Archive for 03/19/2013

「ものづくり」の認識を再考してみては?

またまた少し時間があいてしまったが、今年に入ってよく考えていることが「ものづくり」という言葉の存在だ。以前にも書いたが、この言葉(自分でもブログのタイトルに使っているけど)は、本当にどんな意味でつかわれているのだろうか。たとえが悪いが「虫の知らせ」の虫のようなもので、よくわからない存在のように最近は思えてならない。確かに「製造=ものづくり」という普通の解釈をしてしまえば何の問題もないのだが(自分的にはそんなイメージ)、これがどんどん超越して「ものづくり=日本の技術の粋ー匠の技」みたいなイメージで使用されているな~という感じを最近よく受ける。実は最近アドバイスを依頼された、ある関西の中小企業が、まさにこのような意味で「ものづくり」を同社のWEBサイトに使用していたのだが、この認識でいるとしたら、それは早めに改めたほうがいいかもしれない。世界の技術は日本の皆さんが考えている以上に何でもできる。そして今の時代、自分が少なくともこの地(シリコンバレー)で感じるのは、もう日本の匠の技的な技術の需要は殆どないという言うことだ。最近では先ず製品の開発、デザインをするCADのシステムがものすごく発達している。そのために微細加工の部分なども精度よくデザインをすることが可能だ。そして、それを形にする加工マシンも森精機やOKKを代表する日本メーカーのおかげで精度的にものすごくレベルが高い。なのでアナログ的に触るだけで何ミクロンの差がわかると言った精度の良し悪しが必要になることも非常に少ないのである。加えて、これらにこだわることによる製造コストの上昇は今の市場ではよほど特殊なものでない限り許されないのだ。もう一つ言えば最新ハードウェアをデザインしているのは基本的に最新のCADシステムを使いこなす事ができる若手のデザインエンジニアたちだ。彼らは学校で学んできた過程からすでにデジタルの環境なので、そこにアナログ的な要因が必要とされること自体ほとんどないと考えられる。確かにI-phoneケースの鏡面加工は日本の燕三条の町工場が手掛けていて、やはり日本の匠の技は凄いのだ!というような話を聞いたことがあるけれども、その会社はそれで本当に潤沢に儲かっているのか?というと、それも量産製品の付加価値の一部であって量産品ゆえに莫大な利益を確保することは難しい状況ではないかと思う(もし間違っていたらぜひコメントください)し、そんな目にかなう技術といったらほんとに宝くじに当たるくらいの確立かもしれない。実際に今年LAで行われた展示会にJETROがセレクトし出展していた日本の製造メーカーの話を伺ったが、彼らが説明してくれたアドバンテージ技術のほとんどは別に珍しいものでも何でもなかった。
つまり、もし仮に皆さん(特に日本の中小企業)が「ものづくり=匠の技、もしくはオンリーワンの技術」というイメージで捉えて、これを自社のホームページや色々な場面で使用されているとするならば、本当に余計なお世話とは思うのだけれども、その前にまず自分達の持つ技術や製品が本当に世界に誇れるものなのか?という事を恥をかく前に再考というか再リサーチをしっかりしていただきたい、と思っている次第であります。

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