Archive for 03/27/2012

INTELのセットトップボックス市場参入のNEWSで考えたこと

3月12日にWSJ(ウォールストリートジャーナル)に掲載されたインテルのセットトップボックス(以下STB)市場参入のNEWSは非常に興味深かった。以前このBLOGにも書いたTV市場で生き残れる可能性の話がこんなに早い段階で現実味を帯びてきたという事もさることながら、インテルの壮大な構想を垣間見ることができたからだ。インテルは以前からGOOGLEをはじめとしたインターネット系のTVメーカーにチップセットを供給しているのだが、今回は自ら、このコンスーマー市場への参入を決定した(まだ100%確定ではないらしい…)。 BtoBを主体としてチップセットでは長年王者として君臨してきたインテル(未だに半導体市場の20%を抑えている)が、今回STBへの参入によって同社がこの先、このシステムとを利用して、さらにホームネットワーク市場の根幹を牛耳ろうというわけだ。勿論APPLEをはじめ、この先多数の強豪の参入は必至だがチップセットでイニシアティブをとっている点が同社の最大の強みだろう。
半導体エキスパートの先輩からの報告で、今年のCESでINTELは自社のブースでスマートフォンとTVをワイヤレスでつないでアプリケーションを走らせるDEMOを披露していたという。勿論これは、将来的にスマートTVに参入してくるメーカーに彼らのチップセットを売り込むためのものとも思えるのだが当然自社製品として、その技術をSTBに集約すれば彼ら自身がホームネットワークプラットホームの中心を抑える事も可能になる。想像するに家の中に設置されたインテルのSTBは、スマートフォンをリモコンとしてのインターネットTV機能に加え、ブルートゥースでの映像配信が完成すればICチューナを複数搭載することにより、家の中にある数台のディスプレイへの通常のブロードキャスティングの個別映像配信も可能になり、加えて家中のいろいろな家電製品のコントロールを可能に…といった具合に、次々を多様性のある機能(この部分はCLOUDに集約)を実現することができるものになる。そうなると市場としては一家に1台の需要が考えられるのだ。ここまで先を見越した戦略が本当であれば、とにかく凄い。こう考えるとICメーカーであるインテルが昨年セキュリティソフト大手のMcAfeeを買収するという一見無縁に見えたNEWSも(勿論SSDの普及により最近ではUSBにも埋めこみ型のセキュリティソフトが必要になってきているが)、コンシューマー市場参入を視野に入れていたとすれば「なるほど」と納得できる。
最近のデジタル化とネットワーク化の急速な進歩に伴い、このテクノロジーを利用して今年のCESで大きな話題を呼んだNEST(学習機能を持った空調コントロールシステム)のように、既存の設備やインフラをよりスマートにして新しいネットワークにつなげ省エネ化を実現するという部分に新しい市場の可能性がたくさん生まれてきている。日本でもLED照明の普及に伴い、スマートフォンと連動して出勤した社員が会社の玄関を入る際の認証で自分の机上のシステムと頭上の照明をオン/オフできる省エネモジュールを開発したスタートアップもある。
考え方によってはこれらを統合するプラットフォームとして、このインテル製のSTBが家内の必需品となる可能性は十分にあるのだ。この先数年というわけにはいかないだろうが、10年先には間違いなく、ここに家庭医療や教育といった部分も統合されてくるだろう。この10年、20年先を見越しての壮大な事業構想をもち、それをきちんと実践するところがアメリカのIT系大企業の凄いところだ。残念ながら既得権に胡坐をかいて未だに受信メイルを秘書にプリントアウトさせているような役員が多数いるであろう今の日本の大企業からは、このような凄さというか迫力は全く感じられない…。
実は、この新しい市場はハードウェア面からみるとすでに確立された技術の応用が中心でマネタイズするのは少し難しいかもしれない。しかしながら、ハードウェア生産需要の増加に伴い、その需要によってインテルのような素晴らしい里親(前々回の記事参照)にうまくADOPTされれば日本の中小企業も既存の優れた技術を駆使できる可能性もあるし、また独自にこの新しいネットワークから生まれる省エネ市場への参入の可能性も今の日本の中小企業の技術力をもってすれば十分にあると思う。こんなところに大いに期待してみたいし、是非少しでも考えてみてもらえたらと思う。

 

 

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食品製造業が熱い!

先週はサンディエゴに出張。途中LAにて知り合いでファクトリーオートメーションを手掛けている知り合いとランチを共にした。話の中で、1年ぐらい前から日系の食品製会社からのライン増設に伴うひきあいが増えているという。これにはどうも円高が大きく関係しているらしい。昨今ではIT産業で話題に上ることが多いアメリカの経済界だが、実は農業大国として未だに大豆、トウモロコシ、小麦等々の一大生産国だ。日本の大手食料品メーカーは、これらを原材料として日本(もしくはアジアの工場?)に輸入してそれを食品に加工していたのだが、円高のメリットをさらに生かすために原材料をアメリカで加工し製品としてアメリカ国内の販売や日本、アジアへの輸出に充てるスタイルを強化しているとのことだ。確かに加工費の高い日本での加工や原材料の出荷コストと時間もかかるアジアでの生産の価格的なメリット分が25%もの円高によって減少している状況を見ると、なるほど非常に納得がいく。実際にカップラーメンを製造する東洋水産や、日清食品はアメリカでも人件費が高いといわれているカリフォルニアのLA近郊に10ライン近い大工場を所有しカップラーメンを量産している。アメリカで販売されているこれらメーカーのカップヌードルは殆どがMAME IN USAだ。
また日本酒の製造メーカーである月桂冠や大関、宝酒造もカリフォルニア米を使用した酒造りを強化し、米国や南米への輸出を行っている。そのほか、KAGOMEや、MIZUKAN、KIKKOMAN,CALBEE等々、日本でも有名な各メーカーはその製造で非常に景気がいい。
さてさて、このような需要にはやはり高度な技術と信頼性のある日本のFACTORY AUTOMATIONが不可欠に思われるのだが、意外とこの分野での日系メーカーの進出は少ないようだ。そんな関係から知り合いは、かなり日本とも連携すべく奔走しているそうだが、なかなか供給が間に合っていない状況だという。その大きな理由はやはり食品関係ということで、その基準の違いや衛生上の規制におけるためらいがあるのだという。確かに日本の厚生省(いまもそうですか?)にあたるアメリカのFDAには訴訟大国のアメリカならではのかなり厳しい基準があるようだが、この基準、自分も実際にかつて飲食店の設備を手掛けていた関係で感じた事は思ったより複雑ではないということだ。逆に日本のほうが規制が厳しい(たとえばアメリカで一般に販売されているBBQグリルは日本には食品に触れるということで特殊は許可と承認がなければ個人輸入もできない。)ということを考えるとアメリカのほうが、考えようによっては最初の敷居を超えてしまえば案外簡単に行きそうな気がする(勿論きちんとした事前調査は必要になるかと思うが)。また食品製造ラインといってもその中には検査、洗浄、計量、梱包、充填といった数多くのプロセスがあり、これらを個別に考えてもがんじがらめの規制に縛られているということはないのではかと思う。自分自身の経験でもあるのだが、よく日本のメーカーに「御社の製品をアメリカで販売したい」と持ちかけた際、「いや、うちの製品はUL(電機製品規格)やOSHA(労働安全衛生)の規格に準じてないから」という話を返されることが多いが一般的にULは消費者向けの電気製品のの規格であり、工業製品や製造設備には適用されていないということがわかっていなかったりする。どうしても訴訟大国というイメージが強すぎるのかも知れない。いづれにしてもしゃんすは多分にありそうだ。我は!と思う会社はぜひそのあたりのリサーチからスタートしてみてはいかがなものか?かなり大きな需要があるのだ。もしかしたら、このビジネスだと円高は逆風だが、それにも勝る大商いができるかも知れない。

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