三河屋を再考する!                           -次世代マーケティングプラットホームを読んでー

 

 

 湯川さんから贈呈していただいた「次世代マーケティングプラットホーム」を遅ればせながらようやく読了した(湯川さん、時間がかかってしまって本当にすみませんでした^^;)。まず率直な感想は、「もうすでに広告業マーケティングの分野というのはこんなところまで来ているのか」ということだった。この本には従来の広告媒体であるテレビや新聞、雑誌というものは出てこない。フォーカスされているのは勿論トレンドであるインターネット業界の話が中心だ。GOOGLEをはじめ、SNS、ポータル、ブログの運営サイトなどなど、基本的には、どこもビジネスモデルは旧来の媒体と同じ広告収入であり、その域を出るということは容易ではない。ではその中でどのように効率を上げ、かつ効果のある広告を打つことができるが、どれだけ的確に購買層を抑え、広告主の売上と利益の向上に貢献できるかというのが、これらのサイトの運営側の営業力になると思うのだが、そのためのツールや解析方法、データベース、ネットワークといったお膳立てを専門にする会社が既に存在し、それらのテクノロジーを駆使して、上記の「広告主の費用対効果」を満足させる経営を行うことが必要不可欠になっている現実、そしてそれらが今後どのように発展し究極の目標である「ワンtoワン」広告に近づいていくかという状況を見ることができた気がした。そして、その手法はWEBの域を出て、モバイルやデジタルサイネージにも広く波及し、それらが又独自の進化を遂げつつある点、非常に興味をもった。 サイネージにおいては、そこに映る人の認識まで行い、それに応じてサインの内容を変えるなど、とてつもない(?)技術まであるというのが驚きだった。というか、いつもこの手の本を読むと思うことは自分はシリコンバレーにいながら何でこのようなことが今まで全然知らなかったのか、ということだ。物凄く目からウロコの感動がある反面、相変わらず視野が狭くて情けない自分を感じでしまう。。。
 さて、一連の技術革新に伴うマーケティングの手法が変遷していくなかで、当然このような技術を利用でき、かつ広告と打つことができるというのは、営業企画や宣伝広告費をしっかりと確保できる企業や会社に限定(SALESFORCEやOMMUNITUREのサービスも当然有料だ)されると思うのだが、これらが我々のようなマイクロ企業にはどういうインパクトになっていくのだろうか?ここから何を学んで、これをどう考えていけばいいのか?ということが自分にとっての結論となるわけだが、従来通りの営業プラスWEBによる宣伝と物販といった現状できるマーケティングと営業戦略において、このような近未来のテクノロジーがあると言っても、この域から飛び出すことは、やはりコストというぶ厚い壁のために非常に難しいと思われ、最終的には現実的に自分とは関係ない世界の話だな。というのが正直なところなのだが、ひとつ非常に感心したというか印象的だったのが「テクノロジーを使った、きめ細かなサービス=三河屋さん的サービス」という考えだ。そうだ、これは我々日本人が、本来最も得意とし、これを軸に自分達の生業を維持してきたという基本的な営業戦略ではなかったか。それが湯川さんの言う「時代の流れ、マス文化によって失われてしまったもの」であり、ここへきて再び「この失われたものをテクノロジーを駆使して取り戻すことがIT革命の本質」とまとめられているが、これはテクノロジーを駆使する前に営業を必要とする者の心得として先ず取り戻すべきものであると痛感した。これだけせちがない世の中。家電をとってみれば乱立する大型量販店を尻目に、厳しさはあるものの黙々と経営を維持する町の電気屋さん(三河屋さんと同類)のマーケティング活動が、実は最新のハイテク技術を駆使して目指すマーケティング活動の究極のゴールと同じだという点は、もちろん町の電気屋さんの限られた顧客と市場に対するものとは異なり、後者の方は一般の大きな市場を対象としている点に大きな違いはあるのだが、非常に面白いと思う。そしてこの「広告やマーケティングなどの企業活動の究極の姿」といわる三河屋さん的な顧客対応であれば自分にもできる。ある程度顧客の数や規模が増えても、それこそインターネットを利用して、その分を補うことは別に高価な機器やサービスを利用しなくても十分に対応できるはずだ。このあたりをもう一度この原点に立って考え直してみよう!と、ずいぶん本書の目指すところとは、自分の結論はかけ離れてしまったようだが、この部分の啓発を与えてくれただけでも本書は自分にとって十分価値があったと思う。そんなわけで湯川さんが言われている「広告関係者はもとより、ウェブビジネス関係者や、一般企業の経営企画などに携わる人たち」に加えて、最新のマーケティングの現状を知るだけでなく、そのような時代にどうすべきかを啓発してくれる点で起業家や小企業、そして個人事業主の皆さんにも、この本はぜひお勧めしたい一冊である。
 
P.S.おまけですが、この本を読んで内容とは別に少し考えたことは、いつもここに行きついてしまうんですが、本来日本人が最も自然に取り入れていた三河屋的マーケティングが、これまたアメリカの企業を中心とした日本以外の企業によってビジネスモデル化されて、この分野でもイニシアチブを持っていかれてしまっている現状(この本には日本の会社は一社も出てこない)は、やはり日本人として、他のプロダクツ同様ちょっと残念でさみしい感じがしてしまいました…。

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