Archive for 03/14/2024

中小町工場の営業センスって?

 1月末から2月頭の日本出張では、今年後半から始まる予定の大きなプロジェクト準備を兼ねた新規VENDER確保のために、主に日本のものづくり関連の展示会を視察。小回りが利きそうで、こちらの需要に合いそうな会社を約10社ほどピックアップして図面のサンプルなども持参し、今後の計画の概要を説明の上、各社の現在の状況などの確認も兼ねてヒアリングを実施してきた。話の中で中心だったのは、やはり半導体設備関連を除く製造業(特に自動車関連)の景気の先行き不安と今後の展開をどう考えるかという事で、小規模工場などの出展会社では代表と直接話ができ、割と本音が聞けて海外市場に向けて経験を増やすためにも「チャンスがあれば是非やらせてほしい」という内容が中心だった。
 さて、アメリカに戻って、自分的には将来的に付き合っていく企業には、それなりに積極的な姿勢は不可欠という基準があるので、こちらからアクションを起こすのではなく彼らのアプローチ(連絡)を待ってみたのだが何と1か月以上経った現在、

  10社中、連絡が来たのは僅か2社^^;;;

いやいや、少なくとも自分が日本やこちらの展示会に出展したら当然、営業としては展示会のほとぼりが冷めないうちにリードを纏めて片っ端から電話(昭和の話^^;;)、最近であればもっと手軽にEメイルで御礼を兼ねて、営業訪問のアポを入れたりさらに詳しい話を聞きたい旨のCOLD CALLをするのが当たり前だと思っていたんだけど、こんなにも消極的なのか?というかヤル気あるの?何のために金かけて展示会に出展しているの??とガッカリしたというのが正直な感想。まあウチからの引き合いよりもっと大きな話があったとか、実は十分仕事は潤っている、もしくは自分の話がよくわからなかった(外観も怪しかった?)、という事であれば仕方ないかもしれないが、話を聞いてきた限りでは、どこも景気不安を感じているのに、相変わらず昔から全然変わってないんだな、というのが今回よく理解できた。

 実は以前にも同じような事を書いてるが、10年ぐらい前に日本の中小町工場の海外第2創業をミッションに色々な日本の町工場のオーナーと海外進出のためのプロジェクトをサポートしたり講演活動を頻繁にしていた時期があったけど、結局、その時も多分300社以上の企業の代表に話をして、本当に進出もしくは海外に拠点を持ったところは10社に満たなかった。それほどまでに海外市場が魅力的でなかったといえばそれまでだけど、何か閉塞感というか未だに海外に出るのが億劫だし、極端なことを言えば伝統的な”下請け”体質が身についていて、「仕事は親元から口を開けて待っていれば降りてくるものだ」的待ち受けスタイルがそのまま踏襲されてるのか?というイメージが強かった。そして今回、未だに、この状況が払拭できていないのが何とも悲しい。まあ以前から、この手の中小製造業には営業という部署は無いんだな~と思ったことも多々あって、確かにそういう部署もなければ、お礼のメイルも何も来なくても不思議はないというのが本当かもしれない…。勿論、既に付き合いのある会社や知り合いの町工場の中には、精力的で海外進出にも積極的、従業員は50人未満のところが中心だけどそれなりに気概のある会社があるのは、気持ち的には、せめてもの救いだけど…。

 話は変わるが今、会社のメイルアカウントには、弊社のWEBサイトを見たという中国をメインに最近では韓国やベトナムの同様商品を扱うメーカーや加工業者から「是非製品を扱ってほしい」とか「部材の加工をやらせてほしい」という売り込みメールが頻繁に入ってくる。このような積極的な姿勢を見ていると、短絡的かもしれないが今回の経験も加味して、如何に日本の町工場の多くが相変わらず井の中の蛙状態で、加えて補助金の誤用で延命できてしまうという状況が見えてしまったようで、はっきり言って残念でならない…。