Archive for 09/20/2014

アベノミクスの悪影響…

9月の前半は日本出張。10日間の滞在で新潟、富山から大阪、名古屋を回ってきた。夏の残暑も収まり過ごしやすい気候の中、大阪も東京も大都会の盛り場はどこも賑やかで、景気が本当に盛り上がってきたのかな~?という印象を強く受けた。日本で会った多くの知り合いに、このあたりの状況を聞いたのだが、特に今まで付き合いのある中小町工場のオーナー達からはネガティブな話はほとんど出てこなかった印象。ある意味それはそれでいいのかもしれない。。

日本に行く前に、アメリカ旅行中だった友人の子息がシリコンバレーに立ち寄ったので、うちに泊まってもらい色々と話を聞いた。彼は来年大学卒業で就職を早々と決め今は卒業までの時間を楽しんでいるように見えた。昨今のニュースでは新卒の採用が激減し非常に厳しい状況の中、大学生は早い段階から就職活動を強いられているという話ばかりが耳に入っていたので、内定をいち早くもらった彼に「就職活動はかなり大変だった?」と聞いたところ「いや~それがアベノミクスの効果が言われだした昨年ぐらいから、景気がいいのか特に苦労することなく、すんなりと決まってしまいましたよ」という返事。今までネガティブなニュースしか耳にしていなかった自分にとっては、かなり驚きだった。

そう言われてみれば、現在、国際化支援アドバイザーを務めている中小機構から、昨年までは月に1件ぐらいは、ぽつぽつと海外、特にアメリカ進出の相談が持ちかけられていたのだが、今年に入ってからは一軒もない…。あえて海外に販路を広げる必要性もなくなってしまったのか…。
今回、日本で話をした中小町工場のオーナー達も、先述したように以前は少なからず縮小していく市場を深刻に受け止め、何とか海外に活路を見出すという意気込みが、今回はかなり薄れている感じを受けた。これは「あれ?な~んだ国内でも十分食べて行けるじゃん!」的な状況が一般的になってきていることの裏付けにきっと相違ない。

でも、よ~く考えてほしい、アベノミクスの真髄とは何なのかという事を。
こちらのニュース、また欧米からはアベノミクスは単に円安に支えられた輸出型企業(特に影響力の大きい自動車、機械産業)の隆盛だけで、明確な成長戦略もない骨抜き政策だと言われている。
正直自分も、将来に向けて可能性のある日本の成長戦略は何か?未だにわかっていない…。

確かに円安になり10円動けば、それだけでTOYOTAをはじめとした大手輸出企業は為替の利益で簡単に何百億もの利益が転がり込んでしまう。これが市場に回れば少なくとも、関連の協力工場には十分な利潤がもたらされることになるであろう…。
でもこの状況に甘んじていていいのだろうか??円安は逆から言えば、エネルギーや原材料をはじめとした日本への輸入品のコストを押し上げていて、その負担増は否めない。加えて「国内でも食えていけるじゃん!」的な風潮によるグローバル化に対するトーンダウンは少なからず将来に悪影響を与えてしまうと思えてならないのだ。

食べていける状況であるなら、なおさら今のうちにグローバルな展開、それも東南アジアではなく世界をリ―ドするアメリカやヨーロッパにFOCUSしての展開を考えてもらいたい。
正直言って、確かに2020年のオリンピックに向けての内需は拡大するかもしれないが、原発の問題も明確にクリアされず、現時点での円安による負の影響も否めない現状の中、国内の隆盛は極めて厳しい状況になると考えたほうがいいような感じも受けるのだ。

自分は、かつてブラウン管テレビで世界を席巻し牙城を築いてきた大手TVメーカーが、その既得権に胡坐をかいて、キリギリスのごとく、うかうかしているうちに、薄型TV に市場が移行した途端、そのツケが回って、あっという間に韓国、台湾勢に市場を駆逐され、玉砕してきた生生しい状況を目の当たりにしてきた。 その経験則からもアベノミクスは確かに景気隆盛のキーワードとしては良いかもしれないが、そこに甘んじている事による悪影響も間違いなくあるという事を理解してもらう必要は絶対にあると思う。
その理解のもとに、「どうすべきか」という事を今時点から是非再考してもらいたいと切に願う次第だ。

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