サービス(気配り)の粋

 サンディエゴに行きつけのコーヒーSHOPがある。サンディエゴの滞在中はいつも朝家を出るときに途中このお店に立ちよってコーヒーを買うことを常としている。朝の時間帯には、私のような通勤途中のお客や、地元の人たちが、歓談の場として利用しており結構にぎやかだ。当然オーダーを待つ人の列がいつも少しばかりできているのだが、ここの女性店員たち(皆若くて結構美人)は、私の顔を見ると「Hi, Yoshi」と声をかけてくれ、私が注文をしなくても、私のいつものオーダーを「これでいいわよね?」といって出してくれる。毎朝飲むコーヒーなので、今日はラテだけど明日はエスプレッソ…などと、ころころ変える人は当然少ないと思われ、私以外のなじみの客も皆同じような感じでオーダーがサーブされている。う~ん、やるな!と思う。思わずサンキューの一言と少し大目のTIPを置きたくなってしまうのが心情だろう。アメリカでは稀有な、こういうサービス(気配り)には粋を感じでしまう。
 私の尊敬する知り合いに、アメリカでビジネスに成功し、まだ還暦前だが半リタイヤの生活をして人生を謳歌している大先輩がいる。彼は30年近く前にアメリカにわたり、無一文から今のステータスを築きあげた。当初、手に職も専門的な知識もなく、当然就職もかなわず、ほとんどできることがないので誰にでもできる掃除屋からはじめたそうだ。幸いある小さな会社の事務所の清掃を請け負うことができ、その仕事からスタートした。余計なお世話だと最初は思ったそうだが、見た目に殺伐とした雰囲気の事務所がちょっと気になり、自分が愛飲していたアップルジュースのりんごの形を模したかわいい小さな瓶が沢山あったので、それに庭の花を挿してトイレやレセプションなど、気になるところにそっと置くようにしたそうだ。もちろん仕事がきちんとできることが大前提だが、そんなちょっとした気配りが、その会社のオーナーに気に入られ、次々に知り合いや関連の会社を紹介してもらって急成長。数年後にそのビジネスを売却し、あとは持ち前の努力とサービス精神でいくつかのビジネスを成功させて今日に至っている。
 本当に些細なところにビジネスのチャンスとそれを伸ばすか否かのヒントがあると思う。特にサービスに関してはカスタマーサティスファクションを常に全面に押し出しながら何をカスタマーサティスファクションだかまったく理解しているとは思えない対応を普通にする輩が多いアメリカにおいては、その傾向が顕著だ。サービス(気配り)の粋はその際たるヒントだと思う。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です