Archive for 02/26/2015

オンリーワンは時代遅れの象徴になる!

少し前になるがTESLAの友人と食事をした。あらゆる意味で飛ぶ鳥を落とす勢いの同社。今年10月には世界の総生産量を上回るバッテリーの生産を可能にするメガ工場の正式稼働も決まっており、そのプロジェクトで殆ど行方不明状態の彼が貴重な時間を割いてくれたので、ついつい時間がたつのも忘れて話に夢中になってしまった。

やはり本気で既存インフラの破壊とイノベーションを実践している企業は凄い!
かつてPANASONICが中村社長時代に「破壊と創造」をキーワードに事業改革を試みたことがあったが縦割りの事業部制度すら改革できなかった中途半端な試みとは訳が違うという事を、しっかり理解することができた感じがする。

ほんの一部かもしれないが、TESLAの革新的な試みとして自分の理解しているところでは;

1.一切の宣伝広告はしない。そのような費用は開発費に充填する。
2.TIER1,TIER2といった系列的はSCM(サプライチェーンマネジメント)を否定。
3.販売においては、ディーラー制を持たない、等々…。

これだけでも、やはり世界を獲りに行く会社は違うのだ!!

そんな彼との話の中で、象徴的だったのが「日本の会社がよく標榜しているオンリーワンの技術というのは時代遅れの代名詞みないなもんですよ。」という言葉だった。
つまり、いつまでも自分の技術、もちろん固有の分野に特化した素晴らしいものではあるのだが、それに固執してしまうと時代の流れに取り残されてしまい孤立してしまう可能性が大きいという事だ。

アメリカではリナックスをはじめとしたオープンソースのコンセプトが、広い意味で定着。つまり新しい技術や産業を創造していくのであれば会社単位や個々が独自に行うのではなく多数の英知を終結することで成就できるという発想が、今やシリコンバレー、強いて言えば世界のスタンダードになりつつある。
このような流れの中、TESLAもEVと高性能バッテリーの新しい市場創造のために自社が持っていた500近い特許を全て公開。それにより英知を結集してうこうという戦略だ。当然同じような技術を既に持ち、公開された特許を加味することによって益を得る企業も出てくるかもしれない。でも、それこそが市場の隆盛に貢献すると考えれば意義は大きいと考えられる。TESLA自身も、そのような追従にあっても自分たちは、さらにその先を行くだけの力がある。という自負もあるのだと思う。

正直、この話には凄く考えさせられた。思い起こせば自分の経験からで少し意味合いが違うかもしれないが、かつてディスプレイ市場でトリニトロンを武器に世界を席巻していたSONYが、その技術に胡坐をかいて今の状況になってしまった事やI-MODE方式を死守しCDMA準拠を拒否して世界標準から取り残されてしまった日本の携帯メーカーなど考えようによっては、オンリーワンを死守することによって時代から取り残されてしまった先例は過去にもあったのだ。

日本では中小を中心にいまだに自社の「オンリーワン技術」を標榜している企業をよく見かける。勿論、それで成功している企業も沢山あるだろう。しかし日進月歩のエレクトロニクスを中心とした産業の中では、その技術に固執するがゆえにトレンドから取り残されてしまう可能性も非常に高いという事を理解することも大切なようだ。

今回の彼の言葉を聞いて、少なくとも中国や韓国に真似されてしまう事を危惧して技術や製品をクローズしてしまうより、時代に即した市場性のある技術や製品に多くの英知を借りて高めていくという発想が実は今の世の中のスタンダードであり、特に中小町工場のグローバル化においては、さらなる飛躍の機会として、それを意識することは、重要ではないかと強く感じた。

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