Archive for 12/02/2007

TECHWELL小里社長の講演会を聴いて

11月28日に、半導体メーカーTECHWELLの小里社長の講演会を聴いた。小里社長には、かつて起業家支援の活動をしていた際にお世話になったことがある。この小里社長率いるTECHWELLは、単独でアメリカで起業した日本人社長として初めてNASADAQ上場を果たす、という快挙を成し遂げた会社だ。その小里社長が起業からNASADAQ上場までの話をしてくれた。
もともと日系企業の半導体部門の営業担当から会社の融通の無さと報酬への疑問から起業にいたった経緯や、会社の運営を通して上場までの流れを非常に端的に説明してくれた、その話の中で特に興味をもったのは、会社の経営と上場へのプロセスにおいて、超優秀な人材の確保とそれをマネジメントするチームワークがいかに重要かという事。加えてそのマネジメントにおいてメンタルな部分では同じ志を持ちその目標達成に向けては”頑張るという根性”が重要であるという点だった。ともすれば個性が強くなりがちな秀才エンジニア達を”同じ志と根性”という点で纏め上げていくというのはある意味非常に独特ではあるが一番基本的なことではないかという感じがした。もちろん、そのまとまりの背景にはストックオプションというインセンティブがあることは否めないが、かれら秀才エンジニアたちの手によって確実に売れる商品を開発し、短期間で製品化していくという方法で、上場を達成したのだからものすごく説得力がある。
もうひとつは、日本人の社長でありながら、日本からの投資を最初から一切期待せず、海外、特に台湾、韓国といったエリアからの資金調達を中心にしている点、併せて製品も日本よりは先にアジアやヨーロッパのマーケットを中心に販売展開していたという点だ。小里社長自身が今までの会社員の経験で、日本企業の融通の利かなさや物事の決断に時間がかかりすぎる点などを重々理解してのポリシーだと思うが、私自身も常々主張している内容と方向性が同じだったので興味深かった。
投資に関してのコメントで”日本の投資家は会社員であるからリスクを負うはずがない”と断言されている点など非常に共感がもてた。私自身は残念ながらというか、投資にはまったく無縁で会社を運営しているので生意気なことはもちろんいえないが、アメリカの会社の動きのダイナミックな部分との比較を考えれば、その最初の重要なポイントである資金調達という点で、既に日本とアメリカでは歴然とした差があることを感じざるをえなかった。

こちらにいる日本人の起業家達は残念ながらその安易さ(だと思うが)ゆえに日本の市場を最優先にしたり、日本からの投資を期待したり、はたまた日本の政府関係のインフラに何とか付込んで、ビジネスの展開をしようと、してしまったりする傾向が高いのではないかと思う。かく言う私もアメリカにある日系メーカーを相手に商売しているのだが、ホンキで上場を考えたりするのであれば、まず日本との関係という概念を最初から払拭するとが先ず重要なのではないかとつくづく感じてしまった次第である。

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