Archive for 09/08/2015

おコメがあるじゃないか!!

富山県産コシヒカリを使い、北アルプスの天然水で仕上げた「ふんわりごはん」を供給している富山の株式会社ウーケが主幹として手掛ける、米卸大手の神明ホールディングスのアメリカ工場立ち上げのプロジェクトお手伝いをしている。
実はカリフォルニアの州都サクラメントの西側は、カリフォルニア米の一大生産と物流拠点。そこに米の加工で優れた技術を持つ同社が今徐々に浸透しつつある「ライスパティ」で全米制覇を狙い乗り込んできた。
これは最高!地方の企業が独自にアメリカ制覇に向けての進出は本当に素晴らしい。

ライスパティはすでにヨーロッパでは注目されつつあるようだ。表面はサクサク、中は米本来のもちっとした食感を残す加工方法で、サンドイッチのパンの代わりのみならず、パーティ用のクラッカーの代わりや、主食としての用途も出てきており、同じような食生活のアメリカでも必ず需要があると思われる。 コメ自身はもちろん糖質の塊であり、ダイエット志向の強いアメリカにおいては抵抗がある可能性もあることは否めないのだが、最近では小麦に含まれるグルテンが関係するアレルギーの問題やアメリカのセレブたちの間ではやっているグルテンフリーダイエットの影響もあり、コメが再度見直されている風潮は少なからず追い風になることは間違いない。

実は、このようなコメを材料とした商品が続々と登場している。日経新聞によればコメを原材料としたコメ油は揚げ物の仕上がり感をよくするだけでなく、中に含まれる「オレイン酸」が高血圧や動脈硬化の予防に役立つという事で需要が急拡大しているそうだ。またコメを材料にした米粉はグルテンフリーで先に挙げたようなアレルギーやダイエットに効果があるという事で評価が高い。加えてキッコーマンなどが手掛けているライスミルクも植物繊維やビタミンを豊富に含む新たな飲料として注目を集めているらしい。

考えてみれば日本人にとってのコメはまさに食文化の象徴だ。1000年以上前から培われて来たコメの生産とその技術は、コメが民衆にとっての税金とみなされていた太古の時代に品種改良が盛んになる(気候に関係なく安定した収穫が必要だったため)など綿々と受け継がれてきた文化だ。鎌倉時代にはすでに100種類ものコメの品種があったことを考えると、世界の誰も追従できない素晴らしい商品であることは疑いない。

こんな商品を持っての海外進出こそ、もしかしたら、オンリーワンで成功の可能性が高いのではないだろうか? 考えてみれば、世界に浸透しつつある「日本酒」もまさに日本のコメ文化の産物。

加えて日本の世界に類を見ない、コメ以外の多様で豊富な食文化、日本出張でよく思うのは、例えば大阪駅や東京駅、羽田空港で販売されているお土産のお菓子や食品の種類の多さで、世界のほかの国でこれほど多種多様な食品を販売している空港や駅を見たことがない(少なくとも自分が行った事のある国。。。)のだが、これこそ、正にその象徴ではないかと思う。

そんな状況において、古来からの主食である”コメ”にフォーカスした商品でのグローバル化はものすごく可能性があると感じてしまった。最近はTPPの問題等でコメの国内生産や需要確保が叫ばれているが、生産よりも今まで長年の食文化の中で確立されてきたコメの加工技術と商品展開で改めてグローバル化を進めていくのはどうであろうか?煎餅だって、もしかしたら加工や調理方法によっては十分欧米にも売り込めるインパクトはあると思うのだが。。。。 この辺りを是非、中小の食品メーカーや加工業者の皆さん、また行政もせっかくなので”コメ”にフォーカスした企業のグローバル化を推進するプロジェクトを立ち上げる等、ぜひ検討していただきたい。新規技術でのグローバル化より、すでに確立された商品(コメ)と加工技術のローカライゼーションによるグローバル化の方がはるかに可能性が高いという事も十分考慮に値すると考えられる。

今回はシリコンバレーとは少し関係がないが、ウーケのアメリカ進出で新しい可能性を本当に色々考えることができた。 大手の酒造メーカーや菓子メーカーは、既にアメリカに工場を設立し、大規模な生産高を誇るコメや小麦、野菜を使用した商品の生産をはじめているが、今回のように地方の中小企業である同社の大成功がコメに限らず多くの食品の加工技術による中小企業のグローバル化の先鞭となるよう、最大限の応援ができればと思う。

 

 

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