Archive for 12/27/2012

NOKIAの話を聞いて来年に向けて考えた事

2012年も、あとわずかで終わろうとしている。クリスマスも終わった今日、品物を納品にNOKIAのシリコンバレーオフィスに足を延ばした。通常アメリカではクリスマスからNEW YEARの1月1日にかけて、ほとんどの企業がSHUT DOWN、もしくは開店休業になるのだが、クリスマス明けというのに、オフィスはオープンしておりエンジニアたちは仕事をしていた。28日まで勤務だという。実は数日前、ここに勤める古くからの知り合いに数年ぶりに再会して色々と話を聞いた。元SONYの生産技術エンジニアだった彼は、確か2000年の初めにこちらのスタートアップに勤務、その後の変遷を経て現在に至っている。アメリカでは、SMART PHONEの普及にともないAPPLE, SAMSUNG, HTCの台頭により、ほとんど撤退モード(失礼)といった感のある同社だが、実はこのR&Dセンターには百名以上のエンジニアが勤務しているという。そして彼とそのチームが現在携わっているのはハードウェアの開発、それもなんと20年後30年後に予想させる通信ネットワークに使用されるであろう端末やメインシステムの開発をしているというのだ。端末市場をほとんど失ってしまったアメリカにおいて、同社がこんな規模で研究開発を行っているのは、ここシリコンバレーは人材の確保がしやすいだけでなく、この地が将来においても間違いなくデファクトスタンダードを生み出す場所であることを認識しているからであろう。それにしても、なんと壮大でスケールの大きなプロジェクトではないか@@!そんな未だ未知の世界のプロジェクトに多くの人材を投入しているNOKIA。これこそが本当の意味で世界制覇を狙うグローバルな会社のあり方であり投資の方法だと思う。知り合いの彼自身も食事をする暇もないくらいめちゃくちゃな忙しさだが夢のある仕事に本当に満足そうだった。
一方で今までは銀行の世話にならずに潤沢な資産によって君臨していたPANASONICやシャープ。その大半をプライオリティをつけられない間違った経営方針と、将来を見据えない中途半端な開発計画への投資によって失い、今や瀕死の状態で、かつては見向きもしなかった銀行に救いの手を差し伸べている彼らの状況をみるにつけ来年以降の復活に関して言えば、残念ながらNOKIAのような海外の列強とのアクションの違いから、ため息をつかざるを得ない状況だ。

さて今年に入って注目すべきことは、新しい製造のスタイルが急速に普及し始めてきたということだ。これには3Dプリンターの存在とアルデュイーノ(オープンソースハードウェア)等、新たな開発ツールの普及が非常に貢献しているのだが、新しいスタイルとしてお金をかけずに簡素化した機能やデザインを重視したプロトタイプを製作し、ソーシャルによって資金集めをするという流れが非常に面白くなってきている(このあたりはクリスアンダーソン著の「MAKERS」に詳しいです)。特にもともとハードウェアを得意中の得意としてきた日本の製造業にとってはもしかするとこれが新たなブレークスルーになる可能性が非常にあるような気がするのだ。勿論、大手ではなく今まで彼らに奉公してきた中小企業にとっては献上するだけの部品や部材だけでなく、今こそ自社のオリジナル商品を世に出す敷居が非常に低くなってきたということを理解し、是非、来年はこのあたりに真剣に取り組んでもらえたらと思う。

上記のNOKIAと日本の大手企業の歴然としたグローバル企業という意識の差を見るまでもなく、そして新しい選挙で政党は変わっても残念ながら今の彼らの技量では国際関係の体たらくの穴埋めに右往左往して、本来最も必要な国内経済の体質改善には気が回りそうもないし、大手企業の記者会見を見る度に感じる彼らの間違った方向性も、どこかが良い意味で破綻でもしない限り変わりそう(わかりそう)もない状況を見るにつけ、何度も以前から一貫して主張していることだが、彼ら大手に頼る体質を自ら早期に改善し、今まで生業のに加えて来年は少しオリジナル商品を開発しアピールするような計画を立ててみたらどうだろう?

NOKIAの話を聞いて、来年に向けてこんなことを考えてみた。2013年が、皆さんにとって素晴らしい年になりますように!

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マーケティングの重要性を真剣に考えてみるべきだ!

少し時間が空いてしまったが(スミマセン)、今回も食べ物の話から…。シリコンバレーの古くからの知り合いで飲食店を展開し大成功している友人がいる。彼はこちらでは一般的な寿司カウンターのある日本食レストランを2店と日本風にメニュー構成をした中華レストラン1店の3店舗を経営。特に日本食レストランは連日行列のできる繁盛店。それが何年も続いている。もちろんシリコンバレーには同じようなレストランは山のようにあるが彼の店だけが特別に繁盛しているのには彼のしっかりした戦略があった。大きな特徴はといえば客の大半、少なくとも8割近くは日本人ではなくアメリカ人、それもアジア系の人たちだ。味付けはといえば、もちろん本来の日本食のそれではなく、日本人になじみのメニューに少し手を加えてアメリカ人受けするようにきちんと工夫されている。少し甘目の効いたテリヤキ(あえてカタカナで書きます)。ころものボリュームがある天ぷらにダシよりは醤油風味がちょっと際立った天つゆ等々、個々の詳細を聞いたわけではないが、それなりの工夫がされていることは間違いがなさそうだ。これは寿司にしても同じである。彼曰く「いま日本食レストランで一番お金を落としてくれるのはハイテク企業に勤めている中国人を中心とした20代から30代の若者たち。彼らが寿司を食べ始めた時には、既にカリフォルニアロールやフィラデルフィアロールといった俗にいうミッキーマウス寿司がスタンダードとしてメニューにあった。このような客にシャリの炊き方が重要とか青物の〆方が重要とか、ネタの寝かし方が肝要とか、このようなところにこだわってもまったく意味がない。なので勿論妥協はしないが仕込みを含めた部分でこだわりを抑え、万人に合う味を提供することが繁盛につながる」ということだった。なるほどといった感じ。このベーシックに加えて、上記に書いた味付けの工夫、たとえば甘味がある卵料理はゲデモノ料理と同等というアメリカ人の意識に基づきダシ巻卵の甘味を抑える等の工夫を施すことが繁盛のベーシック、つまりマーケティングとR&Dの賜物だといえると思う。
このマーケティングとR&Dがグローバル化にいかに重要かということは、「ものつくり」を自負している日本の中小企業に実は今一番欠けていることだと思う。最近多くの日本の中小企業の皆さんと会う機会があり色々と話を伺う中で、それぞれ素晴らしい商品や技術を持っているのだが果たしてそれらが今のトレンドである製品の何に応用できて、どこに使ってもらえるか?このあたりにリサーチしている会社は残念ながら非常に少ないことが分かった。つまり自分たちが作った製品がそのまま世界で通用するという事はまず皆無だという事を残念ながら今までお会いした企業の殆どが理解していないような印象を強く受けているのが現状だ。少したとえは異なるが具体的な例でいえば、知り合いが、あるアメリカの著名企業のCEOを日本に招請した際、金沢の代表工芸である金箔製造を見学させたそうだ。その際にCEOはそのプロセスを見て(もちろん金箔製造は日本以外でも行われているが)、その技術力の高さと製品の素晴らしさに驚嘆したそうだ。が、結局それで終わりである。仮にこのCEOが今トレンドのハードウェアの生産主だとしても、それが、この会社の製品にどのように生かされてコストダウンや製品の付加価値に応用できるのか、その薄膜精製の技術を応用してさらに素晴らしい製造技術を確立できるのか…というところまで言及されなければ結局この金箔製造は金沢の伝統工芸のままで終わってしまうのだ。
ものつくりを標榜し、それに酔っている感のある日本の中小企業の皆さん。確かにその技術や製品には素晴らしいものがあり、それによって数々のヒット商品を世に送り出してきたことも事実だろう。しかし、これからさらにグローバル化を図り業績を上げていくためには、今のトレンドや市場の需要にそれらが合致しなければ何の意味もない。このあたりを真摯に受け止めることによって自分たちの持つ技術が、たとえば今旬であるスマートPHONEやタブレットPCにどれだけ需要があり、それによって製品のコストダウンが可能になるのか一度真剣に取り組んでみてもらうことを是非お勧めしたい。もし需要がないことがわかればそれもまた良し。他の新しい市場をさらに開拓するきっかけにもなるのだとPOSITIVEに考えてもらえばと思う。

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