Archive for 03/29/2009

この現状だからこそできる事があるはずだ!

先週末になるが、大阪でオフィス家具製作の工場を元気いっぱい切り盛りしているIさんとお会いした。今回は2泊4日の強行軍でシリコンバレーに出張。何とか顔だけでも拝見できればと思い、日曜日のブランチにお誘いした。Iさんは、常に非常に客観的なものの見方と独自の分析力から今の日本の製造業の実態を把握されていると思う。そんなIさんのお話を伺うことで普段はまったく見えてこない本当の姿の日本の中小企業の実態を垣間見ることができる気がする。
 今回は昨今の景気の話に始まり、そこにある製造業の現状と、その行く末はどうなるのかという話、そしてこの現状だからできる事は何かという話で、かなり勉強になった。そして色々考えさせられた。製造業の行く末と言う話は、また別の機会に紹介するとして、まず、現在の日本の中小企業を中心とした製造業の現状については、ご存知の通り壊滅的な打撃を受けており、中京地区の自動車関連の下請け企業(あえて下請けという言葉を使わせてもらおう)の現状を見るまでもなく、その状況は全国的にかなり深刻だと言う。そんな中、事業主が口をそろえていうのは「今は我慢の時期だから、何とかこの場をしのいで、景気が上向きになったら、また頑張りたい」ということで、この時期をうまく利用して何とか活路を見出して生きたいという意見はほとんど聞けないらしい。これは今まで攻めの営業や事業展開をすることなく、単に下請けと言う状況で常にメーカーから入ってくる仕事で十分なレベニューを得る事ができたが故に、不況時の凌ぎ方はこれしかない。と言う認識が根底にあるからかもしれないが、この先はそうとばかりは言えないのではないかという気持ちが私の中では非常に強い。
 実際Iさんの会社も製造メーカーとしては中小のサイズで主な製品もオフィス家具なので、この不況の影響をまともに受けているのだが、彼は、ここを好機と位置づけ、景気のいい時は忙しすぎて手が回らなかった様々な試みをスタートしたと言う。その例として、まずコストの軽減を実施すべく、全ての仕入先の見直しを徹底的に行ったそうだ。現状は喉から手が出るほど仕事が必要な製造メーカーが巷には溢れているので、極端なことをいえば幾らでもコストダウンができる感じを受けたそうだ。そしてIさんは、その価格のメリットと自社の持つ優れた品質を武器に、今まで参入が難しかった業種や、日々の生産に追われ、なかなか業者選定の見直しまで余裕がなかった大手メーカーへのアプローチを再開し、量は望めないものの非常に力強い感触を得ているという。これがまさに今の状況を最大限に活用し、次のチャンスへつなげるための処方箋ではないかという思いがした。同じような話を日本のTVでも見たのだが日本の大手家電メーカーであるK’S電機は景気のいいときには一切事業や店舗の拡大を行わず、景気の低迷したときを利用して店舗展開を行うという。そのほうが収益の減退以上にコストを軽減できるからだそうだ。逆転の発想が会社の発展に大きく寄与している端的な例だと思う。この前のエントリーにも紹介したが、シリコンバレーの製造メーカーでも半導体産業に依存し、その景気の動向によって不景気になるとじっと耐え忍んで生きながらえるか、そのまま死滅してしまうところもあれば、ソーラーや新しい産業に積極的に営業を展開し、現状をしのぐばかりか、将来的な拡張へ確実に前進しているところもある。残念ながら日本の製造業の場合は下請けと言う極端に営業力が脆弱なスタイルが主流である為に、この現状を逆転の発想で乗り切り将来につなげられる事が難しい可能性が高いのが現状だが、Iさん(本当に勉強になりました。ありがとうございます)のような経営者が中心になって、この現状を逆にうまく利用し、それを乗り切るだけでなく将来の発展につなげる活動や試みが、もっともっと盛んにならないものかと考えさせられてしまうが、かく言う私も、そのような視点でできる事を積極的に考えてみたい。

 

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次世代産業のトレンドもシリコンバレーから!?

 最近そんな胎動が聞こえてき始めた気がする。ここシリコンバレーはご存じのように70年代の半導体に始まり、その後80年代にはPCやオフコン(そういえば今日IBMによるSUN買収の話が流れていた)、そして90年代にはITとそれぞれの時代のトレンドリーダーとして君臨している地域で流れ的には次世代トレンドも、またこの地からというのは不思議ではない話しだ。ただ今回の不況においては、その兆候というものが全く見えないままに2007年の暮れに始まったサブプライム問題に端を発してあれよあれよという間に半導体を中心としたシリコンバレーの基幹産業も深刻な事態に陥ってしまい今日に至っている。シリコンバレーの中心ともいえるサンタクララにあるインテル本社のまわりにあれだけ空き事務所の看板が乱立しているのも、その不況の深刻さを物語っているような感じだ。今回の不況の始まりを一昨年の12月とすればすでに16か月を経過し、アメリカの歴史の中でも最も長い不況になりつつある。
 しかしながら、オバマ大統領による「グリーンエンジニアリング」のよびかけに呼応するかのように、今まで少しづつ芽を吹いていたエコ関連の様々なビジネスが、この地で着実に動き始めていることを最近訪問した韓国系の金属加工工場で目の当たりにした。日本で言ったら本当に町工場のような加工メーカーや板金メーカーが実はこの地には数百社あり、先端産業の下支えになっていることは折にふれて書いているが、この知り合いの会社も元々は半導体製造装置メーカーやHDメーカーを相手に商売をしていて、昨年は会社の存続も危ぶまれるぐらいどん底の状態だったのに、年末あたりからぽつぽつとソーラー関連のスタートアップからの受注が増え始め、現在はフル稼働の状態だという。聞けば既に40社以上のソーラー関連会社がここにはあるとの事。それが、新たに国からの援助を受けることができること、そして何より、不況のあおりを受け、大手メーカーをレイオフされた優秀な人材をリーズナブルに採用できる点など、多くのアドバンテージを持って一挙に拡大する機運が高まっている雰囲気が強く感じられた。そういえば、かつてはこの展示会から産業のコメである半導体のトレンドが始まるといわれ、世界中から多くの人々を集めていたセミコンウェスト。昨年は本来の半導体会場は閑散としているにも関わらず、併設していたソーラー関連の会場はあふれんばかりの人で賑わっていたという話を思い出した。すでに当時から、その兆候は始まっていたのだろう。今年はSHOW全体の割合をソーラー関連にさらにウェイトをおくとの話も出ているらしい。
 さて、ソーラーは氷山の一角であって、すでにそれ以外のエコ関連の数々のスタートアップも、間違いなくこの地での活動を拡大しつつあると思われる。正確にはわからないが少なくとも51%以上の資本金をアメリカ企業(もしくは個人)がもつ、この手の産業関連の会社を設立すれば、優先的に公的資金の援助を受ける可能性も十分にあるわけで、既にそのあたりに着目した目ざとい韓国、台湾、中国系の企業の設立も増えているらしい。 
 そんな状況に加え、私自身が何より、この地がエコ関連の次世代産業のトレンドリーダーになると思う理由は、その風土にある。ご存じの通り、シリコンバレーの突端にあるサンフランシスコは、60年代後半にヒッピー文化の聖地として世界中から若者たちを引き寄せた。ヒッピーの主張、概念は、反体制、反社会、そして自然回帰だ。自然回帰、まさにエコに通じるこの文化に洗礼を受けた多くの若者がこの地には多くとどまって、ある意味シリコンバレーの隆盛の一端をになってきたような気もする。APPLEの創始者であるスティーブジョブスも極論すれば、この流れに通じる体制にとらわれない独自の発想と行動で時代を席捲する商品を作り上げてきたと思う。
 そして、ちょうど団塊の世代を迎えたこの世代の人々が、シリコンバレーの中枢をになうVCや組織の中には多数存在し、その子息たちもこの地の第一線で活躍中だ。そんな環境だからエコ(グリーンテクノロジー)に対しては本能的に順応でき、積極的に取り組むことにも何ら抵抗はないと思う。先ごろ(昨日?)プラスチックの買い物袋の使用禁止を市条例で決定したパロアルト(スタンフォード大学があるシリコンバレーでは有名な市)の決議は、この典型的な例であると思うし、こんなに多くのプリウスをシリコンバレーで見かけるのは単に燃費がいいからという理由だけではない気もする。
 そんなわけで刷り込みが既に十分されている人々がまだ多く活躍しているこの地は(もちろん大多数はそうでない人々だとは思うが)、エコを中心とした次世代産業のトレンドリーダーになる事は間違いないと思うのだ。

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電池とモーター

 自動車業界の不況は本当に深刻だ。電装品を自動車メーカーに納品している協力会社の多くが一時帰休や週休3日(会社によっては4日)といったシフトを引いたり、本格的にワークシェアリングを実施したりしている。日本の自動車メーカーを中心に看板方式が普通になっている関係で製品を作り込んでおくことができないので、このような極端な状況になっているのだと思う。
 さて、あまりにも体たらくなGMやクライスラーも公的資金の援助をうけることで、もう「マーケットが大型トラックを欲しがってたから」という訳のわからない理由で燃費の悪い自動車を作り続けることができなくなり、公約にも明記されているようなハイブリッド、電気自動車の生産という部分にも今後は力を注いでいかなければならないのだが、ご存知の通り、この分野では群を抜いて製品を市場に送り出しているTOYOTAやHONDAの生産を支えている日本の電装品メーカー各社は、そういう意味では、既存の顧客以外に、新規でビッグスリーの新規事業のインフラをつかさどる可能性が出てきた点、今後は明るい未来が見えてきそうな期待は大きいと思う。
 ところで、このような次世代の自動車をつかさどる技術は集約すると、その基幹部品となる電池とモーターになるのではないかと思われる。ご存知のように電池とモーターは日本が圧倒的なシェアを握っている分野だ。電池でいえば松下やSONY、そして大御所であるSANYO、モーターでいえばオリエンタル等々、日本の独断場であるといっても決して過言ではないだろう。ただ、少しばかり危惧する点は、このような技術が将来的にも日本の独断場でありえることができるかと言うことだ。かつては液晶もメモリーも、すべて日本の独断場だった。これが瞬く間に韓国や台湾、はたまた中国にイニシアティブを奪われていった。将来的には益々の需要がみこまれる電池とモーター。これが同じように他国に主導権を握られてしまう事だけはなんとしても避けてもらいたい気がする。特に日本の真骨頂である自動車業界においてはなおさらの事に感じてしまう。そのために自分ができることがないかと考えてしまうのだが、残念ながら今はこの先の状況と変化を見守る以外に術はないのかも。。。とにかくなんとしても電池とモーターのメーカーはイニシアティブを死守してもらいたいものだ。

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