Archive for 05/18/2012

FACEBOOKの上場をものつくりの視点からみる

FACE BOOK(以下FB)がいよいよ明朝(5月18日)上場する(現在はカリフォルニア時間17日夜の11時半です)。予想株価は$38.調達資金は1兆2,800億円、時価総額はなんと8兆3,000億円のIT業界ではGOOGLEを抜いて過去最大、全米でも3番目に大きな上場になる。そんなわけでCNNをはじめABC,NBCといったこちらのTVではその話題で持ちきりだ。CEOのザッカーバークは齢28歳!スーパー億万長者にはなるが、いつも同じような無記名のTシャツとジーンズ姿で、ふらっと近所のラーメン屋でラーメンをすすっているライフスタイルは変わらないだろう(というか変わってほしくないな)。確かにFBはソーシャルネットワークという未だ広告収入以外に明確なマネタイジングのモデルがない(少ない)だけに将来的な予測や成長に賛否両論がある。数日前にもGMがFB向けの広告を中止する発表をしたり、いろいろな見方があるのだが、この辺りは専門家に任せておきたいと思う。ただ単純に考えて現時点ですでに世界中に9億人ものユーザーがいるという事実は何物にも代えがたい(いろいろとプライバシーの観点でも物議を醸しだしてはいるが…)。これだけのマーケットを持っているということは事実であり、言い方を変えれば「やろうと思えば何でもできる!」というのが正直なところではいだろうか。。
さて、自分はここ(シリコンバレー)に長年住みながらIT業界には精通していないので(笑)、FBの今後に関しては言及しないが、同社の上場を少し自分の分野(視点)から考えてみた。
まず1兆円もの資金を調達するわけで、それをどこに投入していくか?当然新しいビジネスモデル、サービスの開発、既存のシステムの強化に中心はあると思うが、この大規模なシステムソフトウェアを確実に機能させるためのハードウェアの構築と維持も当然のことながら非常に重要なポイントになってくるであろう。GOOGLEの検索で世界のどこからでも検索をすれば数秒で結果が出てくるあのポータルの裏には、それを可能にするための巨大なデータセンターが動いていることは言うまでもない。そのためにGOOGLEでは、データセンタ向けのコンピューター、ROUTERそして使用するCHIPまでも自社で開発している。当然FBもその部分をお粗末にするわけにはいかないので、ハードウェアの強化は不可欠になる。もちろん自社開発か委託かは別にしても、そこには莫大なハードウェアの需要はあるわけだ。特に最近ではトラフィックが増大したデータセンターではその冷却が非常に重要な課題になっている(そのためにFBは同社のデータセンターを寒冷地のグリーンランドに建設)。またそのデータセンターを稼働させるための供給電源もAPPLEのように環境配慮から大部分をソーラーシステムで補うなどの需要も出てくるだろう。また地震等の天災にも対応できる仕様が必要になるかもしれない。これらハードウェアーの需要に対し何か日本の中小企業がもつ技術力を生かすことができないものか?今まで大企業の下請けとして培われてきたすぐれた技術をせっかくだからこのような元気(と金)のある企業のもとでぜひ活かせないか?と願う次第だ。併せて当然FBに特化したKINDLEやI-PADのようなタブレット端末、もしくは新しいスマートPHONE分野に参入してこないとも限らない(なんせ9億人のユーザーですから)。このあたりも可能性として注視していけば面白いのではないかと思う。自分の役割としてせっかくの機会なので、ぜひ、このあたりでも何か役に立つ情報を供給できるように今から少しずつリサーチを続けていきたいと思う。

余談になるがGOOGLEが上場を果たした時、シリコンバレーの自動車(高級車?)、不動産の売り上げが20%増加したそうだ。そのためにこの地では物価まで上がってしまったと記憶しているが今回の上場でもそんなことになると自分的には物価高という被害をこうむる可能性のほうが高そうなのが、実はちょっとばかり寂しい…。

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100年以上前の日本人起業家の話

2009年に自分のBLOGに書いた記事ですが、最近、偶然にも友人が話に出てくる移民の子孫の方と出会った事と前回の記事とも関係があったので、これも何かの縁と思い再度UPします。
自分たちの大先輩は100年以上前からグローバルな志と起業精神を持っていました!
素晴らしい!このスピリットは継承していかないと!!!
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自分のもっとも好きな趣味の一つである狩漁系ダイビング(潜って魚貝を獲ってます)のなかでもカリフォルニアを代表する獲物であるアワビについて、その背景を調べていたら、そのアワビ漁のルーツにに日系移民の起業家が非常に深くかかわっていることがわかったのでちょっとご紹介。

1994年まではカリフォルニアのアワビ漁は商用目的で大々的に行われてたが乱獲から絶滅の危機に陥ったために禁漁になる。このアワビ漁ルーツ、実は日本の南房総、白浜の海産物商の兄弟によっ1890年代今から100年以上前に始められたものだった。1890年の初頭に日本から移民した人が、カリフォルニアはモントレーの海岸に無数に生息するアワビを発見!これは絶対に事業になると確信し、当時日本で海産物商を営む小谷兄弟を招請しカリフォルニアのアワビ漁がスタート。当時アワビはラッコの餌か中国人が食用で少し取るばかりで、焼けば長靴のゴム底のように硬くなってしまい誰も見向きをしなかったしろものだったそうだ。おまけに北カリフォルニアの水の冷たさもあり当時は誰も手を出さなかったために海底はアワビのジュータン状態だったらしい。小谷兄弟はモントレーで本格的にアワビ漁を展開。当時アメリカには存在していなかった潜水器具を使った漁を始めて行ったのも彼らである。そのための人材はすべて日本から採用した。当初は干しアワビを生産し中国や日本に出荷していたが(1915年に禁止される)1900年代初頭には食用に適した加工法(やわらかく食べる)を開発し缶詰として発売し大成功を収める。ところがカリフォルニア州政府はアワビに大きさの制限や販売エリアの規制などをかけ始め、また移民に対する土地没収や商業規制なども強化し始め、隆盛を極め最盛期にはアワビのカンズメ工場を4つも経営していたにもかかわらず1931年にはアワビの工場は全て閉鎖、そして第2次世界大戦での排日命令により、日本人が立ち上げたカリフォルニアのアワビ漁の実態そのものが歴史からすっかり葬り去れてしまった。 アワビ漁自身はその後もヨーロッパ移民やメキシコ移民、そしてもちろんアメリカ人の手によって継続されたが最終的には乱獲がたたり絶滅の危機に陥ったために1994年にカリフォルニア全域で全面禁漁になった。 ちなみに1994年以降はサンフランシスコから北、オレゴンボーダーまでの間でリクリエーショナル目的での漁は可能。ただし年間24個一日3個までという数量と大きさもインチ以上という厳しいルールがあります。

さて、戦後60年以上が過ぎ、それまで少しずつアメリカ人の歴史研究家により調査されてきたこのアワビ漁の歴史が、ちょうど100年の歳月を経てまさしくアワビが全面禁漁になった1994年に小谷兄弟のカリフォルニアモントレーエリアでの産業発展の功績をたたえる記念式典で再度脚光を浴び(今では自然保護区となっている工場跡地はKODANI VILLAGEと命名されている)、その後多くの研究家や日本のNPO法人によって文章にまとまられるまでに至った。

このような背景があることを知って、自分もこちらでアワビHUNITNGをしている日本人として、そんなDNAが体の中にはあるのかな?などと思ってしまったのだが、それより今から100年以上も前にアメリカでリソースとビジネスの可能性を見出し、会社を立ち上げ、日本からの潜水士(エンジニア)を招請し、現地の人材を育成、新しい製品を開発し、インフラも商習慣もまったく異なるアメリカという地で、見事に起業して大成した大先輩達がいたことを誇りに思いたいと思う。残念ながら第2次世界大戦という大きな節目のために葬り去れてしまった彼らの功績は、まさしく今の起業家魂に通じるものがあると思うし、このようなスピリットはこの先もずっと大切にしていく必要があると思った。
ちなみに本内容のほとんどは、上写真の日本のNPO南外房文化財.戦跡保存活用フォーラムがこのあたりの交流と歴史的な流れをまとめ2005年に出版した上記の「太平洋にかける橋」、そしてAMAZONで入手可能だが、ほとんど絶版状態のCALIFORNIA ABALONE INDUSTRYという本を参照させていただきました。

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