Archive for 07/03/2014

大企業菌に感染していないか?

先日、TESLAに勤める友人と食事をした。彼の会社はご存じのとおり今飛ぶ鳥を落とす勢いてバッテリーでEV市場を席巻しようとしている。その中にいて彼自身も超多忙、正に骨身を砕いて働いている。新しいプロジェクトで全米はもとより、世界中を飛び回る日々。そのスケジュールも会社の規定でたとえば日本であれば、土曜日の夕方のFLTでこちらを発ち日曜日の夜遅くに到着。そのまま翌朝の月曜日から仕事をはじめ、金曜日まで目いっぱい働き、その日の夜中のFLTでアメリカに戻ってくるそうだ。同日の夕方にはアメリカに戻れるので、その週末はあるが、また月曜日からは激務が待っている。飛行機は当然エコノミークラス。出張が立て込んでくると戻ってきた週末の日曜日から又出かけなければならないことが多々あるそうだ。 同社では、総帥イーロンマスク自身が、彼を含めた実働部隊のマネージャーを集めたミーティングをほぼ毎週のように実施。 プロジェクトの進行状況の確認を行い、達成できていないものに対してはチーム全員の解雇を含めた厳しい要求を突きつけるそうだ。それが実行されることもあるという事で、彼自身いつも戦々恐々としている部分もあるのだが、それでも将来に向けて奮闘してる姿が印象的で、やはり「世界を獲りにでる企業はこういうものなのだな」と感心すると同時に改めてビジネスの厳しさと醍醐味を考えさせられた。
実はその数日後、やはりインターネットルーターの最大手、CISCOでLSIの設計をしている友人に最近音沙汰がないなあ~、と連絡したところ、彼も今同社が掲げる「IOE(IOTに対抗してCISCOは独自にINTERNET OF EVERYTHINGを標榜している)」のプロジェクトに入り、時差を利用してスピードと効率化を高めるためにインドにある設計チームと共同で作業をしているため、こちらの仕事が終わると夜遅くからインドチームが動き出し、夜中でもお構いなくメールや電話が入り、そのやり取りに寝る暇もないという…。
世界の覇者となった同社でも猛攻してるく競合他社に対して生き残りをかけて、死に物狂いで前進しようとしている凄まじさ、そしてパワーは物凄い。日本や他の国から見れば華やかに見えるシリコンバレーの企業は実は、このような熾烈な争いと高い志を持って日々切磋琢磨されて成り立っているのだと痛感した。

という訳で付き合ってくれそうな仲間もおらず、さみしい思いをしていたのだが、たまたま日本から、これも外資系スタートアップの日本代表で新規プロジェクトのため死にそうになっている友人がこちらに来るという事で労をねぎらおうとサンノゼの居酒屋で一献。金曜日だったので、お店は満席。自分たちの隣の席には8人ぐらいの日本人の団体。IDをそのままぶら下げているので、PANAの社員であることがわかる。お酒も入って、大声の彼らの楽しそうな会話が耳に入ってくるのだが「いや~週末を挟む出張はいいね~ゴルフ出来るし!」「この前のNYでは、シガーバーによってね。姉ちゃんもいたし、煙草も吸えてよかったよ~」「飛行機のアップグレードはごねるに限るよね~、そうそうマイレージも溜まってきたのでそんな必要もないけど…ははは~」…。と終始そんな話で盛り上がっていた。まあ勿論、金曜なのでガス抜き大いに結構なんだけど、

この違い…いったい何なのだろう???

彼らの飲み会は、潤沢な内地手当や家賃をはじめとした生活補助を得て、責任のある業務をなるべく回避しながら陽光のカリフォルニアを赴任期間中にエンジョイしているとしか見えない現地駐在員プラス旅行感覚の日本からの出張者の集まりだったのだろう。勿論、駐在員の中には日系企業で中小規模サイズの現地法人の社長に何人か知り合いがいるのだが、彼らは5年10年先の会社の将来を見据えて、事業立案に奔走してたりしている。
なので、こんなに余裕があるのは言い方を変えれば大企業の皆さんに限ったことかもしれない。 それにしてもツガノミクスとやらで業績が少しは上向いているような同社でも、まだまだ予断を許さないばかりかコンスーマー事業の立て直しは急務のようにも見えるのだが、そんな雰囲気などは微塵も感じられなかったし会社の愚痴も一つもなかったように記憶しているので多分、危機意識などは毛頭ないのだな~。逆に羨ましいな~と妙に納得したのだが、日本から来た友人も「まあ日本の大企業なんてそんなもんだよ」と話していたのが印象的だった。。

考えなくとも余計なお世話なのだけど、こんな光景からも日本の大企業は完全にダメなのかな。。。という思いを新たにしてしまった。会社の業績不振を理由に社長を退いたのに会長に就任する社内制度と、それを容認する株主や社員。日本を代表する看板企業の存在をメチャクチャにして存亡すら危ぶまれる状況にしておきながら平気で3億6千万もの報酬を得ている社長と文句を言わない社員や株主…。やっぱり何かおかしい気がする。そんな会社の社員にも、よく言われる大企業病を発症する大企業菌(本格的に発症しているかわからないので、あえて菌という言い方で)が既にいきわたってしまっているような印象を受けたのが残念だった…。

ところで、もうそのような大企業の人達はあきらめるとして、このような会社と取引をしている中小町工場の協力会社の皆さんは、まさかこの菌に感染はしていないだろうか? 仕事が来なくても「まあ、大手と付き合っていれば、きっと何とかしてくれるだろう。それまでは補助金で食えそうだし…」、自分から営業しなくとも「そのうち、いろいろ取引先を紹介してくれるだろう」みたいな感覚を持っているとしたら、それは既に罹患しているかもしれない…。
世界、特に華やかなりしシリコンバレーの大企業は日々是決戦!そのすそ野を支えている協力工場も弱肉強食の世界。常に熾烈な競争と切磋琢磨を義務付けられている。これを怠れば消え去るしかないのだ…。
「もしかしたら?」と感じたら、先ずこちらに来て現地の雰囲気や状況を自分の目で確かめてみてはいかがだろうか?間違いなく除菌の効果はあるはずだ。

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