Archive for 12/24/2015

製造業にとっては千載一遇のチャンスが来ている!

2015年も12月、今年も本当にあっという間に終わろうとしている。これは多分に歳のせいであることは否めないが、自分的には今まで以上にシリコンバレーが大きな流れに向かって胎動を始めた事が気になりすぎて、その流れに乗ってしまったことが更に拍車をかけてしまったように思える。

その大きな流れとは、一つ前のBLOGに書いた自動車産業の大変革に向かうシリコンバレーの動きだ。既に快進撃を続けているTESLAはもとより、自動運転車の運航を早ければ来年にはスタートさせてしまうそうな勢いのGOOGLE。アップルも2019年にはきっと世の中があっと驚くようなEVを発表するであろうことは容易に想像できる。そしてユニーコーン企業の雄、というか同じ動物系で例えれば、この業界ではきっと間違いなくDARK HORSE的存在であるUBERが手掛ける(と噂されている)自動運転車も間違いなく早ければ2020年までにはその全貌が明らかになるであろう。
当然、前回のブログにも触れたが、この一大革命で一攫千金を狙う半導体やセンサー系の部品メーカー、電池/モーターといった基幹部品、軽量化に特化した部材や素材メーカー、そして、これらの運用のコアとなる通信ネットワークへの参入を狙う世界中の通信機器メーカーなどが、続々とシリコンバレーに集結(地場の会社がもちろん一番多いけど…)、それらが入り乱れてのインターネットバブル黎明期のような”ざわめき感”を体感しているのは、きっと私だけではあるまい。

ただ残念ながら、本来であれば一番アドバンテージがあるはずの日系自動車メーカーやTIER1,TIER2の各メーカーの存在はあまりにも薄いのが現状だ。もしかしたらその背景には今絶好調の自動車販売に伴う製造に翻弄され、まったく余裕がない状況があることも、特に協力各社に関して言えば十分に考えることができる。しかし、TOYOTA、HONDA,MAZDA,といった大手各社(NISSANだけは地に足がついた活動をこの地でしています)もアクション的には、どうも既に3テンポぐらい遅れているような感じが否めない。車に特化したわけではないと思うがTOYOTAがこの地にAI関係のLABを作るというニュースにしても、既に出遅れ感がなんとなく付きまとってしまうのだ。
そういう状況からすると大手の動きに呼応していては、もしかしたらTIER1,TIER2といった系列各社も新しい時代の自動車産業への展開は手遅れになってしまう可能性は大だ。勿論、彼らは新規自動車メーカーに対しての部品供給という形で後からでも販路を構築することができるかもしれない。しかしながらエンジンやミッション、車軸といった基幹製品が不要のEV市場に対しては、それらに携わっていた企業の大半は犠牲にならざるを得ない状況がある。加えて考慮すべきは韓国、中国、インドといった新興勢力の参入だ。彼らはガソリン自動車製造のインフラという手枷、足枷がない分、容易に市場参入ができる可能性が十分にある。勿論、品質や性能においては日本のメーカーのほうが圧倒的に経験値も豊富であるが、移動体(車)というハードで儲ける構図が変わってくれば、まさにコストパフォーマンスがクローズアップされてしまうという可能性も大きいのだ。

 でも、実は、よ~く考えてみると何とも凄い状況ではないか?何せ、テスラも含めれば、新しく自動車を製造しようとしている企業が、このシリコンバレーの中に4社もあるのだ。

テスラは別にしても、少なくとも何兆円もの純資産を持ったGOODLEやAPPLE、そしてUBER(評価額だけど…)が、新規の製造ラインを独自で立ち上げて自動車を生産することは、人員の確保さえできれば何ら問題もなくできてしまうのは容易に想像できる。そして、当然これらの新規参入各社は、それぞれの車を開発、デザインして製造するわけで、そこで使用されるであろう数々の部品や装備は、今まで50年以上にわたり日本が培ってきた自動車生産の中ではぐぐまれてきた逸品をもってすれば、もちろんEVとガソリン自動車という大きな違いがあるとはいえ、売り込める機会は、いくらでもあるのではないかと思うのだ。
こんな市場は、きっとこの先どこを探しても出てこないだろう。くどいようだが膨大な試作、製造のインフラばかりではなく、素材や部材供給等で日本がイニシアティブをとっていけるチャンスが山ほどあるはずだ。

まさに千載一遇だ!皆さんはどう思われるだろうか?

ただ先にも挙げたように日本の自動車産業は空前の好景気。私の顧客は、殆どが自動車産業に携わっていて、年末年始の休みすら返上しなければならない状況に皆、テンパっている感がある。。。その中で新規の市場開発や研究開発に時間を割くことは到底無理といった感じだ。。。う~ん…。

実はそんな憂慮すべき状況の中、嬉しいニュースが飛び込んできた!JETROが主催しているイノベーションプログラムの参加企業で、9月にシリコンバレー来てアドバイザーとして話をさせていただいた群馬の共和産業が本格的にアメリカ進出を決定してくれたのだ。
2代目の女性社長、鈴木さんの情熱と高い志にも本当に素晴らしいものがある!
9月の訪米のあと10月にはデトロイトで開催されたエンジンショーに出展。具体的な引き合いもあり、かなり良い感触を得たとの事。そして、今回は年の瀬だというのに、その案件のフォローで再び来米し、自ら車を運転し中西部を1000㎞走破して客先を訪問、帰り際にシリコンバレーにも立ち寄りT社にも具体的な案件で営業をかけるという凄い行動力!そんな鈴木さんとランチを共にし夢の実現を熱く語る姿に、今まで口ばかりで物見遊山的な感覚しかない中小町工場のオーナーたちばかり見てきたこともあり、かなり感動してしまった。 長年、日系自動車メーカーのエンジン部品の製造を手掛け、中でも歴代のHONDAのF1エンジン製造を担当してきた同社の実力と経験があれば、勿論エンジン不要のEV用部品とは大きな違いはあるが、培われた技術力は十分応用が可能、あとはいかにコストを抑えマーケットインを実現するかで物凄いポテンシャルがあるはずだ!

かなりくどいようだが、もう一度言おう。新しい自動車メーカーが短期間に4社も立ち上がろうとしているエリアは、後にも先にも、このシリコンバレーにしかない。そこには膨大な試作から始まるハードウェアの需要がある。そして共和産業のように、情熱と行動力、そしてマーケティング力があれば、系列や口座の有無とは関係なく彼ら新興メーカーは、日本の中小町工場でも、その実績を評価し十分受け入れてくれるはずだ。まさに千載一遇のチャンス!この状況を少しでも意識して、来年は真剣にシリコンバレーに乗り込んでくる中小企業が一社でも増えてくれることに期待したい!

 

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