Archive for 12/27/2014

2014年を振り返って

2014年ももうすぐ終わろうとしている。毎度のことではあるが本当に最近の時間の流れは「光陰矢の如し」で、あっという間という感じ。残念ながら歳のせいでもあると思う…。

さて、今年も多くの日本の中小町工場のオーナー達と会い、色々なかたちで話をさせてもらったり、視察のアテンドをさせてもらったりした。自分としては、このブログの主旨でもあるが、「大手がグローバリゼーションの中で、残念ながら存在感を急速に失っている状況において、それに追従してしまう事なく一社でも多くの中小町工場が高い志と技術力を武器に海外に飛び出してほしい」という思いを継続しながら、もう5年以上、このような活動をしてきたのだが、この1年は色々な意味で考えさせられる部分が多かった。

端的に言ってしまえば、下記の2つのポイントが明確になった。
先ず1番目は、ほとんどの場合、日本の中小町工場が標榜している「ものづくり」は世界で通用するレベルではないという事だ。残念ながら今年お会いしてきた皆さんの会社の殆どは少なくともアメリカでは通用するものではなかった。これはひとえに技術力というだけでなく、当然製品を客に満足して購入してもらうためには、マーケティング、価格、納期、サービス等の要因も重要なポイントになるのだが、技術力はあっても納期がめちゃくちゃかかる。納期は非常に早いのだが価格がべらぼうに高い。高い技術を持ってはいるが市場を観ていない…。
これではシリコンバレーに限らずどこでも通用しなのが現実だ。納期も早く価格もリーズナブルで技術的にもレベルの高い製造メーカーなどいくらでもあるからだ。唯一オンリーワンの技術があり、それをどうしても必要としているユーザーがいる。という事であれば話は別だが、このような例は本当に稀だ。

そして2番目は本当の意味でグローバルな展開をしていこう!という志の高い企業は殆ど無いという事。以前のブログにも書いたのだが、アベノミクスの影響か今年、話をさせていただいた企業の多くは極端な話、尻に火が付いたような状況とか真剣に10年後の自分の会社の行く末を考えてグローバル展開をしたいという志を持ったところは皆無に等しかった。何となく現状を見れば「日本でも十分いけちゃうじゃん!」みたいな気運が強く感じられたのが非常に印象深かった。

このようなポイントが明確になってしまったことは、ある意味非常に残念でもあるのだが、多分間違ってはいないだろう。

この点から今までお会いしてきた皆さんや見聞からだけの推測ではあるし、かなり失礼ではあるかと思うがグローバル化に対して現状の日本の中小製造業は次の3つに大別出来ると思う。

1.日本国内で十分に仕事も確保でき敢えてグローバル展開は考える必要がない。
2.興味はあるが、状況的には日本は潤沢な補助金もあるし、とりあえず現状を維持できればOK。
3.現状の日本の状況を踏まえ将来的には必要不可欠なグローバル化を真剣に考えている。
もしくは具体的に、その為のアクションを知りたい。

少なくとも今の日本を考えれば1.は全く問題もないし金のかかるグローバル化に注力する必要もなく、この先も事業の存続が可能であろう。アベノミクスの影響もあり、このような皆さんはかなり多いのではないかと思う。
2.であるがこれも現状ではありだ。アベノミクスは「成長創業支援」として過去4年間に1兆円以上の補助金を供給している。商工中金の資料では、補助金を受けた企業の80%は黒字転換しているという。それであれば潤沢な補助金(もちろん税金)が供給される限りは事業の継続は可能ではないかと思う。
そして3.に該当する企業。正直非常に少数派だ(残念ながら)。それでも危機意識を持ちグローバル化に乗り出していこうという志をもつ皆さんがいてくれることは非常に嬉しい。

今年お会いした皆さんの多くは上記の1か2に該当すると思われた。そのような皆さんがシリコンバレーに来た際に、自分としては本当に真摯に対応させていただいたつもりだ。でも、それは今年限りにしようと考えている。失礼な言い方かもしれないが、そのような皆さんをアテンドしても結論から言えば何も起こらないからだ。
確かにAPPLEやGOOGLEやFACEBOOKなど世界の著名な企業がひしめき合うシリコンバレーにくれば「いや~凄い刺激や気付きをもらった」と印象を持たれるかもしれない。でもそれで終わりのケースがほとんどのようだ。これでは、物見遊山とあまり変わりがなく、自分としては、そのような皆さんに、この先、貴重は時間を割くことはできない。

しかしながら3.に該当する非常に少数ではあるが本気で海外の市場開拓に取り組んで行きたい志のある皆さんとは今後も是非お付き合いしたいし、グローバル化に向けての支援を継続していきたいと考えている。幸運にも今年お会いした数十社の中小町工場の中で3社、前向きで高い志を持つ会社と出会う事ができた。自分にとっては同志を得た気分で本当に嬉しかった。

昨今、潤沢に補助金を出す国の政策を食い物にしている団体や法人も残念ながら多く見受けられ、またグローバル化をネタに海外展開をサポートすると称する殆ど実体のない怪しい会社なども現れ、状況は非常に混沌としていると言わざるを得ないのだが、シリコンバレーのJETROが展開しているプログラムなど少しでも真剣に海外展開を計画している企業のサポートとなるプロジェクトには全面的に協力したいし、自分としても、海外展開に志のある企業と1社でも多く出会う事を来年の目標としたい。

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