Archive for 08/14/2014

グローバル化の方法を再考してみよう。

7月に日本から来た視察団体のアテンドをした。今回は以前より交流のある八王子市の町工場のオーナーたちが参加するという事もあり、せっかくの機会なので自分としても有意義な訪問にしてもらうべく盛りだくさんのスケジュールを組んで対応にあたった。八王子の町工場のオーナー4人に加え青森県から2社のオーナーも参加、計6社の代表が顔をそろえた。業務としては板金、切削加工、鋳造など基礎技術を持ったところが中心で自社製品を持った会社もある。
訪問の内容としては、シリコンバレーの代表的なスタートアップ企業の訪問をメインに、この地で頑張っている製造業のスタートアップとの意見交換、日本で中堅の電子関連企業で独自技術を武器に奮闘している企業の視察、現在のシリコンバレーの下支えをしている同業の加工メーカーの訪問に加え、せっかくの機会なので、こちらで活躍しているベンチャーキャピタリストに参加各社の自社の製品や技術をプレゼンしてもらうというイベントも盛り込んでみた。

さて、今回のイベントのメインとしてセットアップしたのは代表的なスタートアップの視察と意見交換という事でテスラモーターズへ。同社のプロジェクトマネージャーを務めているTさんに会社の概要、企業戦略、そして独自の製造プロセスとマーケティングの手法などにつき説明してもらった。これは本当に素晴らしく自分にとってもかなり勉強になる話で、さぞかし参加メンバーにとっても刺激のある内容だったに違いない!と確信していたのだが…。

なんと、青森から参加した2社のオーナーはテスラモーターズを知らなかった…。

実はスケジュールについては事前に決定の上、主宰者側にも報告をしていたのだが、それでも事前調査すらしていなかった様子。。。。。その2社のうち一社は切削とメッキ加工を行う会社で、メッキ加工に関しては、独自の複合メッキ技術で平成24年度の戦略的基盤技術高度化支援事業にも採択されている。もう一社も独自の技術で雄型だけでミクロン単位の裁断技術を持つ会社。いづれもそこそこ面白い技術を有しており、テスラモーターズに関して言えば同社が主力としているEV用のバッテリー生産に関し、例えば導電性の高い接点を確保できるメッキ技術とか、その内部に使用するフィルムなどの部材の裁断に関して彼らの技術に興味を持ってもらえるチャンスはあったと十分考えられるのだが、テスラの存在すらわかっていなければ、当然、そのような部分にリサーチはおろか会社の内容も理解できていない訳で、正直なところテスラ訪問という千載一遇の、うまくいけば自社技術をPRできたチャンスを全く逃してしまったわけだ。勿論興味をも持ってもらえる可能性も不透明だけど、テスラは従業員6,000人規模の世界最大のメガバッテリー工場の建設も年内に予定しており、その機会損失は本当に残念でならない。

またVCへのプレゼン。会社のオーナー達がいかに自社の技術やメリットをしっかりと把握しPRできるかを本場のVCに評価してもらうという事を目的としたのだが、 自社製品をもつ1社のプレゼンで同社は独自の技術によって開発した特殊センサーを紹介、その製品の特長として「測定したデータは随時システム内にメモリーでき、microSDに保存が可能です」と説明。VCからは「それはワイヤレスでデータ送信ができたらいいですね」という指摘をもらっていた…。

う~ん、これも今のトレンドをわかっていないのかな???という印象…。

少なくとも今年に入ってから産業のトレンドはBIG DATAにIOTというキーワードで盛り上がっており、この分野に携わることが自社製品の評価につながってくる現状を考えると、VCからの指摘を受けるまでもなく、そのようなトレンドを視野に入れての製品開発を考え、例えば測定したデータは随時BLUETOOTHなどで、スマートフォンのアプリと連動して、それをもとにコントロールが可能になるような機能が実現されていれば(今更マイクロSD にデータ保存ができるという事が時代に即していないという事がわかっていれば)、特に独自の技術を駆使した特殊センサーであれば、今後需要の見込める環境分野、オートメーションとクリーン化による新たな農業分野、また機密性の高い室内空調機器のモニターとして、期待が持てるはずなのに、、ワイヤレス機能がないがゆえに今の流れに即しておらず、陳腐化した製品で終わってしまっているのが本当にもったいないと思う。

というわけで表題に戻ると、皆さんはグローバル化というものをどのように理解しているか?という事だ。この言葉の意味は言うまでもなく国際化、もしくは世界を視野にいれた自社(個人)の展開という事になるかと思うのだが、何も海外に足を延ばし、現地の状況を理解することだけがグローバル化ではない。勿論、それは非常に重要なことでもあるが、日本に居ながらにしてもグローバル化に向けてできることが沢山あると思うのだ。今回の参加各社の例を見るまでもなく、少なくともこちらでは毎日NEWSの話題に上っているテスラモーターズの存在は、ロイターやブルーンバーグ、ウォールストリートジャーナル等の日本語版NEWSの配信をチェックしていれば逃すはずはないし、同社のWEBページで彼らの会社の詳細を把握することは十分にできる。その内容から自社の技術が売り込めるのかをリサーチすることは十分に可能だ。同じように産業のトレンドであるIOTやBIG DATAの状況や盛り上がりをキャッチし把握していれば自社の製品開発にそれに即した内容を盛り込むような開発も考慮でき、世界に打って出る製品を作る可能性も生まれてくるわけである。 技術はすでに確立されているのだから、それをどう展開していくかによってグローバルな展開は十分に可能な訳だ。

結論はいつも同じようになってしまうのだが、グローバル化に関しても本気で考えるのであれば、日本国内にいても、できることは沢山あるという事を意識し、常にアンテナを世界のトレンドに向けることによって、自分たちの持つ優れた技術を世界に通じるものに仕上げ行くことが可能だという事を、是非、再度考えてみてもらえればと思う。

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