Archive for 04/01/2010

デザインの重要性を真剣に考えないと!

アメリカに来た当時、昔から大好きだったアメリカのアンティーク、正確に言うとアンティークの定義は100年以上前のものの総称だそうで、時代が無いものはコレクティブルアイテムとかメモラビリアと呼ぶのが正しいのだが、自分は特に40年代のアートデコ(日本ではアールデコ)と50’sメモラビリアの収集に精を出していた。当時はE-BAYなど無いから、本当にフリーマーケットに出でかけたり、アンティークショップを頻繁に訪問したりして足で収集していた。それもまた楽しい思い出となっているが今でも膨大なコレクションがそのままうちには残っている。そんな自分のコレクションの中でも特に意識して集めていたのは40~50年代のトランジスターになる前の真空管のラジオだ。

木材に変わって、プラスチックが開発され自在にデザインが形になった黎明期。もちろんプラスチックの材質は非常に限られたものだったが、さまざまなデザインのラジオたちが、たくさんのメーカーから販売された。RCA、PHILCO, ウェスティングハウス、GE、モトローラなどなどそうそうたる顔ぶれ。当時のアメリカは家電の先端王国。もちろんすべてMADE IN USA,そしてそれらがアメリカの国民の生活を本当に豊かにしていた。そんな時代を髣髴させる家電製品の数々、その中でも特にラジオはメーカーの多さでも群を抜いているが、上の写真を見ていただけるとわかるようにそのデザインの豊富さも一番で、未だにみていて飽きないばかりかコレクターの収集欲を常に刺激し続けている。自分はその愛くるしいというか温かみのある雰囲気も大好きだ。さて、なぜ、ラジオに限ってこんなにたくさんのデザインがあるのだろうか?それは簡単で、ラジオという製品自身が非常に単機能だからだ。電顕(スイッチ)とボリューム、そして周波数を合わせるチューナーがあれば当時のラジオは完成だ。なので、その単機能の商品を販売するためには、単に価格競争にしてしまうのではなく各社独自の個性を出すために外見に非常に注力を注いだ結果が、このように膨大なデザインのらラジオを世に残したのだ。
さて、アップルの隆盛をみると、其処には一貫してデザイン重視のマーケティング戦略がある。若者の心を刺激するシンプルなデザイン、持つだけで優越感を感じられるスタイルの素晴らしさは本当に群を抜いているのは皆さんも感じられているとおりだと思う。こんな戦略を最先端の技術開発と併せて展開しているところもにアップルの圧倒的な強さがあると思うのだが(今回のI-PADも既に先行予約が凄いらしい)、それに比べて日本の家電製品、とくにTVはどうしてあんなに無個性で同じようなデザインなのか実は常々思っていた。家電量販店に並んでるたくさんの薄型TV たち、そのフロントパネルの下についている会社名を隠したら、どのTVがどのメーカー製かを判断できる人は皆無だと思う。もちろん最近はHOT STAMPなどの技法でカラーをグラデーションにしたりしているメーカーもあるが、外見はほとんど単一的だ。
TV自身の機能を考えたとき、それ自身は既に行き着くところまで来ている感がある。つまり画質のよしあしなどは誰が作ってもそれほど変化のないレベルになっていると思う。3Dやスカイプなどの機能追加。またLEDバックライトの採用などのハード的な違いはあるがTVに必要な機能自身に大きな違いはない。もちろん画面という一番重要でその製品の面積のほとんどを占めるものがある事による制約も大きいとは思うのだが、この状態では単に価格だけでTVを買っていく消費者がほとんどになると思う、というか既にそうなっているのが現状だ。残念ながら、このデザインという領域は日本の家電メーカーのもっとも苦手な部分であるとは思うのだが、思うのは今こそ、かつてのラジオのように一社ぐらいは斬新なデザイン、度肝を抜くようなアイデアのTVを作ってみてくれないものか?ということだ。宇宙時代をテーマにした映画によく出てきた(と思う)球形のTVは無理にしても、何か新しい発想でTVのイメージを変えてしまうような会社がなんとか日本のメーカーから出てくれないものか。
そんなことを最近、自分のコレクションを眺めながら、よく考えるようになった。それは、既にLG、SAMSUNGの韓国勢のTVが、この領域でも一歩以上先を走っているということもあり、このデザインの重要性という事を本当に真剣に考えていかないと日本のTVメーカーが今後も継続して存続する手段は無いような気がして仕方がないからだと思う。

ー追記ー
ちょうどこのブログを書き始めた後、シャープの新製品QUATTRONのCMを見た。
スタートレックの名俳優ジョージタケイさんを起用した非常にコミカルなCM.そしてTV自身のデザインも普通のスクェアでは無く、ラウンドエッジシェープの結構斬新なスタイル。そしてシルバーのトリムラインもなかなか良い感じ。と思ったけれど、よ~く見ると
「これってI-phone????」
実はお付き合いのある成型品メーカーにお邪魔した際にシャープの新製品は「I-PHONEに似たデザインだよ。」と聞かされていたのだが、ここまで似てるとは…。I-phoneをここまで意識してしまったら、少しも目の付けどころがシャープじゃないではないか・・・。でもでも、このくらい大胆にデザインを変更してみるという志は素晴らしい!日本の他メーカーもどんどん追従して「TVデザイン競争が勃発!」なんて嬉しいニュースが一日も早くネットや新聞紙上をにぎわしてくれたらいいな~!

 

 

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