ビッグサイトの展示会を見て思った事

今週は日本出張、毎年この時期に開催されるアジア最大のエレクトロニクス製造実装技術展「NEPCON JAPAN」視察がメインの目的だ。この展示会はこの業界に入って以来、過去27年近くにわたり毎年欠かさず訪れている。最近では、この展示会に併設されて今のトレンドである「カーエレクトロニクス技術展」「次世代証明技術展」なども同時開催され(まあ一説には単独の展示会では十分な集客ができないという背景もあるようだが…)、現在のトレンドの産業における日本の技術力の詳細を一括で見ることができるとい点では非常に効率がよい。
 電子回路基板(PCB)に部品を実装する、という電気製品にはまず不可欠な製造プロセスを担う製造機械、実はこの分野で日本は世界のトップシェアを誇っている。昨今は需要の減少から韓国勢や一部ヨーロッパ勢もシェアを伸ばしているようだが、技術レベルでは圧倒的に日本製だ。大手のPANASONICをはじめ中小では富士機械製造など、この分野のブランド品として世界で圧倒的な人気を誇るメーカーもある。またYAMAHAやTDKなども未だに根強い人気をもつ。特に最近では、微小パーツの実装、これはスマートPHONEなどに使用される0.6mmX0.3mm角の部品をも確実に実装する機械精度が不可欠になりこの部分ではやはり信頼性という意味で日本製品にまた軍配が上がるケースが多いようだ。面白いのはJUKIなど、ミシン製造メーカーの大手もこの分野で結構根強い人気を持っている。かつて工業用ミシンでは世界的なシェア(未だに頑張っている)をもっていた同社が、その技術力を生かしミシン針の代わりに部品を実装するノズルを装着したシステムで他業種にも参入しているわけだ。これら実装機器メーカは先に書いたように確かに需要自身の衰退により十分な利益を確保できないという状況にあるのは事実だし、リーマンショックのあたりには少なくとも大手数社がこの業界から姿をけしてしまったが、製品がより小さく高機能になり部品レベルの形態が変われば変わるほど、そういうところに強みを出せる日本勢がシェアを確保し続けるような力強さを今回は感じることができた。
 今回の展示会でもう一つ面白いと思ったのは県単位、また市町単位で地方の行政がバックアップしていると思われる多数の中小企業が出展していた事だ。勿論この電子機器製造に関する製品を扱うところが中心なのだが中には「これは面白い」という商材もたくさん見受けられて、これはこれで非常に興味深かった。話を聞いてみても、技術的にそれなりにしっかりしていて、これだったらアジアだけでなく源流アメリカのR&Dでも興味を持ってもらえるのでは?と思えるようなものもあった。今までもこのような中小企業が独自に小さなブースを借りて出展しているケースは見受けられたのだが、今年はその数が新規で100社以上にもなっているところに、いい方を変えれば現在の日本の状況が今まで展示会に出展する必要もないほど安定していた需要の低迷に直面し死活問題になっている感もうかがえる。ただこれで自分たちが持つ製品のレベルや需要を肌で感じ、さらなる飛躍のためのステップとなれば十分に有意義ではないか。そして運よく新しい顧客や海外での需要を見出すことができれば、素晴らしいことではないかと思う。特に私のような海外にいるものが、そんな小さな優れた技術や製品をうまく見つけてグローバルの舞台に引っ張ってあげることは、やはり可能性としては十分アリなのだなという思いを新たにした今回の展示会であった。

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