Archive for 03/30/2007

原産地詐称事件ーその2ー

今回の事件では本当にいろいろなことを学んだ。一番恐ろしいのは自分の無知もさることながら、気がつかないような些細な問題が会社の存続をも危ぶま せる大問題に発展するということだ。とくに貿易という、考えようによっては誰でも手軽に始められそうなビジネスにも非常に危険に満ちている。今回学んだことを少しまとめてみる。
1.原産地の基準
原産地の定義というのはある意味非常に理路整然としているようでそうではないことがわかった。具体的に言うと国によって基準が違うということだ。たとえば今回の場合、一応この韓国の業者を信用するとしてこの業者は中国製の靴底を使用したけれども他の部材と実際の組み立ては韓国で行ったのだから韓国製だと主張した。調べてみるとどこを原産地 とするかは使用されている材料の原産国のパーセンテジで決められるのが一般的らしい。ただしこれも国によってある程度の違いがあるとの事。あと必ず製品に 原産国が明示されておることが条件。今回の場合この軽率な韓国メーカーはメイドインCHINAと書かれた靴底をペンキで隠しその上にKOREAのシールを つけていたらしい。これでは詐称と言われても仕方が無い。
2.商品の確認
輸出される商品は必ず自分で確認、もしくは明確な原産地証明(今回のような例外もあるが)を事前に入手することが必要だ。まあ基本的なことだがこれを怠る と今回のような大問題に発展しかねない。以前にあったことだが、メキシコの顧客よりデジタルカメラの購入を依頼され、日本の家電量販店でカ○オ製のものを 購入。いざ出荷の準備をしていて本体をみたら何とMADE IN CHINAだった。またある商品を日本から購入した商品本体は日本製だったのだが、付属の電源ケーブルは中国製だった。などということはよくある話であ る。このあたりにも、もう少し慎重になる必要がある。
3.国による関税の違い
当たり前のことだが国によって関税率は異なる。同じ商品でもしかりである。メキシコの場合とくに皮製品、衣類に関しては中国製に対し309%という重税を 掛けている。この税金は全て輸入元負担になるために知らなかったということは許されない。勿論アメリカはこんなことは無い。商品を仕入れる際には最終の納 品地を明確にし、その国の税制をきちんと確認することが必要だ。
4.メキシコ税関
勿論税関の対応はそれぞれの国によって異なる。メキシコの場合も公の組織であるから基本的には全て法規に基づいたプロセスによってこのような問題の処理が 行われる。正直なところ、このような問題が無ければ具体的に何かが発生した場合のプロセスを把握することはむずかしい。ただプロセスをある程度把握するこ とによって、どのように手を打てばいいのかが見えてくる。残念なことはメキシコ税関は一筋縄でいかないことが往々にあることを十分に理解する必要があると いうことだ。露骨な隘路の要求などがその典型的な例だ。
加えてメキシコ人の気質として、かつてスペインの侵略を受けたという歴史的背景から、上からの圧力には徹底的に抵抗するらしい。政治を使ったアクションもある意味重要かもしれないが、このような事情のために慎重を要する。
5.負担費用
まず中国製にかかる重加算税はなんと309%である。$5,000の商品には$15,450の税金がかかる。加えてこのような問題が発覚した場合、基本的 にはその商品だけでなく商品の運搬した車ごと拘束されるのが一般的だ。その車の保管料(これは車の持ち主に払われる)の負担が生じる。通常一日$100程 度らしいのだが、その車のサイズと実際の損害(車の稼動に対する費用)に応じて決定されてしまう。弊社の場合は一日$300だった。平均するとひと月 $7,000.恐ろしい金額である。これらの費用にくわえ税関での罰金、これは商品価格の70%だそうだが勿論、罪の内容によって異なるらしい。さらに弁 護士が介入した場合にはその費用も加算される。概算で考えると商品価格の10倍は覚悟する必要がある。

以上が今回の教訓であるが、これに加えて自分自身の精神的負担が必要だ。わたしも3月に入ってからは真剣に会社の清算までをも視野に入れていた。そ れほど精神的にきついものがあった。このような思いは2度としたくない。そのためには上記の内容を踏まえた上で、むやみやたらに商品の販売をするのではな く商品と取引先の十分な調査は最低限実施、そして慎重に、かつ正確に納品までのプロセスを進めるための最低限の知識をきちんと身につけておくことが必須と いうことを再確認した。
今回の勉強代を無駄にしないよう心がけていきたい。

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原産地詐称事件ーその1ー

大分久しぶりの投稿になってしまった。実は発生以来なんと4ヵ月半かかって、ようやく巻き込まれていた原産地詐称事件が解決した。12月27日の投稿に少し触れたのだが、ここでもう一度状況の詳細を振り返ってみたい。
2006年11月
11月9日韓国から輸入してメキシコへ出荷した商品がメキシコの税関で原産地詐称の罪で差し押さえされ、そのまま商品である特殊な安全靴110足とその運 搬をしていた車(VAN)ごと拘束された。、韓国から出荷された靴は韓国で生産されたという原産地証明も添付されていたのだが、なんと靴底に中国製を使 用、そのためその靴底をみた税関が中国製を偽って輸入しようとしたと判断。韓国のメーカーは確かに中国製の靴底を使用したが組み立ては全て韓国で行ったの で韓国製で問題ないという主張..。この通関をしようとした通関業者と最終輸入元である弊社の顧客が矢面に立たされた。
まったく寝耳に水の出来事。製品は韓国から直接インボンドという方法でアメリカを経由しメキシコに輸入する方法をとったので弊社ではまったく内容を確認できずに添付された書類だけを信用せざるを得なかったのが現状だ。
10日に輸入元である弊社の顧客より取引停止の通達を受ける。弊社は窓口である運送会社を通じ、状況の説明と謝罪文、および韓国メーカーからの説明文を提出。
運送会社からは車の拘束に対し、一日当たり$300の保管料支払いを要求される。
その後2週間ほど動きなし。月末になり運送業者から商品は中国製と認定されたために最初に提出されたインボイス価格の$65を中国製として$50に変えて提出するように要請をうけ差し替えのインボイスを提出。
2006年12月
インボイス提出後、こちらからは毎日のように確認の依頼をするが「おって沙汰を待て」の返事。
そのまま年末を迎える。
2007年1月
正月明けから同じく確認を依頼するがまったく進展なし。
車の保管料は2006年分2ヶ月で$13,000となる。この費用と先払いしたペナルティの$17,000の支払いを要求される。
2007年2月
あまりにも動きが無いために実際に税関との窓口になっている通関業者を訪問し、同社社長と会見。
税関への直接面談を要求。2月8日この面談が実現し、弊社スタッフと、通関業者社長を交え、税関副所長と税関スタッフと面談。状況の説明と謝罪をする。そ の際、税関担当より速やかに審議を進めるとの話あり。しかしながらその後また2週間何の音沙汰も無く過ぎる。その後、あまりにも動きが無いために数回通関 業者を訪問するが、返事はいつも同じ。26日に通関業者より税関にてすぐにリリースするためのアンダーマネーの要求があるとの話を受ける。恥ずかしい話だ がどうしようもない状態だったために要求の$3,000を支払う。
2007年3月
$3,000の効果もむなしく相変わらず進展なし。
そして、税関所長が人事で入れ替わり1日から新しい所長が赴任したとの報告を受ける。3月に入ってからは連日弊社スタッフ、また私自身がティファナにいる ときには朝と晩必ず通関業者に立ち寄りPUSHと状況の確認をするも、税関サイドは毎回、「翌日の10時に来い、夕方の5時に来い」と言われるだけで動き は同じ。このような事を10回以上くりかえす。
業を煮やしたので通関業者社長に新税関署長との面談を要求。これが実現し9日に弊社スタッフと通関業者社長を交えての面談が行われる。そのさい通関所長より速やかに対応する旨を確認。
しかしながらその後も動きはまったく同じ。2週間ほど私も連日税関にかよい、そのつど1時間以上待たされて返事は「明日来い」といつも同じ。
3月23日に再度通関業者社長に税関との面談を要求。そのご同社長より「税関所長と面談し来週にはリリースされるだろう」との話あり。しかしながら何度もだまされてきたので私は半ば諦めて月々の保管料支払いの重圧もあり会社の清算をも視野に入れた対策の検討に入る。
26日からは弊社スタッフと通関業者スタッフが日参。そしてようやく28日夕刻にドキュメントがと車がリリースされた。しかしながらなぜ、これだけ長期にわたり拘束が続いたかの具体的な説明は無しだった。

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