Archive for 08/06/2009

クロームOS開発にみるGOOGLEの野望

7月半ばに発表されたGOOGLEのクロームOS開発のニュースは果たしてどんなインパクトがあったのだろうか?「GOOGLEよ、お前もか」的な見方を大半の人が感じたとは思うが、これはまさしく帝王マイクロソフトへの挑戦だというイメージがものすごく強いのではないかと思う。自分は情けないことにPCには疎いし、クロームOS自身がどんなものなのかも殆どわかっていないので、そのニュースのインパクトだけでグーグルのOS開発という戦略を理解している部分があるが、タイミングよくGOOGLEの先輩I氏とGOOGLEのキャンパスでランチを取る機会があったので(いやあ、相変わらず全て無料のカフェでのオルガニックなランチは、極端な話、この不景気を微塵も感じさせない別世界での一時だった)、色々聞いてみた。勿論、その先輩も直接このプロジェクトに参加しているわけではないので、細かいところまでは聞けなかったが、 はっきり言って驚いたというか感嘆した。なぜかというとその開発のコンセプトと目指すところが非常に単純でわかりやすかったからだ。
 クロームOSは、特に技術者系の友人達のコメントを聞くと、昨年発表した携帯端末向けOSである「アンドロイド」と同じものではないのか?とか、それぞれのOSをどこで区別するのか?とか、別々にOSを開発する意味があるのか?とか技術的な側面から推測される考察が多かったのだが、自分のような文系人間にはそのような側面からの意見は正直言ってよくわからない。そんなことより、このクロームOSのキャラクターが理解できればいいな~と思っていたのだが、そのキャラクターをI氏は見事に説明してくれた。
 I氏曰く、クロームOSの目指すところはテレビの機能とプログラムだという。テレビ自身は基本的にプログラム(ソフト)を持っていない。放送局から配信される番組を受信して映し出す受信機だ。スイッチを入れれば瞬時に画面が現れ、老若男女を問わず簡単に操作ができ、見たい番組をセレクトすることができる。単純化された操作方法は取り説をみたり専門書を読んだり教室に通わなくとも、ほとんどの人が使いこなせる。こんなテレビのキャラクターをクロームOSによって実現させる事が、このプロジェクトの開発目標なのだそうだ。
 非常にわかりやすくないか?まず既に巨大なデータセンター(TVで言えば放送局)を世界中に確保している同社にとってはクラウドコンピューティングの為のホスト環境の構築はたやすい作業であり、このOSに特化したネットブックタイプのPCを安価で販売(すでに年内には発売される可能性あり??)、し、OSによって非常に単純な操作で必要な機能を全てネットワークを通じで利用でき、おまけにテレビのように電源を入れたらすぐに使用できる(開発チームは、よっぽど今のPCの立ち上がりのモタモタに不満があるらしく。この部分にかなりこだわり、スイッチオンから5秒以内に操作ができることを目標としているそうだ)。そんなテレビ感覚のPCと操作を可能にするOSがクロームなのだそうだ。
 この話を聞いて感嘆すると同時にいろいろと考えてみた。これは現状のマイクロソフトOSの使えないところや、だめなところをその反面教師でもって改善し、具体化することで比較的簡単にそのアイデアとゴールを設定することができたのではないか?あれだけ強大なシェアをもつマイクロソフトOSだから、その使いにくさや要望だけをまとめても、それは世界のユーザー共通の不満であり、その部分を改善し具体化するということで簡単に(勿論作業は単純ではないと思うが)、アーキテクチャーを構築できたのではないか? そして、既にハードの部分ではその大規模データセンターの構築で培われた技術でセキュリティの問題などをクリアできるだけのノウハウも持ち合わせているので、これらの組み合わせにより、GOOGLEこそが、より精錬されスマートな新しいOSのスタイルを作り上げていけるのではないかと。
 マイクロソフトは既に肥大化し肥満の体をゆさゆさとゆすりながらやっとのことで動いている感がある。そしてグラフィックスや通信などトレンドの機能を追加しようとしてもベースのアーキテクチャーゆえか、その完成度はVISTAの惨状を見るまでもなく、決してユーザーフレンドリーとはいえない。以前、このブログでも紹介した中島聡さんの「おもてなしの経営学」にそのあたりの内部事情が詳しく書かれているが、マイクロソフトのTOPエンジニアでもあった中島さんが感じた事を、新興勢力であるGOOGLEが具象化しているのが非常に興味深い。そう考えるとGOOGLEとしては、別にOSの分野で「マイクロソフトに挑戦とが、その牙城を切り崩すことに燃えている」のではなく、最初から相手にもしていないのではないか?という気さえもしてくる。なぜならソフトの販売で成り立ってきたマイクロソフトには新しい時代を担うであろうクラウドコンピューティングをつかさどるインフラも構築できていないのだから。実はこの部分がもっとも大変で莫大な資金を擁し加えて莫大な時間も費やさなければならないことをGOOGLEは既に見越した上で、今回のOS開発の発表をしたのだろう(勿論私の意見ですが。。。)。 
 マイクロソフトは最近YAHOOとの提携を発表し、ネット広告分野においてGOOGLEに追従する姿勢を明確化にしたが、これもGOOGLEから見れば、像が尻尾でしつこく付きまとう虻を払いのけているようにしか見えてこないのは私だけだろうか? 勿論GOOGLEにしても、この新しいOSを使用しての収入源の根幹は広告収入ではあると思われるが、それがより個人向けに細分化されて、さらに、携帯OSであるアンドロイドと対になってOUTDOORでもINDOORでも確実に利益を確保できる流れを作り上げていくスタイルの確立が彼らの最終的なGOALであるような気がする。もちろん、その広告を得るための万人にメリットのある様々なコンテンツ(MENU?チャンネル?)の開発も間違いなくユーザーフレンドリーが前提で行われていくのであろう。こう考えてみるとGOOGLEの野望はさらに高いところにあると思えてならない。

 ここでふと思い出したのだが、90年代の中頃、ネットワークの将来性が見えてきた時代に、当時ネットワークで

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