人件費の在り方を再考してはどうだろうか?

既にかなり知られた事実だが、シリコンバレーのここ数年の人件費の急騰は本当に凄まじい。平均日本円で1500万円。マネージャークラスで2000万円越えは当たり前といった状況。APPLEやGOOGLEで大体平均プラスαだが、FACEBOOKに至っては1700万円ぐらい@@!新興勢力の映像配信のネットフリックスやシェアライドのUBERでも給料の平均値はFACEBOOと肩を並べているそうだ。
とにかく日本から見たら破格! 確かに近年の好景気の影響による給与の高騰は、ここで生活するすべての価格を押し上げている。顕著な例が住宅費で、シリコンバレー界隈の家賃は日本で言う2LDKでも月平均$3,000前後、サンフランシスコでは同じ間取りで$5,000はくだらないらしい。それでも住宅の供給が間に合っていない状況だという。年に$36,000(日本円で400万円?)が手取りの中から消えていくわけだから、上記くらいの給料をもらっても、生活的には楽とは言えないのが現状だ。特に私のようなずっと地道に商売を続けている庶民にとっては、所得と比例せずに生活コストが急激に上がるので、かなり窮地に立たされている…ホントの話。

勿論、各企業もここまで高い給与を払うのは、それに見合う優秀な人材を世界中から確保するためだという事は明白だ。 そのために熾烈な給与競争をしているように見える。しかし、いままで夢でしかなかったものが物凄いスピードで現実化している状況を見ると、どれだけ早くニーズのある商品やサービスを開発して市場に出すことができるか?これこそがまさに生き残りをかけての熾烈な争いとなっているのだ。そのためには人件費に大枚をはたいてもサービスや商品が1日も早く世に出で勝負を制すことができれば、何倍もの利益になって戻ってくることが目に見えているからだ。

シリコンバレーの企業にとって人件費は間違いなく”投資”だ。

翻って日本の企業はどうだろうか?自分は日本を長いこと離れているので現状の詳細は分からない。最近は急成長のIT系企業なども多く、少なくとも以前に比べれば給与所得は大きく成長しているように思われるが、よく聞く話は未だに年功序列の体制がそのまま継続、勿論定期ボーナスというある意味独特の制度によって利益の配分もされているとは思うのだが、それでもこちらと比べるとはるかに低いようだ。う~ん、それで社員のモチベーションは十分に上がるのだろうか?もしくは物価レベルを考えれば、所得は相応なのか???このあたりは想像でしかないが、、感覚的には

日本企業の人件費は未だに”コスト”として考えられているのではないかと思えてしまう。

90年代から2000年代にかけて、日本の技術が喉から手が出るほど欲しかった韓国企業は、日本の優秀なエンジニアを5倍から10倍の高額な報酬でハンティングし、そこで得た技術を液晶をはじめ最近ではLGやSAMSUNGがバッテリーに活かして世界的に高いシェアをたたき出している。方法はどうであれ彼らも先行投資をして今の地位を確立しているわけだ。確かにやり方はえげつない。ただ、それを守る事が出来なかった日本勢にも問題はあるのではないか?「会社の為、しいては日本の為」という理由の説得だけで社員の抱えるローンや養育費を賄う事が満足に出来ない状況に対応できなかったのではないか?余計な事だが、そんなことも考えてしまった。

さて、随分前置きが長くなってしまったけど今回言いたかったのは、このあたりの旧態依然の人件費の在り方を、特に中小企業においては、もしかしたら再考する時期が来ているのではないかという事だ。 多くの中小企業や町工場のオーナーの皆さんとの交流の中で、この激動の時代にキラ星のように生かせそうな本当に優れた技術や商材をもつ会社が沢山ある事を実は常々感じている。ものづくり立国として立ち上がってきた実力も十分にある。しかしながら現状、マーケットインが主流になっている点、加えて優れた技術をさらに実用化できるパワー不足などもあり、本当に流れに乗れていないと思うのだが、その要因としては従業員の人件費も大いに影響しているような気がする。このような各自が持つお宝を強力な人材パワーによって一日も早く体制できれば、もしかしたら大化けする可能性もあるのではないか?勿論会社の規模による限界があるかもしれない、ただ 大手並みの給料が出せなくても給与形態の見直しや成功型の合理的な歩合制度の導入など、代々受け継がれてきた制度を見直すことも今なら十分可能だと思われる。ある程度の利益が確保できた段階で新たな報酬制度に転換できれば、話題性も相まって優れた人材を集める事も可能になるはずではないだろうか?実際、そのような新しい給与制度を実践し地方にありながら優秀な人材を擁して成功している会社も知っている。

優れた技術や商材で夢を語る事も出来るだろう。ただ匠の技と称してゴマ粒より小さい部品が作れるとか、0.5mmのシャープペンの芯に穴が開けられることができても、売れなければ意味がない。そのためにはやはりマーケティングも含めたマンパワーは不可欠だ。町工場がもつ特化した技術で世の中を変えるという夢とロマンあふれるドラマだった「下町ロケット」は本当に素晴らしかった。でも、それだけで佃製作所で働いてみたいをという優秀な若者たちが集まってくるのだろうか??はっきり言って疑問だ。

今年の日本はオリンピックに向けての景気向上なのか求人有効倍率も1.5%近く、かなりの売り手市場だという。そうなると中小町工場の人材確保はますます難易度が高まるかもしれない。しかし激動の産業の流れは待ったなしだ。シリコンバレーに倣えとは言わないが、景気が良い今だからこそ技術力プラスαとして人件費も会社の投資として再考してみる良い機会かもしれないと思うのだ。

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