この現状だからこそできる事があるはずだ!

先週末になるが、大阪でオフィス家具製作の工場を元気いっぱい切り盛りしているIさんとお会いした。今回は2泊4日の強行軍でシリコンバレーに出張。何とか顔だけでも拝見できればと思い、日曜日のブランチにお誘いした。Iさんは、常に非常に客観的なものの見方と独自の分析力から今の日本の製造業の実態を把握されていると思う。そんなIさんのお話を伺うことで普段はまったく見えてこない本当の姿の日本の中小企業の実態を垣間見ることができる気がする。
 今回は昨今の景気の話に始まり、そこにある製造業の現状と、その行く末はどうなるのかという話、そしてこの現状だからできる事は何かという話で、かなり勉強になった。そして色々考えさせられた。製造業の行く末と言う話は、また別の機会に紹介するとして、まず、現在の日本の中小企業を中心とした製造業の現状については、ご存知の通り壊滅的な打撃を受けており、中京地区の自動車関連の下請け企業(あえて下請けという言葉を使わせてもらおう)の現状を見るまでもなく、その状況は全国的にかなり深刻だと言う。そんな中、事業主が口をそろえていうのは「今は我慢の時期だから、何とかこの場をしのいで、景気が上向きになったら、また頑張りたい」ということで、この時期をうまく利用して何とか活路を見出して生きたいという意見はほとんど聞けないらしい。これは今まで攻めの営業や事業展開をすることなく、単に下請けと言う状況で常にメーカーから入ってくる仕事で十分なレベニューを得る事ができたが故に、不況時の凌ぎ方はこれしかない。と言う認識が根底にあるからかもしれないが、この先はそうとばかりは言えないのではないかという気持ちが私の中では非常に強い。
 実際Iさんの会社も製造メーカーとしては中小のサイズで主な製品もオフィス家具なので、この不況の影響をまともに受けているのだが、彼は、ここを好機と位置づけ、景気のいい時は忙しすぎて手が回らなかった様々な試みをスタートしたと言う。その例として、まずコストの軽減を実施すべく、全ての仕入先の見直しを徹底的に行ったそうだ。現状は喉から手が出るほど仕事が必要な製造メーカーが巷には溢れているので、極端なことをいえば幾らでもコストダウンができる感じを受けたそうだ。そしてIさんは、その価格のメリットと自社の持つ優れた品質を武器に、今まで参入が難しかった業種や、日々の生産に追われ、なかなか業者選定の見直しまで余裕がなかった大手メーカーへのアプローチを再開し、量は望めないものの非常に力強い感触を得ているという。これがまさに今の状況を最大限に活用し、次のチャンスへつなげるための処方箋ではないかという思いがした。同じような話を日本のTVでも見たのだが日本の大手家電メーカーであるK’S電機は景気のいいときには一切事業や店舗の拡大を行わず、景気の低迷したときを利用して店舗展開を行うという。そのほうが収益の減退以上にコストを軽減できるからだそうだ。逆転の発想が会社の発展に大きく寄与している端的な例だと思う。この前のエントリーにも紹介したが、シリコンバレーの製造メーカーでも半導体産業に依存し、その景気の動向によって不景気になるとじっと耐え忍んで生きながらえるか、そのまま死滅してしまうところもあれば、ソーラーや新しい産業に積極的に営業を展開し、現状をしのぐばかりか、将来的な拡張へ確実に前進しているところもある。残念ながら日本の製造業の場合は下請けと言う極端に営業力が脆弱なスタイルが主流である為に、この現状を逆転の発想で乗り切り将来につなげられる事が難しい可能性が高いのが現状だが、Iさん(本当に勉強になりました。ありがとうございます)のような経営者が中心になって、この現状を逆にうまく利用し、それを乗り切るだけでなく将来の発展につなげる活動や試みが、もっともっと盛んにならないものかと考えさせられてしまうが、かく言う私も、そのような視点でできる事を積極的に考えてみたい。

 

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