Archive for 01/15/2013

2013年の年頭に考えた事

遅くなりましたが、新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

2年前のNHKの大河ドラマ「竜馬伝」。その中で若き日の岩崎弥太郎が、会話の内容の詳細は記憶が非常にあいまいなのだが投獄された牢屋の中で、そこの主ような老人から「あきないというのはなあ、ほしいと思っているひとのところへ、ほしいものを探して持っていくことや。ただそれだけや…」という話を聞き、いたく感動して商売に目覚める…。というくだりがあった。この話を聞いて今まで売れもしない(というか誰もほしくない)鳥籠売りを辞め、猛勉強を始めてビジネスに開花して行く様子は香川照之の好演もあって印象的だった。
先週ラスベガスで開催されたコンスーマーエレクトロニクスショウ。昨年以来瀕死の重傷状態の日本のTVメーカーの目玉は残念ながらほぼ全社が4Kテレビだった…。そうでなくとも毎年一社たりとも個性を打ち出すことなく右へならえのマーケティングには残念ながらがっかりせざるを得ないのだが、今回もまったく同じ状況で本当に呆れてしまった。おまけに日本独自の技術ならともかく3Dテレビの時と同様、SAMSUNGもLGも4Kテレビを発表。これでは3Dの時と同じように最初から価格競争に巻き込まれて、またまた同じ轍を踏むことは明白だ…。そして今の世の中、どれだけの人が小じわまでしっかり見えてしまう現行のテレビの画質以上の高品質な部分に付加価値を感じ、2割も3割も高い金を払うのだろうか??誰が考えても明白なこの部分に気づかないのはとてもおかしいと思うのだが…。というか4K以外に新たな新技術の開発が考えられなかったというのが本当のところかもしれない。自分的には「ほしいと思われてないものをつくって売ろうとしている」としか思えない。これでは弥太郎が売っていた鳥籠と変わりがない。それにしても、どうして日本の大手メーカーというのは個性がないのだろうか?今回(実は昨年も)はせめて一社ぐらい「映像技術は現行のままで十分という判断のもとに、今年は省エネに力を入れました。今回発表の新型TVは、今までのTVより消費電力を50%削減に成功!SAMSUNGやLGより3割高いですが、3年試使用すれば、その差額も解消でき、さらにそれ以降は十分メリットのあるTVです!」というTVを発表してもらいたかったというのが本音だ。
携帯電話の時もそうだった。以前にも書いた記憶があるが90年代の初頭、自動車電話と携帯電話が急速に普及しはじめ自動車社会のアメリカにおいては非常に期待が持てるということで、日本の大手電話メーカーはほとんどがアメリカ(NECはメキシコ)に工場を設立し生産を始めていた。それが96年(だったと思う)にアメリカが移動体通信の方式をCDMAに決定した途端、DOCOMO方式を期待していた日本勢は当時の日本の携帯市場隆盛もあってほぼ全社が潮が引くように撤退…。なぜ一社ぐらいCDMA方式を採用し、こちらの市場で頑張ってみようと思わなかったのか…。余談でいえばその時、国内市場がほとんどなかったSAMSUNGとLGは、さっそく同方式の携帯を開発し、アメリカ市場を牛耳ったばかりか、同方式を採用したヨーロッパにおいても市場を席巻している。そしてこれが彼らの知名度を上げ、今日のスマートフォン市場においても好業績を生む結果になっているのだ。
日本勢はこのような経験を何度となくしていながら、今回もまたTV産業という本当に大きな柱を同じような過ちで失おうとしている。自分は日本人、それもいままで日本のTV産業で生計を立ててきただけに何とか踏ん張ってもらいたかったのだが、それも残念ながらあきらめざるを得ないのかな、という悲しい決断を強いられた感じが否めない…。
さてそんな状況だが、製造業の状況は、ひとつ前のブログにも書いたように今大きく変わろうとしている。これからの製造業、コンスーマー製品に関しては明らかに大手偏重ではなく個が注目を浴びるであろう胎動が聞こえてきているのは自分としては本当に興奮を隠しえない。勿論、このような製品がヒットするというのは1000三つの確立かもしれないが、少なくともそうい市場にチャレンジしてくる新興勢力がどんどん出てきてくれることが、いづれ必ず大きな力になるように思える。特に期待したいのは今まで大手の傘下で生きてきた多くの中小企業の方々だ。彼らが今まで親元のために培ってきた技術やノウハウにはかなりすごいものがたくさんあると思う。内容的には前回と同じことを言っているが、できればそういうノウハウや技術を自分たち独自の新しい商品開発に生かすことができないか??今まで見てきた多くの中小企業、特に受託製造を行ってきたところは残念ながらセールス、マーケティングといった部分が非常に脆弱に思える。それは当然で親元から黙っていても仕事がもらえた環境があったからだが、そんな親がナサケナイ状況になってしまった今こそ、そのような関係を切り捨てて原点に返り、インターネット、ソーシャルメディアで情報を収集し、仕事の合間で勿論OKなので、3Dプリンター、安価な開発ツールやインフラを利用して独自の商品、それも「ほしいと思われているもの」を開発してみてはいかがだろうか?ヒントはあちこちに転がっていると思うし、志のある会社には自分もできるだけの応援をしたいと考えている。
2013年はそんな、気概と志のある日本の中小企業の皆さんと本気で語り合い、ひとつでも多くの会社が実績を残す手伝いを真剣にしていくことを自分の抱負にしたいと思います。

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