Archive for SALES&MARKETING

試作ビジネスなら可能性があると思う前に

スミマセン!夏以降かなり忙しく、ついつい前回から2か月がたってしまいました…^^;;

9月にはいって以降、日本の行政関係の皆さんと会う機会が何度かあった。
「グローバル化」というのが一つのバズワードになっていて、特にシリコンバレーはその格好の訪問先という事で、かなりの頻度で多くの方々がまるで巡礼のように訪問されているようだか、特に地方行政の皆さんにもこの傾向が最近はあるようで、「話を聞きたい。」という依頼をよくいただく。
ただ各自希望していることは相変わらずで、ビジネスのマッチングや商談会の実現、有名企業訪問などなど…。
正直なところ、このような依頼に対しては「まずその前にすべきことが沢山あるでしょう」という理由で原則すべてお断りしている(「その前にやるべきこと」に関してはまた機会をみてまとめてみたいと思います)。
中には一度こちらに来ているものの、まったく学習もせずにまた同じような内容でシリコンバレーに視察名目で団体でやってくる中国地方の県や、商工会議所などもあり「経費は地元の皆さんの税金ではないの??」などと余計な心配もしてしまう今日この頃だ。

さて少し具体的な話になるが、特に中小町工場の視察で来られる団体の皆さんに、以前から良く聞かれることの一つに

「現状日本でも試作で成り立っている中小町工場は多く、各自が持つ”ものづくり”の優れた技術があれば、少量多品種の試作製造で十分アメリカにもビジネスがあるのでは?」

という相談がある。
最近のハードウェアブームにより、シリコンバレーにも多くの製品を手掛けるスタートアップがあり、彼らは巧みにキックスターターなどで資金を調達。ただそれを量産する術を知らず、お金は集めたものの製品化ができずにそのまま無くなってしまう会社が多いのは事実。このあたりの試作をスムーズに仕上げるために中小町工場のもつ技術を活かして製品化をバックアップする可能性は十分あると自分も思う。この件に関しては実は自分もその可能性を3年ちかく前にこのBLOGにも書いている(タイトルは「作品から製品にするアセットで再び世界から仕事が獲れないか?」)のだが、最近の状況から結論を言えば、

「そのまま自分たちの技術や製品を持ってきても無理だ」

という事だ。
理由は単純である。上記の前のBLOGにも同じようなことを書いているのだが、中小町工場の皆さんはそれぞれの分野においては特化した技術を持っているかもしれない。ただ、それらをまとめる機能が無ければ個々の部品が優れていても、市場に出せるような製品にはならないのだ。
例えば成形品の篏合は設計で決まるが、その内部に配線を回す、電子基板を取り付ける、といった場合、内部をどのようにデザインすればよいのか?電源などが入り放熱の必要がある場合やEMCの影響を抑えるには?等々、具体的にこれらの部品を総合的に設計し一つの製品としてデザイン性を損なわずにまとめ、さらには製造コストを抑えるプロセス構築ができるインテグレーターがいなければ、うまくいくとは思えない。
現状このような経験がある人(経験は豊富でなければならない)がキックスターターで資金集めをしているスタートアップに多いとは考えにくいので、ビジネスとしての可能性を考えるとしたら、このような機能を補うところまでのサポートをできるかどうかが重要になる。

このインテグレーターという機能、日本では部材の発注元であるメーカーがその役割を果たしていた。なので中小町工場は原則として頼まれたものさえ作っていればよかった。日本と同じようにアメリカのメーカーから部材の受注を取るという事であれば、勿論OKなのだが、スタートアップを相手にするのであれば、そうはいかない。
加えて重要なことは、ハードウェアスタートアップのが資金集めの為に制作したプロトタイプは作品であり、実際には、これを製品にしていかなければならない。つまり、10万円かけて製作した作品を製品とするためには、それを1万円以下で生産するための生産技術や製造技術も必要になってくるわけだ。このあたりのノウハウは間違いなく必須である。

残念ながら、以前から説明をしてきているのに、このインテグレーターの必要性を理解し、配置を考える行政の皆さんや、中小町工場のオーナーはあまりにも少ない。このあたりをすべて包括的にサポートできる体制があれば、試作ビジネスの可能性は大きいと思うのに…。

加えてインテグレーターだが、実は日本には、たくさんいると思う。大手で製品開発や設計に従事してきたOB達だ。日本の優れた製品で世界を席巻してきた先輩たちのリソースはかなりポテンシャルはあるはずで、もし本気でこの市場でグローバル展開を図りたいというのであれば、特に行政の皆さんには、是非、その活用を検討していただきたい。

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新陳代謝を意識する!

  自分の取引先に業務用マイクや、ヘッドセットで世界的にも有名なオーディオテクニカという会社がある。同社はもともとレコード針の専業メーカーだった。レコードプレーヤーが全盛だったころ、同社のレコード針は、かなりのシェアを誇っていたのだが、レコード針がどんなに優れていても、レコード盤にホコリがついていたりすると鮮明に音源を再現することはできない。そこで同社はレコードをきれいにするレコードクリーナーを独自開発。ブチルゴムを使用したこのクリーナーは非常に高い性能で音楽愛好者の標準となった。しかしながら時代の流れはレコードからCDが全盛に。残念ながらレコード針の需要はなくなってしまったが、このクリーナー技術で同社はあらゆるものの塵やホコリを取ることが可能なところに着目。当時需要が増えてきた液晶パネルの積層フィルムのクリーナーとして大型のクリーニング装置を開発。これが業界標準となり、現在ではフィルムやスクリーンの製造プロセスを中心に販売を展開、同社の事業の大きな柱となっている。

また自分の顧客であるPANASONICのメキシコ工場では、エレキギターで世界的に有名なFENDERのスピーカーシステムを生産している。かつては世界を風靡し、有名ミュージシャンの必携アイテムだった同社のギターもデジタル化の流れと、若者のバンド離れから売り上げは激減、かなりの苦境に立たされていたが、自社が持つピックアップのアンプ技術を利用し、カーオーディオの業界に参入、今はフォルクスワーゲンの車種に採用されるなど新分野での業績を伸ばしている。

 実は今回このような事を例としてここに挙げたのは、同じようなアクションで、躍進している「ものづくり」のスタートアップと出会ったからだ。東大阪にあるDGタカノは節水ノズルの専業メーカー。90%の水量を削減する驚異の節水ノズルで飛躍的に事業を拡大。わずか1年で10億円の売り上げをたたき出している。
 同社社長、高野さんの実家は東大阪にある町工場。同社は3代にわたってガス栓のコックだけを生産する専業メーカーだった。しかし無煙ロースターなどが主流になりガス栓の需要は激減。それでも残る需要に対してガス栓という安全性が重要視される製品ゆえ、1000分の3ミリという精度を具象化できる職人技が不可欠で細々とだが経営は続いていた。そのような状況のなか、高野さんとしては毛頭家業を継ぐ気はなく、大学卒業後は起業をめざしWEB制作会社を立ち上げた。そこに仕事を依頼してきた1号のお客が節水ノズルの会社だった。WEB制作を始めるに当たり、その商品をみた高野さんは「こんなものがこんな高く売れるんだ」と驚愕。これならうちの工場でいくらでも性能の良いものが作れると判断。現場を身近に見てきた彼は、さっそく試作をスタート。試行錯誤のうえ素晴らしい節水ノズルを作り上げる。これが同社のヒット商品であるBUBBLE90だ。空気と水を極限まで水量を制限しながら混合させて吐出させる技術は、まさに100分の3ミリの精度が確立できて初めて実現できるものだ。この技術をフル活用した構造で既に各国での特許を取得。昨年からアジアをはじめとした海外でもリサーチを続け、年内には本格的に水不足が深刻なカリフォルニアを起点に全米展開を計画している。

いままで多くの中小町工場のオーナーの皆さんと会ってきて感じる事の一つに、「何が特徴(売り)かわからない」というのがある。企業のWEBサイトを拝見しても「不可能を可能にします」「難加工ならお任せください」「ISO取得による優れた信頼性」「高品質、短納期、低価格」等々、ほとんどの会社が同じ言葉が並べているだけ。
これらは、はっきり言ってしまえば誰でもできている事で特徴でもなんでもないと思う。仮にこのような主張を継続しても問題ないというのならそれはそれでよし。ただグローバル化を意識するのであれば、これではダメだ。

新陳代謝という表現が先に挙げた例に的確かどうかはわからない。しかしながら、もしその気があるのなら、きっとどの会社も自社の持つ自身も気づいていないような優れた技術があるはずだと私は考えたい。何とか、それを見出し光を当てる事はできないか?それにはやはりマーケティングが非常に重要だと思うのだ(いつもここに帰結してしまう感があるけど…^^;;;)。そしてそれを発見する事が先ず新陳代謝の第一歩だ。

これからの生き残りには、この新陳代謝がきっと不可欠になるだろう。そのためには、今皆さんが得意だと思っている技術も対応も品質も殆どアドバンテージはないということを理解することが非常に重要だと思う。特にグローバル化に関してはこの理解が肝心。例えばシリコンバレーには、試作に特化した中小町工場が数千社あり、自社製品を除いて、皆さんが自慢げに語っている「ものづくり」や「匠の技」の類は殆どこちらにあると思って間違いない。
必要なのは、そのような状況を踏まえたうえで新たに考え方や体質を変えていく志だと思う。先の例のように、自分たちが今製造して客先に納品しているものが、ただ単に品質や価格や納期で評価されるだけでなく(勿論、これに特化することができればそれでOKだが)、そこで培われた技術や経験を駆使して新たな市場を創出するためのリサーチやマーケティングを始める事で、既存からの脱却を意識し、新たな展開を考えてみることは、シリコンバレーを見るにつけ、グローバル化を目指す中小町工場には不可欠だと感じるのだ。是非、自社の新陳代謝を意識してほしい。

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自主的にグローバルを意識する事の重要性!

3月31日に発表されたTESLAの廉価版EV、モデル3のデビューは自分にとっては衝撃だった。初日の予約だけで13万台@@!予約には$1000の保証金が必要なので、それだけで150億円の売り上げ。そして3日後には予約総台数は27万台@@!一台当たりの販売価格は$35,000(日本円で380万円ぐらい)なので、もし仮にすべての予約が販売されたとしたら何と1兆2500億円の売り上げになる@@!アメリカのメディアは連日この話題をニュースにしており、最新の情報では、この週末(4月9日)の時点で予約の総数は32万台に達したそうだ(最近では実際に納車まで何年かかるの??なんていう話も飛び交っている模様…^^;;)。。。

この最初の発表が行われた時、自分は講演のため日本にいた。最初の情報もNETのニュースで得たのだが非常に違和感を感じたのは、殆どの日本のメディアは、この話題を取り上げていなかったことだ。唯一、日本経済新聞が数回にわたってフォローしているが、日本滞在中にこの話題を一度もTVのニュースでは観ることはなかったし、紙面でも(限られた新聞しか見ていないけど)一切見かけなかった。もしかしたら、各放送局の大手顧客である日本の自動車メーカーが、このニュースに戦慄し、あえて自粛を求めたのか??そんな勘繰りさえ出てしまうほどだった(もしくは各TV局がそれほど話題にもならないと判断したのか??→この場合はかなり絶望的…)。
自分自身も4月6日に予定されていた今回の講演会(経済産業省九州経済局によるベンチャー創業フォーラム)のネタにさっそく使ったのだが聞いている参加者の皆さんには何を言っているのか、わかってもらえたのか?疑問が残る感じだった。

実はこのNEWS、日本の将来に大きく影響するであろうという事は間違いない。現在の日本の自動車産業はガソリン自動車の製造販売によって成り立っている。日本で自動車産業に従事している人口は200万人を超えると言われているが、その殆どがガソリン自動車の部品製造に携わっている。EVになれば当然エンジンもミッションも車軸もないわけで、これらの部品や組み立てに関係する企業にとって、環境問題や燃料費、そして情報収集の手段として確実にやってくるEV化の流れは、この先かなり深刻な要因になるはずだ。しかしながら現在の日本国内は世界的な自動車産業の隆盛によってフル稼働の状態。そこまで気が回らない、もしくは関心がないような企業が殆どではないかと思う(残念ながら…)。

このあたりを自分の講演会や、このブログでも再三にわたって訴えてはいるのだが、正直あまりわかってもらえていないのが現状のように感じる。
話題は少しそれるが、今回の講演に際しては事前にできるだけ中小町工場のオーナーの方に参加していただきたい旨を伝えていたにも関わらず、参加者の多くは行政や金融機関の関係者だった。実は前回山梨県で講演した時にも当初は50社以上の企業参加があるという事だったが、実際には10社にも満たなかったと記憶している。確かに著名人でもない私の講演というインパクト自身があまりないのかもしれない(というかそれが原因だと負うけど…)。ただ海外、特にシリコンバレーの状況というKEY WORDに対してはもう少し敏感になってもらえればというのが本音だ。

はっきり言えば今の日本の状況を考えた時、

「自主的にグローバルな視点を持つことがどれだけ重要か」

という事が、これからの企業の生き残りに大きな影響を与えると思う。
少なくとも上記のTESLAのNEWSを観て、日本の自動車産業の行く末に不安を感じることができれば、例えばエンジン部品を作っているメーカーであれば今のうちからEVになっても残る部品の研究開発、もしくは今まで培ってきた技術を基にした他分野への展開等を今の段階から考えることができるのではないか?

今の日本ではグローバル化が一つの流行語のようにささやかれてはいるが、そのための情報は残念ながら殆ど入ってきていないというのが現状かもしれない。
既存のガソリン自動車に関しても、アメリカにおいては僅か30年前には三菱のデボネアのCOPYしか作っていなかったメーカーであるHYNDAI(現代自動車)がセダン、SUV,ワゴン、商用車を含め既に40車種以上の車をアメリカで販売し、ヨーロッパ勢を退けて全米の販売ランキングで6位に入っている事など、まったく知られていないだろう。
であればどうするか? やはり自主的にグローバルな視点をもち、海外の市場状況、自らが携わる産業の動きには関心を持つ事を意識してもらいたいと思うのだ。

はっきり言って、このような習慣が今の段階から身につくかどうかで、この先の5年で雲泥の差が出てくると思う。それができなければ、「座して死を待つ」状況になるくらい、世の中は凄いスピードで動いているという事を今回のTESLAのNEWSで強く感じた。

 

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製造業にとっては千載一遇のチャンスが来ている!

2015年も12月、今年も本当にあっという間に終わろうとしている。これは多分に歳のせいであることは否めないが、自分的には今まで以上にシリコンバレーが大きな流れに向かって胎動を始めた事が気になりすぎて、その流れに乗ってしまったことが更に拍車をかけてしまったように思える。

その大きな流れとは、一つ前のBLOGに書いた自動車産業の大変革に向かうシリコンバレーの動きだ。既に快進撃を続けているTESLAはもとより、自動運転車の運航を早ければ来年にはスタートさせてしまうそうな勢いのGOOGLE。アップルも2019年にはきっと世の中があっと驚くようなEVを発表するであろうことは容易に想像できる。そしてユニーコーン企業の雄、というか同じ動物系で例えれば、この業界ではきっと間違いなくDARK HORSE的存在であるUBERが手掛ける(と噂されている)自動運転車も間違いなく早ければ2020年までにはその全貌が明らかになるであろう。
当然、前回のブログにも触れたが、この一大革命で一攫千金を狙う半導体やセンサー系の部品メーカー、電池/モーターといった基幹部品、軽量化に特化した部材や素材メーカー、そして、これらの運用のコアとなる通信ネットワークへの参入を狙う世界中の通信機器メーカーなどが、続々とシリコンバレーに集結(地場の会社がもちろん一番多いけど…)、それらが入り乱れてのインターネットバブル黎明期のような”ざわめき感”を体感しているのは、きっと私だけではあるまい。

ただ残念ながら、本来であれば一番アドバンテージがあるはずの日系自動車メーカーやTIER1,TIER2の各メーカーの存在はあまりにも薄いのが現状だ。もしかしたらその背景には今絶好調の自動車販売に伴う製造に翻弄され、まったく余裕がない状況があることも、特に協力各社に関して言えば十分に考えることができる。しかし、TOYOTA、HONDA,MAZDA,といった大手各社(NISSANだけは地に足がついた活動をこの地でしています)もアクション的には、どうも既に3テンポぐらい遅れているような感じが否めない。車に特化したわけではないと思うがTOYOTAがこの地にAI関係のLABを作るというニュースにしても、既に出遅れ感がなんとなく付きまとってしまうのだ。
そういう状況からすると大手の動きに呼応していては、もしかしたらTIER1,TIER2といった系列各社も新しい時代の自動車産業への展開は手遅れになってしまう可能性は大だ。勿論、彼らは新規自動車メーカーに対しての部品供給という形で後からでも販路を構築することができるかもしれない。しかしながらエンジンやミッション、車軸といった基幹製品が不要のEV市場に対しては、それらに携わっていた企業の大半は犠牲にならざるを得ない状況がある。加えて考慮すべきは韓国、中国、インドといった新興勢力の参入だ。彼らはガソリン自動車製造のインフラという手枷、足枷がない分、容易に市場参入ができる可能性が十分にある。勿論、品質や性能においては日本のメーカーのほうが圧倒的に経験値も豊富であるが、移動体(車)というハードで儲ける構図が変わってくれば、まさにコストパフォーマンスがクローズアップされてしまうという可能性も大きいのだ。

 でも、実は、よ~く考えてみると何とも凄い状況ではないか?何せ、テスラも含めれば、新しく自動車を製造しようとしている企業が、このシリコンバレーの中に4社もあるのだ。

テスラは別にしても、少なくとも何兆円もの純資産を持ったGOODLEやAPPLE、そしてUBER(評価額だけど…)が、新規の製造ラインを独自で立ち上げて自動車を生産することは、人員の確保さえできれば何ら問題もなくできてしまうのは容易に想像できる。そして、当然これらの新規参入各社は、それぞれの車を開発、デザインして製造するわけで、そこで使用されるであろう数々の部品や装備は、今まで50年以上にわたり日本が培ってきた自動車生産の中ではぐぐまれてきた逸品をもってすれば、もちろんEVとガソリン自動車という大きな違いがあるとはいえ、売り込める機会は、いくらでもあるのではないかと思うのだ。
こんな市場は、きっとこの先どこを探しても出てこないだろう。くどいようだが膨大な試作、製造のインフラばかりではなく、素材や部材供給等で日本がイニシアティブをとっていけるチャンスが山ほどあるはずだ。

まさに千載一遇だ!皆さんはどう思われるだろうか?

ただ先にも挙げたように日本の自動車産業は空前の好景気。私の顧客は、殆どが自動車産業に携わっていて、年末年始の休みすら返上しなければならない状況に皆、テンパっている感がある。。。その中で新規の市場開発や研究開発に時間を割くことは到底無理といった感じだ。。。う~ん…。

実はそんな憂慮すべき状況の中、嬉しいニュースが飛び込んできた!JETROが主催しているイノベーションプログラムの参加企業で、9月にシリコンバレー来てアドバイザーとして話をさせていただいた群馬の共和産業が本格的にアメリカ進出を決定してくれたのだ。
2代目の女性社長、鈴木さんの情熱と高い志にも本当に素晴らしいものがある!
9月の訪米のあと10月にはデトロイトで開催されたエンジンショーに出展。具体的な引き合いもあり、かなり良い感触を得たとの事。そして、今回は年の瀬だというのに、その案件のフォローで再び来米し、自ら車を運転し中西部を1000㎞走破して客先を訪問、帰り際にシリコンバレーにも立ち寄りT社にも具体的な案件で営業をかけるという凄い行動力!そんな鈴木さんとランチを共にし夢の実現を熱く語る姿に、今まで口ばかりで物見遊山的な感覚しかない中小町工場のオーナーたちばかり見てきたこともあり、かなり感動してしまった。 長年、日系自動車メーカーのエンジン部品の製造を手掛け、中でも歴代のHONDAのF1エンジン製造を担当してきた同社の実力と経験があれば、勿論エンジン不要のEV用部品とは大きな違いはあるが、培われた技術力は十分応用が可能、あとはいかにコストを抑えマーケットインを実現するかで物凄いポテンシャルがあるはずだ!

かなりくどいようだが、もう一度言おう。新しい自動車メーカーが短期間に4社も立ち上がろうとしているエリアは、後にも先にも、このシリコンバレーにしかない。そこには膨大な試作から始まるハードウェアの需要がある。そして共和産業のように、情熱と行動力、そしてマーケティング力があれば、系列や口座の有無とは関係なく彼ら新興メーカーは、日本の中小町工場でも、その実績を評価し十分受け入れてくれるはずだ。まさに千載一遇のチャンス!この状況を少しでも意識して、来年は真剣にシリコンバレーに乗り込んでくる中小企業が一社でも増えてくれることに期待したい!

 

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グローバル化の方法を再考してみよう。

7月に日本から来た視察団体のアテンドをした。今回は以前より交流のある八王子市の町工場のオーナーたちが参加するという事もあり、せっかくの機会なので自分としても有意義な訪問にしてもらうべく盛りだくさんのスケジュールを組んで対応にあたった。八王子の町工場のオーナー4人に加え青森県から2社のオーナーも参加、計6社の代表が顔をそろえた。業務としては板金、切削加工、鋳造など基礎技術を持ったところが中心で自社製品を持った会社もある。
訪問の内容としては、シリコンバレーの代表的なスタートアップ企業の訪問をメインに、この地で頑張っている製造業のスタートアップとの意見交換、日本で中堅の電子関連企業で独自技術を武器に奮闘している企業の視察、現在のシリコンバレーの下支えをしている同業の加工メーカーの訪問に加え、せっかくの機会なので、こちらで活躍しているベンチャーキャピタリストに参加各社の自社の製品や技術をプレゼンしてもらうというイベントも盛り込んでみた。

さて、今回のイベントのメインとしてセットアップしたのは代表的なスタートアップの視察と意見交換という事でテスラモーターズへ。同社のプロジェクトマネージャーを務めているTさんに会社の概要、企業戦略、そして独自の製造プロセスとマーケティングの手法などにつき説明してもらった。これは本当に素晴らしく自分にとってもかなり勉強になる話で、さぞかし参加メンバーにとっても刺激のある内容だったに違いない!と確信していたのだが…。

なんと、青森から参加した2社のオーナーはテスラモーターズを知らなかった…。

実はスケジュールについては事前に決定の上、主宰者側にも報告をしていたのだが、それでも事前調査すらしていなかった様子。。。。。その2社のうち一社は切削とメッキ加工を行う会社で、メッキ加工に関しては、独自の複合メッキ技術で平成24年度の戦略的基盤技術高度化支援事業にも採択されている。もう一社も独自の技術で雄型だけでミクロン単位の裁断技術を持つ会社。いづれもそこそこ面白い技術を有しており、テスラモーターズに関して言えば同社が主力としているEV用のバッテリー生産に関し、例えば導電性の高い接点を確保できるメッキ技術とか、その内部に使用するフィルムなどの部材の裁断に関して彼らの技術に興味を持ってもらえるチャンスはあったと十分考えられるのだが、テスラの存在すらわかっていなければ、当然、そのような部分にリサーチはおろか会社の内容も理解できていない訳で、正直なところテスラ訪問という千載一遇の、うまくいけば自社技術をPRできたチャンスを全く逃してしまったわけだ。勿論興味をも持ってもらえる可能性も不透明だけど、テスラは従業員6,000人規模の世界最大のメガバッテリー工場の建設も年内に予定しており、その機会損失は本当に残念でならない。

またVCへのプレゼン。会社のオーナー達がいかに自社の技術やメリットをしっかりと把握しPRできるかを本場のVCに評価してもらうという事を目的としたのだが、 自社製品をもつ1社のプレゼンで同社は独自の技術によって開発した特殊センサーを紹介、その製品の特長として「測定したデータは随時システム内にメモリーでき、microSDに保存が可能です」と説明。VCからは「それはワイヤレスでデータ送信ができたらいいですね」という指摘をもらっていた…。

う~ん、これも今のトレンドをわかっていないのかな???という印象…。

少なくとも今年に入ってから産業のトレンドはBIG DATAにIOTというキーワードで盛り上がっており、この分野に携わることが自社製品の評価につながってくる現状を考えると、VCからの指摘を受けるまでもなく、そのようなトレンドを視野に入れての製品開発を考え、例えば測定したデータは随時BLUETOOTHなどで、スマートフォンのアプリと連動して、それをもとにコントロールが可能になるような機能が実現されていれば(今更マイクロSD にデータ保存ができるという事が時代に即していないという事がわかっていれば)、特に独自の技術を駆使した特殊センサーであれば、今後需要の見込める環境分野、オートメーションとクリーン化による新たな農業分野、また機密性の高い室内空調機器のモニターとして、期待が持てるはずなのに、、ワイヤレス機能がないがゆえに今の流れに即しておらず、陳腐化した製品で終わってしまっているのが本当にもったいないと思う。

というわけで表題に戻ると、皆さんはグローバル化というものをどのように理解しているか?という事だ。この言葉の意味は言うまでもなく国際化、もしくは世界を視野にいれた自社(個人)の展開という事になるかと思うのだが、何も海外に足を延ばし、現地の状況を理解することだけがグローバル化ではない。勿論、それは非常に重要なことでもあるが、日本に居ながらにしてもグローバル化に向けてできることが沢山あると思うのだ。今回の参加各社の例を見るまでもなく、少なくともこちらでは毎日NEWSの話題に上っているテスラモーターズの存在は、ロイターやブルーンバーグ、ウォールストリートジャーナル等の日本語版NEWSの配信をチェックしていれば逃すはずはないし、同社のWEBページで彼らの会社の詳細を把握することは十分にできる。その内容から自社の技術が売り込めるのかをリサーチすることは十分に可能だ。同じように産業のトレンドであるIOTやBIG DATAの状況や盛り上がりをキャッチし把握していれば自社の製品開発にそれに即した内容を盛り込むような開発も考慮でき、世界に打って出る製品を作る可能性も生まれてくるわけである。 技術はすでに確立されているのだから、それをどう展開していくかによってグローバルな展開は十分に可能な訳だ。

結論はいつも同じようになってしまうのだが、グローバル化に関しても本気で考えるのであれば、日本国内にいても、できることは沢山あるという事を意識し、常にアンテナを世界のトレンドに向けることによって、自分たちの持つ優れた技術を世界に通じるものに仕上げ行くことが可能だという事を、是非、再度考えてみてもらえればと思う。

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クローズドからオープンへ!

エンジニアの親しい友人から聞いた話。彼は今数人の仲間と新しいハードウェア開発を進めているのだが、その中に必要なパワーCHIPを探していたところ、日本の〇田製作所とアメリカのTI(テキサスインスツルメンツ)に適したものがあり、日本人の彼は、それであれば先ず日本製を使うようにしよう!という事で、〇田にさっそく確認したところ「弊社の場合、部品の販売は最低OOO個単位からでお願いします。サンプルの配布は行っておりません。製品のスペックシートで先ず確認をお願いします。またソースプログラムの公開も購入されたお客様以外にはしておりません…」との非常につれない高飛車な対応だったそうだ。そこでTIにも同じリクエストをしたら「はい、ひとつからでも勿論購入は可能です。ソースプログラムはいつでもWEBサイトで確認しダウンロードも可能です」との事で彼はさっそくTIの部品を採用した。仮に彼らが開発している商品が爆発的なヒット商品になったとしても、彼らは間違いなく個人に閉鎖的な〇田製作所の部品は使用しないだろう。当然、この先の製品開発で必要な部品があったとしても、同社の採用はありえないと彼は話していた。
勿論、これは〇田製作所の販売方針であり、TIのような販売をしている会社も多いかもしれない。しかし自分の経験から実は日本の会社(大きいところから小さいところまでも含めて)と付き合っていると、色々な部分で、このような閉鎖的(クローズド)な方針を持った会社が以外に多い感じがする。

閉鎖的という点では、これまた少しメージが離れてしまうと思うが、日本で営業をしていた頃(20年以上昔です…)、ある日産系の自動車部品の工場へ営業に行くと日産以外の車は工場内には入れてもらえず、遠く離れた駐車場にしかパーキングすることが許されなかった。 この会社に限らず特に自動車系は排他的でクローズドな会社が多かった。P社のTV工場に売り込みに行く際、同じ製品をS社で使用しているという事を話すことはタブーだった、というかS社で使っているんだったらうちは使えないよ。と言われるのがオチだった。機密保持という観点から同業他社で使用している製品を使うことはご法度という雰囲気は、コンスーマーに限らず特に半導体業界では非常に強かったことを覚えているし、そういった部分が日本の慣習なんだな。と当時は納得していた。
ところがアメリカに来て、この納得は一変した。これには賛否両論あると思うし、非常にストリクトな会社も勿論多々あると思うが、アメリカで採用したベテラン営業マンは当時こちらで販売していた製品の売り込みに、まず開口一番「この商品は同製品を製造しているA社で採用され非常に好評なので、御社にも最高ですよ」と説明した。これは言い換えれば客にとっても、「なるほど同じような製品で実績があるのなら、きっとうちにもメリットがあるかもしれない」と思わせるには一番なのだ。そして客の反応もそれなりの感じだったこと、にかなりの衝撃を受けたことを覚えている。
1990年代の中ごろ、アメリカではEMSによる生産がソレクトロンを中心に非常に隆盛だったのだが、このようなEMSの工場ではSUNのOC用ボードの隣のラインでIBMのOC用ボードを普通に生産していた。当然ながら機密保持の徹底は言うまでもないのだが、同じ生産ラインを使用できるのであれば、そのほうが合理的で効率も高く、コストも軽減できるというコンセプトによるものだった。このコンセプトが十分に咀嚼され、発展して今のFOXCONNの大成功につながっているとおもってもOKではないだろうか。。。
アメリカは当時からこのようにオープンな環境で”ものづくり”が行われていたのだ。今では一般的になっているオープンソース(これはSOFTWAREの話だが)というコンセプトも、きっとこのような市場のスタイルがまずベースにあるような気がする。
昨今の日本では、上記のような閉鎖的は部分というのは大分無くなってきたと思いたいのだが市場自身が激変している今の環境においては、このあたりを真剣に考えてみる事が非常に重要ではないか思う。営業でいえば、メーカーズブームを背景にロングテールの部分に非常にポテンシャルのある可能性も出てきている状況であれば、それに応じたオープンな営業展開をするべきだと思うし、
マニュファクチャリングに関しても、量産製品の日本におけるイニシアティブが無くなり、プロセス自体もが東南アジアに流れてしまった現状では、もっと自分たちの持っている今まで表に出てこなかった生産技術や商品開発のノウハウをオープンにして一丸となってグローバルな市場を獲りにいくことが不可欠ではないかという事だ。S社とP社が事業統合して共同で次世代TVを開発する!そんなインパクトのある展開が絶対に必要だと思う。

実は今日本の中小町工場の間で、「全日本製造業コマ大戦」というのが密かなブームになっている。これは日本の製造業が彼らの技術を結集した喧嘩ゴマを製作して戦わせるというものだ。自分も付き合いのある町工場の皆さんから、この話を聞いて最初は「なんでコマなの??」「そこにマーケティングとしての意味はあるの?」と正直なところ、いささかネガティブなイメージ(失礼)しかなかったのだが、実はこのコマ大戦を通じて同業の参加者たちが物凄いスピードでそのネットワークを広げいている状況を見て「これは面白い!」と考えを一新した。 これによってオープンネットワークが築かれ、今まで下請けという非常にクローズドな環境で門外不出のものづくりをしていた同業の皆さんが、連携を強化し、お互いのノウハウなどをオープンにして、新しいものづくりを創造していけばきっと凄いものが創れるのではないか?? と思うようになってきた。

少なくとも間違いなく依怙地になって上記の事業統合などは、あり得ない(SHARPとFOXCONNの話とか)、今の日本の大手製造メーカーの状況から見れば、方法はどうであれネットワークを加速する中小、町工場の動きのほうが断然楽しいし、もっともっとオープンになって日本を飛び出し、グローバルな視点で市場を見て再び日本初のデファクトスタンダードな製品を一日も早く創り出してもらいたいと思う!

 

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ラーメンの話から新たに思った事

久しぶりに山下さんとお会いして酒を酌み交わしながら昨今のラーメン事情などのお話を伺った。山下さんはNIPPON TREND FOOD SERVICE, INCという製麺会社の代表だ。アメリカにおいてラーメンを中心とした麺類の普及と販売に全米中を飛び回っている。もともとはリンガーハットの対米進出の際に、その製麺部門のTOPとしてアメリカに赴任し、リンガーハット撤退の後、その工場を引き取って麺の製造販売を開始、今はどこの日本食マーケットにも置いてある山ちゃんラーメンのパックでも有名であり、最近目覚ましく増え続けているラーメン専門店へのオリジナル麺の供給も順調だ。業種は違うが起業家の大先輩でもある。そして個人的に自分がシリコンバレーでラーメン屋を始めた時に大変お世話になった。

今から9年前の2003年、私は日本のパートナーとともにシリコンバレーのサンノゼに新しい試みとしてラーメン専門店をオープンした。当時、本格的(風)なラーメン屋はシリコンバレーに1,2店しかなかった。その割にこちらに在住の日本人に聞くと10人中少なくとも8人が一番こちらで食べたいのはラーメンだという。そんな需要があるのに、なぜラーメン屋が少ないのだろう?まずはそのあたりのマーケティングからスタートした。色々と日本食のレストランを営むオーナーに聞くと、まずラーメンは「儲からない」という。当時すでに醤油豚骨という新しいムーブメントとともに日本でブレイクしていたラーメンだが、まずそのスープの材料となる食材の流通がない。日高産昆布だとか利尻産身欠き鰊など等、ラーメンのスープ作りには欠かせない材料は需要が少ない分、非常に高価だった。それで一生懸命ラーメンを作ったとしても日本人の感覚的にはラーメン一杯の値段はタクシーの初乗り料金とおなじイメージで、おまけに日本人はラーメンに関してはうんちくを語る輩が多いために、万人の舌に会う味だすのは到底難しいというのが理由であった。
なるほど自分で原価計算をしてみても日本の感覚でラーメンをこちらで作ると、原価で軽く初乗り料金のイメージである$6.90(当時)は超えてしまう勢い。これだったら一品2貫で瞬時に客先に出せる寿司、例えばハマチは2貫で当時$6ぐらい、原価は半額以下だし、何品も食べてもらえて客単価の高い寿司の方が確実にもうかる計算だ。しかしながら、きっと方策があるだろう、ということでリサーチを重ね、まず手掛けたのは、スープの材料をこちらで手に入るものに置き換えられないか?ということ。日本より安価で手に入るムール貝や肥料としての需要しかないエビの頭など色々なものを試した結果、だいぶコストを抑えることに成功、加えて日本人以外のアジア人も何とかターゲットにすべく、当時$3.50で食べることができたベトナムのPHOや中国の米粉、刀削麺など色々な麺も分析したりした。そんな時期に山下さんには本当にお世話になり、カスタムメイドの素晴らしい麺を作ることにも成功。開店したラーメン屋“HALU”は連日行列ができる繁盛店になった。自分は残念ながら本業との両立が難しく、また日本のオーナーとの展開に関する見解の相違から1年半で経営から手を引いてしまったが、ローカライズの重要性やリソースの現地化、コンスーマーを対象にしたマーケティングとコストの設定を含め貴重な経験と学習をすることができた。そして、これらは自分の本業であった製造業の対米進出の際に必要不可欠であるリサーチとマーケティング、ローカライズとコストの設定など、ほとんど同じ感じというのが自分にとっての結論だった。

あれから9年、ラーメンは地位を確立し、アジア人を中心としたアメリカ人の間に完全に定着した。いまではシリコンバレーだけで10店舗以上、繁盛店は多店舗展開にも成功し現在も参入が相次いでいる。もちろんその舞台裏には、麺というラーメンの命ともいうべき部分でしっかりR&Dを行い、そのマーケティングに全身全霊を注いできた山下さんの功績は大きい。
加えて、もう一つの大きな功績は、ラーメンを価格の面でも独自の地位として定着させたことだ。今ラーメンの単価は大体$8.50.中国製の麺類やベトナムのPHOに比べればはるかに高いのだが「ラーメンとはそういう食べ物だ」という地位をしっかり確立している。これは素晴らしいことだ。同じ麺類の中でもラーメンは別格であるということをアジア人が中心ではあるがアメリカにしっかりと根付かせたことによって、私が当時苦労したような原価の軽減にあまり神経質にならずとも、ビジネスを展開できる土壌ができているわけだ。そのラーメン屋向けの麺を販売している山下さんにとっては、まさに大成功のマーケティングだったと思う。そしてある意味ラーメンを通じてだが日本の食文化のグローバル化にも多大な貢献をしている点、本当に素晴らしいと思う。
考えてみれば単純にアメリカ国内において価格競争に翻弄され敗北しているTVを中心とした日本の製造業において、この状況は、もしかしたら新しいヒントになるような気がした。そうでなくとも「ものつくり」というブランド(?)に固執している日本の中小企業においては、正直なところ大半は「ものつくり」の呪縛に縛られているだけだと思うのだが、本当の意味で優れたもの開発し作ることができれば、その製品(技術)は地道なマーケティングとPRによって価格競争に翻弄される事なく、しっかりとした地位を確保できるのではないか考えた次第である。そして、それこそが今の日本の中小企業に求められるイノベーションであるような気がする。勿論そのためには、その技術(製品)を知らしめるためのインフラ(最近ではエコシステム?)が必要になると思うのだが、私としては今までの経験を生かして、何とかそのインフラの一端を担うことによって、このBLOGのテーマでもある日本の中小企業のアメリカ進出をより強力にバックアップできればと、山下さんとの話の中で、さらに強く思った次第である。

P.S. 山下さん、有難うございました!

 

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ハードウェアが注目されてきそうだ!

アメリカの大統領選まで50日を切った。各候補はこの時期各州を訪問して精力的に選挙活動を展開している。民主党候補のオバマ大統領(実は私と同じ歳。誕生日も1日違いで、勝手に親近感もってます)は、再選に向けて特に中間層へのPRをメインに雇用問題の打開を前面に打ち出したスピーチを繰り広げている。特に中西部では、勢いに乗りつつある自動車産業をさらにバックアップする姿勢を明確にし雇用の面では中国、アジアに流失したマニュファクチャリングを再びアメリカに戻すといった事を明言していた。 2000年以降、中国や東南アジアが製造拠点として大きく発展した影響でアメリカ国内では、50,000以上の製造工場が移管および閉鎖され、500万人以上の労働者が職を失ったといわれている。これをアメリカに引き戻し失業率を軽減することが今回の選挙戦でもも重要な政策として考えられているだけに、その実現に向けての方策もこの先、新規の高速鉄道建設なども含め、色々と打ち出されていくであろう。
さて、実はこのBLOGにも過去何回も触れてはいるが、ここにきてまた製造をアメリカに戻すという動きは非常に活発になってきているようだ。先週も今まで中国で製造を行っていたデジタルサイネージメーカー”ALTIERRE”が製造拠点をシリコンバレーに移し、100名規模だか工場を新設、今後は市場のあるこちらでの生産を行うという記事がシリコンバレーの中心的メディアであるSAN JOSE MERCURY NEWSで紹介されていた。同誌では新規に”MADE IN SILICON VALLEY”という新しいコラムも設け、この地の製造業を紹介している。またCONSUMER ELECTRONICS業界の覇者であるSAMSUNGは、同じくシリコンバレー(マウンテンビュー市)に大規模R&Dセンターを設立。将来的に1,500人規模の雇用をする予定だ。勿論、R&Dなので、直接製造業には結びつかないかもしれないが、少なくとも新製品のプロトタイプなどは、この地で生産されるようになる可能性は高いといえよう。
確かに東南アジア、特に中国での昨今の人件費高騰は、この流れに拍車をかけていることは間違いないと思われるし、ほかにも以前2月にこの「アメリカ製造業復活の兆しを考えてみた」というタイトルで書いたブログの内容にある理由も間違いなく現実となってきている(最近輸送費も燃料費などの高騰でかなり値上がってきた)。そして、今回新たに考えたのは、ハードウェア自身の需要が増えてきているということだ。これは先般お会いしてお話をさせていたたビジネスの上での大先輩であるMさんから話を伺い、自分も「なるほど!」と激しく共感したことなのだが、ソフトウェアの大規模化と複雑化がさらに進むと、それをつかさどるハードウェアにもそれなりの進化とそのソフトウェアの機能を十二分に引き出すためのスペックが要求される。またいいソフトを持っているだけではだめでそれを機能させるためのハードも持つことが、この先の企業の発展にもつながるということがここのところ非常に鮮明になってきているということだ。これはAPPLEの成功に呼応するかのようにNEXUS 7やSURFACEでハード武装化を本格的に始めたGOOGLEやマイクロソフトを見れば明白だと思う。このような流れなのでIT産業の中心として基本的にはソフトウェアメインの産業地域と見られがちなシリコンバレーで、それらをつかさどるハードのR&Dを行い製品を設計して少なくとも市場のあるところでプロトタイプを作りリリースをするというのは自然な流れだという感じがする。まあ憶測だが、そんな需要に目をつけて大規模R&Dセンターを設立したSAMSUNGはやはり凄い!というか世界を獲りに行く会社なんだな~という思いを新たにした。
というわけで、これからが旬のタブレットPC市場においてガラパゴスで早くも失敗し今は瀕死の状態のシャープ、出口のない迷走を続けそうなSONYやPANASONICの状況を見る限り、残念ながらハードウェアにおいては将来的な期待を持てるところも少なくなっているのが今の日本の現状であるけれども、ハードウェアの需要拡大に伴い製造業が、これから盛り上がりの様相を見せているシリコンバレーを新たなターゲットとして日本の中小企業が視野に入れることは十分に価値があると思う。

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アップルVSサムスン訴訟の判決で考えたこと

スマートフォンをめぐるアップルとサムスンの訴訟はアップルの勝訴で幕を閉じた。これによって「ああ、やっぱりサムスンは物まねの会社なんだな~」と思った人,特に日本の電機業界にかかわる人の中には、かなり多かったのではないだろうか・・。確かにサムスンは物まね会社だった。早いもので今から26年も前の1986年、日本のベンチャー企業で働いていた私はサムスンのKNOCKDOWN生産のプロジェクトのために頻繁に韓国のサムスンの製造拠点であった水原市の生産技術研究所に通っていた。当時自分のいた会社の主力製品はPCボードの検査機。電気製品の基幹となるPCボードにきちんと部品が実装されているかを検査するシステムのメーカーに勤務していたのだが、その検査機にサムスンが目をつけ、「どうですか?部材の安い韓国で製品の製造をしてみませんか?」という誘いにのってのプロジェクトだった。もちろん先方の目論見はわかっていたので断ることもできたのだが、当時すでに顧客であった同社に反旗を翻すわけにもいかず、また「製品をコピーされても、彼らが追いつけないような新しいものを開発していけばいいさ。」という甘い考えもあった。形態としては検査機の心臓部である計測系のハードを私がいた会社が供給し、それ以外の部分をサムスンが製造するという流れだったのだが、購入したのは最初の20セットだけで後は見事にコピーされ、検査機はサムスンの製造ラインのスタンダード製品となり、サムスンの全製造工場の製造ラインに設置された。その数は10,000台を裕に超えているだろう。もちろん新しいものを開発していけばという安易な考えは日本の一介のベンチャー企業と異なりソウル大学に奨学金で通い国益のためにという名目で兵役をも免除された秀才エンジニアばかりを集めた同社には敵うはずもなく安心しきっていたROMのデータまで簡単にコピーされてしまった。そして私が通っていた生産技術研究所の広大なフロアーには、この検査機のみならず当時世界最高峰といわれていた日本のPCボード製造ラインの数々の製品、PANASONICの実装機、日本電熱計器の半田層などが、彼らの手によってリバースエンジニアリングされていた光景を今でも鮮明に覚えている。
しかしながらCONSUMERエレクトロ二クス、家電分野でいえば、彼らの、このような物まねも2000年の半ばまでだったのではないだろうか?それ以降のサムスンの製品、特に自分が深く携わっていたTVの分野でいえばLCDやプラズマの薄型が主流になった段階で完全に立場は逆転していたように思う。日本勢が薄型TV では先行してキリギリス状態になっていた時期に彼らは製品のR&Dに執拗なまでに注力し、いかに基幹部品のひとつ、ワイヤーの一本でも減らして安価に効率よく生産できるかに心力を注いでいた。そして同社と同じプロセスを踏んでいたLGとともに市場を席巻し現在に至っているのは周知の事実である。そんな状況に、ようやく尻に火がついた日本勢が「なぜ韓国勢はあんなに安くTVを作れるのだろう?」ということで2008年ぐらいからPANASONICをはじめSHARPもSONYも皆サムスンやLGのTVを分解し必死になってリバースエンジニアリングをしていたことはあまり知られていないだろう。おまけで言えばデザイン性まで完全に優位に立った韓国勢のTVと全く類似したデザインのTVを2011年に新製品と称して日本の雄であったPANASONICが発表した時には残念ながら絶望感を感じてしまったものだ。また最近で言えば1cmを目標に薄ければ薄いほど良いというLCD TVに固執していた生産を既にサムスンは辞め2cmであっても安く製造する事が肝要というマーケティイグデータをもとにさらなる市場拡大に挑んでいる。いまだに4KやらビヨンドTVと称して高付加価値にこだわる日本勢には、残念ながら明るい未来はない感じがする。
とまあ話が長くなってしまったのだが、要は「サムスンは物まね会社だ」というのことはやさしいのだが、物まねされるような技術や製品がありながらグローバル市場で成功できなかった日本勢は真摯にその現実を認めるべきであり、その中から新たな活路を見出してもらいたいと思うのだ。この辺りは先日ダイヤモンドに寄稿された安藤さんの記事と全く同意見だ。非常に残念かもしれないが自力でどうにもできなければグローバルに展開する企業の軍門に下ることもありではないか? 特に今後その需要拡大が期待され日本が優位に立っていた電池、モーターの分野においては、その技術の流出を憂慮するより、逆に潤沢な資金のある国外企業に入りこみながらも、いぶし銀(表現がおかしいかも知れませんが…)のような技術を供給しつづける努力をすることで、大中小を問わず確実にイニシアティブをとることができる日本企業の出現に大いに期待したいところだ!

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アメリカの展示会を見て考えた事

今週カリフォルニアのアナハイム(ディズニーランドがあるLAの南の都市)で西海岸最大のエレクトロニクス/製造業関連の展示会MDMが開催されたので自分も足を延ばしてみた。この展示会は、メディカル関連の製造メーカーの展示が有名だが、併設してプラスチック、プリシジョン、AREOSPACE,ほかの製造にかかわるカテゴリーの展示など9つの分野の展示会が一斉に行われるという西海岸では最大規模を誇るものだ。 この展示会をみて、考えたことを2つほど紹介したい。

まずはアメリカの製造業はまだまだ健在だ!ということだ。
今回の会場はアナハイムコンベンションセンター。広さ約12,000坪の会場に所狭しとブースが並んでいる。その総数はなんと2,000社以上。勿論、アメリカにあるメーカばかりではなく世界中から関連企業がブースを出しているのだが、アメリカ系の製造メーカーも「まだこんなにたくさんあるんだ!」ということに驚かされる。勿論メーカーの中にはアメリカでの生産ではなく東南アジアに生産拠点を持ってこちらで販売しているメーカーもたくさんあるとは思うのだが、「こんなものをまだ作っているんだ@@!」みたいなもの、たとえば工業用のブラシや、単純なスプリングなどもたくさんあって、そのような見方(MADE IN USAかどうか)で、個々のブースをのぞいてみるのも非常に面白く、この人件費の高いアメリカで製造しても需要があるものには、どのようなカラクリ(マーケティング?)があるのかぜひじっくりと話を聞いてみたいと思った。

そして、もう一つ考えた事がある。今回はたまたま自社の持つ技術で、新たに医療系のナノチューブの市場に参入を計画している知り合いの会社の社長が来られていたので、少し感想を伺ってみたのだが、彼曰く「もうすでに同じような商品をこちらで製造販売している業者がこんなにたくさんあるとは思わなかった」との事。確かに日本という市場にこもっていれば、グローバルなマーケットという点では非常に限られた部分しか見ることができないのだろう。そして「自分たちが考えていることを既に実現している会社もあって、自分たちの視野が狭いことがわかったばかりでなく、かなり勉強になり刺激になった。」とも話していた。私も彼と同じ感想を、こちらの展示会に来ると思うことが多々ある。特に自分の分野である電子基板(PCB)の実装などは、APPLEに代表される大生産体制の確立でほとんどが東南アジア中心であるにもかかわらず、同じく西海岸で開催される同産業の一大展示会であるAPEXはいつも盛況だ。つまり、まずアメリカで地位を確立し知名度を残すことが、将来的に中国やインド、そしてこの先、これらの産業が確立されていくであろう新興国においては先ずステータスとして重要であるという感じを非常に強く受ける。加えてそのような意味合いから、アメリカでの展示会には世界中から同じような目的の企業やメーカーが集まるので、その市場の動向やトレンドを知る上でも重要な意味があるということだ。その証拠に韓国や台湾の製造機器メーカーもこぞって大きなブースを構え、すでに需要的には先細りになったこの地の展示会に出展しているのだ。これはアメリカ市場での販売拡大だけが目的ではあるまい(きっとそう思う)。
先の知り合いの会社の商品も仮に大手の医療機器メーカーの目に留まり、こちらでの供給が始まればそれがもしかすると一つのステータスとなり、将来的にますます需要が高まる莫大な人口を有する中国やインド、アフリカなどへの浸透は想像以上に容易に実現できるかもしれない。そんなポテンシャルも含め、アメリカの製造業は市場としてまだまだ魅力的だということを改めて強く考えたし、やはりアメリカの市場やマーケットの動きをしっかり把握し、自社製品の地位や実力がどんなものかを把握することが、将来のグローバル化には不可欠だと新たに感じた次第である。

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