や現地法人です。日本人が現地企業会社は本当に少ないのです。そんな状況からか、日本人による交流会や勉強会といった催しは、あまり積極的ではなく、行われても交流会と称してゴルフコンペを催すようなことが中心の観がありました。
 しかしアメリカのネットバブルの崩壊は、現地にある日系企業としてのしがらみや保守的な部分をだいぶ排除し、また日本人も含めた人材のレイオフなどが相次いだ関係からか、ようやく現地日本人の間にも他のアジア人に見られるような交流会や勉強会を催す団体ができてきました。
 SVJEN(ジャパニーズアントレプレナーネットワーク。www.svjen.org)は、現地企業した日本人が中心となって昨年発足したネットワーキングで、シリコンバレーで企業を目指す日本人のバックアップと既に同地で起業している日本人の交流と情報交換を目的に、講師を招いての講演会(年2回)と2ヵ月に1回のテーマ別の討論会を実施しています。
 また、JTPA(ジャパニーズテクノロジープロフェッショナルアソシエーション。www.jtpa.org)は、日本人技術者を中心とした団体で、シリコンバレーで働く日本人プロフェッショナルのネットワーキングに加え、日本にいる技術系の若手にシリコンバレーに関する啓蒙活動をおこなっています。
 さらに日本貿易復興振興会(JETRO。www.jetrosf.org)のサンフランシスコ事務所(シリコンバレーを管轄)も本来業務(貿易振興)に加えインキュベーター制度を実施し、日本人同士の交流に一役買っています。創業間もない企業や新規で対米進出を狙う中小企業のバックアップや日本人(企業)の対米進出やこちらでの活動に役立つ各種セミナーを開催しているのです。
 これらの団体のイベントや活動を通じ、日本人同士が異国の地でより効率的に会社の運営や業務を行うことはひいては今の日本にとっても非常に大切なことだと思います。
 シリコンバレーのこういったネットワークと活動をぜひ参考にしてください。将来的に日本の中小企業繁栄のひとつの方策になると思いますよ!

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