Archive for 05/19/2015

メキシコ自動車生産拠点にもっとグローバル化の先鋒を!

シリコンバレーの話題からは少し外れてしまうが、先週はメキシコの中央高原へ出張。メキシコシティから北に4時間ほど上がった標高2000mにあるグアナファト州を中心とした、この高原エリアは今空前の自動車生産ブームに湧き上がっている。当初より進出していたGMやVW,そして日産は既に年間100万台近い生産を同地で行っており、加えて2012年にHONDA,2014年にはMAZDAが本格操業を始めた。また2019年にはTOYOTAの工場設立も決定!これ以外にもAUDIやBMWが15万台規模の生産稼働を予定。韓国勢ではKIA MOTORが既にこの地で30万台規模の生産を始めており、その生産数は2020年にはこのエリアを中心にメキシコ全体で500万台規模になるとみられ世界でも最大級の生産拠点になる。これらの生産を支えるTIER1,TIER2(1次下請け、2次下請けの事。別の言い方では、子請け孫請けになる)の協力メーカーも続々とこの地に進出。昨年までに工場を設立したメーカーは日系だけで200社を超え、今年もさらに100社以上が進出を予定している。当然その為のインフラやサービス業も拡充してきており、どう見ても田舎町の主要道路の周辺には真新しいHOTELがそびえ立ち、TVの日本語放送が見れたり、ご飯に味噌汁といった朝飯をサーブするところもあった(かといって従業員は日本語どころか英語もままならないところが殆ど…^^;;)。

今回は、そのエリアにあるいくつかの工業団地を訪問。本当に日系メーカーを中心とした団地の様子は一瞬「ここはどこ?」と思わせるのに十分だ。 信金中央金庫のレポートによれば2013年までに日本の大手TIER1メーカー既に進出済みで、今後はTIER2,TIER3といった企業の進出が渇望されているようだが、当然、海外での経験不足、言葉の壁、また人材の育成などで難航しているケースが多く、このあたりの改善が不可欠との事。

そのような状況の確認を兼ね、昨年、少し現地調達調査のお手伝いをさせていただいたMAZDAを訪問。同社は昨年の本格操業以来、爆発的に業績を伸ばしており、現在で既に年間25万台の生産台数を誇っている。
以前ご一緒させていただいた担当のMANAGERにその後の調達に関する詳細をお伺いした。
先ずメキシコでは、生産された自動車には部材の現地調達率62%を達成しないと税率の優遇が受けられないというルールがある。その為に現地での調達は非常に急務になっている。
既に大手の協力メーカーはこちらへの進出を果たしており、そのあたりの部材調達は全く問題なくなってきているが、まだまだTIER2、TIER3からの調達は難航を極めており、その多くは日本やアジアからの輸入に頼っているのが現状。特に鍛造、鋳造といった類は設備が大型だったり、生産の特殊性から企業の進出が遅れており、現地の業者も限られているために、各社が競い合ってその確保に尽力しているとの事だった。 この地には日系のみならず、アメリカ、ヨーロッパ、韓国といったメーカーもあり彼らの協力工場も間違いなく多数存在しているので、そんな他国の協力工場も当然リサーチの対象となっており、同社の基準に合致するのであれば採用は厭わないそうだ。

さて、この状況なのだが、ある意味日本の協力工場にとっては実はグローバル化への非常にポテンシャルのあるチャンスではないだろうか? 日本の自動車メーカーが、このように現地調達で非常に苦労しているという状況は同じようにアメリカ系、ヨーロッパ系、韓国系のメーカーにも言えるわけで、彼らが身近に進出している日本のメーカーに話を持ちかけることも当然ありえるのだ。
実際に今回訪問したMAZDAのTIER1企業のU社は、MAZDAに合わせて地元の広島県から進出、現地でドアロックセンサーやハンドル周辺のセンサーユニットを生産しているのだが、既にVWをはじめとした国外メーカーから引き合いをもらい、そのうちの数社向けに製造もスタートしているとの事。つまり膨大な需要にがあるので、この地に進出さえして、その技術(製品)に自信と競争力があれば自ずからグローバル展開が可能になっていくわけだ!

勿論、その為にはメキシコに進出していることが最低条件、加えて上述した諸問題をクリアーすることがポイントになるのだが、このような部分を国や行政がプロジェクトを立ち上げて、資金面はもとより大手で余った海外経験のある人材(定年退職された方なども含め)をうまく斡旋できるようなスキームを提供、そして最も需要のありそうな業種(先の鍛造、鋳造など)にFOCUSしての進出支援をアレンジし先鋒を送り込むことができれば、TIER3の企業でも進出と海外メーカーからの受注獲得は十分チャンスがあるのではないかと思う。

当然、各国の同じような協力工場も多数進出しているので、逆に日本の自動車メーカーも国外の協力会社を採用する可能性も多々あるのだが、そこはぜひ自動車立国の日本を支えてきた経験と実力でガチンコ勝負をしていただきたい!負けるはずはないでしょう(と思いたい)!

非常に自分なりの思い込みの激しい考え(?)かもしれないが、やはり需要のあるところに供給できる製品や技術を売り込む。まさに商売の基本であるこの部分に注力すれば、新規の事業創生ではなく既存の十分に確立された技術や製品でも中小企業がグローバル化を勝ち取れる可能性がある!と今回の出張では考えることが出来たと思う。 是非、検討願いたいです!

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