原産地詐称事件後日談

3月の末に終結した原産地詐称事件だが、実はその後日談がいくつかあった。大分時間がたってしまったが、簡単にまとめておきたい。
1.未だにアンダーテーブルの世界
 今回の事件で弊社は恥ずかしながらアンダーテーブルの要求を受け、それを支払う羽目になったのだが実際に、この問題が結審してわかったことは未だにメキシコ税関の体質はアンダーテーブルが通用しているということだ。今回の問題がなぜ4ヶ月半という長期に及んだかについて、問題が終結したあと、その理由が明らかになった。通常、この手の詐称事件の場合は最長でも1ヶ月で話がつくらしい。ところが本件の場合、通関業者に実は問題があった。この業者は過去に数回の違反があり今回の件がCRIMEとして実証されてしまうと過去の累積とあわせ同社の業者としてのライセンスが剥奪されることが明確であった。そこで権力と賄賂を駆使して、この問題をもみ消す作戦に出たのであった。本来なら1ヶ月もあれば罪状も明確化し、そのお咎めを受けるべきところを現場の担当官や副所長に対しての賄賂工作で何とか揉み消しをはかった。その間、運悪く税関所長や担当官の交代などがり、なかなかタイミングよくもみ消し工作がうまくはかどらないために、このように長期化してしまったのだが最終的には工作が全てうまく行った。結審の書類を見ると「本件は韓国製として輸入されたものが中国製との疑いあり、そのために調査を実施したが最終的に韓国製と判断された」とある。つまりあれだけ明確に中国製と確定したものがすんなり(?)と、韓国製として問題なしの判断をされているのだ。
極端なことを言えばこれで当社はめちゃくちゃ助かった。というのもこのまま問題がCRIMEとなり、通関業者のライセンスが剥奪されでもしたら、エンドユーザーである弊社の顧客はものの輸入が出来ずに大打撃をこうむり、その損害賠償の矛先が弊社に向けられる可能性が否めなかったからだ。そういう意味では幸運だったが逆に何でも事を金と力で動かすことが出来るという事実は底知れぬ恐ろしさを感じる。
2.問題につけ込む悪人達
 今回の件で品物と一緒に拘束された車のチャージが一日300ドルで請求されていたのだが、実は本来100ドルのところを今回の運送を担当していた日系の日進航空貨物のメキシコ人マネージャーがこの車のオーナーと結託して水増し請求をしていたことが発覚した。車のサイズはVANで間違いなく100ドルで済むところを弱みに付け込んで300ドルに水増しし、差額を懐に入れていたのだ。日系企業ということで社長は日本から来た駐在員。もちろんメキシコの税関事情などに精通していないばかりか管理もまったく徹底されていない。本来であれば訴訟ものであったがエンドユーザーの担当部長の配慮で何とか穏便に余剰分の返済をしていただいた。それにしてもまったく油断無しである。
3.大元の韓国メーカーと販売代理のブローカーの対応。
 今回中国製の靴を売りつけた韓国のメーカーは事件発覚後、中国製を間違えて送ってしまった旨を文章で謝罪してきたがその後一切音沙汰なし。いろいろ調べると中国製の靴のコストはなんと$6。それを弊社に$37で売りつけていた事がわかった。もちろん韓国製は$6とはいかないだろうから同社はきっと最初から中国製とわかって利益を確保するためにうまくごまかして出荷した可能性が否めない。韓国業者にはやはり注意が必要だ。そして今回の商いを仲介したLAの日本人ブローカーは事件発覚後1が月して突然雲隠れ。メイルにも電話にも一切応答なしだった。日本人として恥ずかしくないのか??とにかく同じ国民としてこんな卑怯な人が居るのかと本当に悲しい気持ちになった。
以上が本件の後日談。ビジネスはやはり難しい。というか、相手を信じることは商いの大前提だが、それにしても魑魅魍魎のたぐいが常に身の回りには徘徊しているということを肝に銘じることも重要だと、あらためて痛感した。

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